ある権力者の家を垣間見る機会がありました。もちろん、普段は議会やらその後の会食などやらで、忙しいのですが、どんな人間にも一人になる機会はあります。
一人になると彼は居間で、ベッド仕様になるソファーに軽く横たわり、彼よりもさらにもっと上の世界を支配している存在から、時々に送られてくる3D映像を、見るのが習慣となっています。それは、彼にとって心地よい周波数を使用した音楽ではじまり、彼の五官が無防備にむきだしになるように作られています。もちろん、映画の主役は、彼です。3D映像は、彼の憎んでいる(憎むように設定されている)敵国を責める自国軍の活躍する様子、ミサイルや潜水艦、オスプレイ、ナパーム弾、場合によってはもちろん原子力爆弾も、逃げ惑う人々を殺戮していく目を覆いたくなる残酷な場面が次々と流れた後、一方彼の周囲は、きらびやかな衣装を身にまとった美しい女性たちに囲まれて、シャンデリアの下、贅沢な食事や音楽などが聞こえてくる戦争なんて他国の出来事であり戦争であがった利益で日々、贅沢に暮らしている自分が中心にいます。
彼の望む未来に繋がるために、いま、
なにを発言し、どのように立ち振るまったらいいのかを、彼の主役の映像が示唆してくれているのです。世界の認識しうる世界の中心は、彼なのです。
そんな映像を次々作るのに、いくらかかるかですって?色々な映像をつぎはいでつくっているようなので、せいぜい何千万円でしょう。それに、彼を洗脳することによって、何億どころか、何兆というお金が、彼の上の存在に流れるのです。いくらかかったとしても取り戻すことができるのです。

百日紅(サルスベリ)