冷蔵庫と冷凍庫

 

 以前から、妻はいろんな食材を冷凍保存しており、二台の冷蔵庫の冷凍室では足りないので冷凍庫が欲しいと言っていたが、そのままになっていた。すると、五月の下旬だったが二台目の冷蔵庫の冷凍室が凍らなくなってしまった。いろいろと操作方法を試してみたが、やはりそれが回復することは無かった。

 

すると、操作ボタンの横にある電子表示が、たしかHLLと表示されていたのでインターネットで調べてみたところ、冷媒漏れということだった。これではこの冷蔵庫もオシャカになったかと思った。

 

 私たち高齢夫婦が更に年を重ねていけば、今より買い物に行く機会が減って冷蔵庫や冷凍庫は一層必要になってくるため、妻とは古い冷蔵庫一台では心許(こころもと)ないので冷蔵庫を買い替えなければならないかと相談したが、それは年金暮らしにとって痛い出費になる。

 

その翌日、いろんな電器店を回ってみた。最後にこれまで主に利用してきたEDION店に行ってみたところ、顔見知りのスタッフS氏がいたので状況を説明して故障の原因などについて尋ねたりした後、展示されている冷蔵庫を見せてもらった。

 

やはり新しい物は技術の進歩によって様々な機能が一層進化しており、素晴らしい。高い物は数十万円もするのでとても買えそうになかったが、二十数万円だったものが十万円代になった物には「この際・・・」とかなり気持ちが動いた。そのついでに冷凍庫も見せてもらった。

 

すると、S氏は

「六月に入ると、特売会がありますので・・・」

と言った。

「それでしたら、またご案内いただいてから伺いますわ」

と応じて、この日は品物を特定しないまま帰宅した。

 

 一旦電源コードを抜いていた不調の冷蔵庫は、帰宅後電源を入れていたところ、冷凍機能は損なわれたままだったが、冷臓機能はしっかり働いており、冷凍室も冷蔵庫として使う分には全く問題ないようだった。

 

この状態であれば、何も高い冷蔵庫を買わなくても、冷凍庫を新たに買えば事足りるのではないかという話になった。

 

 六月十日過ぎにEDIONから特売案内が届いた。その初日の十四日の午後、早速妻とともに店を訪れた。冷蔵庫・冷凍庫売り場では、私たちが前回訪れた時に欲しいと思っていた冷凍庫の前で別のスタッフが他の夫婦連れと商談中だった。

 

S氏の姿は周りに見えなかったので、妻をその場に残して彼を探して歩き、最終的に会計カウンターのスタッフに尋ねたところ、彼はパソコンのコーナーで他の客に対応していたようだ。彼に伝言を依頼して妻の所に戻ったところ、先客は私たちが買いたいと思っていた冷凍庫を購入したようだった。

 

品物を見ながらしばらく待っていると、彼がやって来た。彼にその後の冷蔵庫の状況を説明し、今回は冷蔵庫ではなく冷凍庫にすることにすることや欲しいと思っている機種について話した。彼は快く応じて価格を値引いてくれたが、何と表示価格より二割以上も安くなった。

 

妻は以前から「冷凍庫は上から出し入れする形式のものではなく、前開きで多数の引き出しがあるものがよい」と言っており、それは理想通りの三菱電機製で、冷蔵庫などよりもはるかに安いことがありがたい。

 

 配達の日時を翌日の午後三時以降と決めた後、更にS氏に髭剃りについて相談した。刃の前面の肌に接する網目の一部に小さな穴ができていたので買い替えなければならないかと思っていたが、これは一年半前に亡くなった弟の形見の品であるため、できれば本体はそのまま使いたかったのだ。

 

過去には長く使っていた髭剃りの網目が破れたおり、その時には部品の買い替えができるとは知らなかったので本体ごと買い替えていたが、何と髭剃りの刃と網目の取り換えようの物が販売されていたのだ。

 

ただ、価格は六千円弱とかなり高いのが難点だったが、私のような事情があったり、本体自体が高価なものであったりした場合には、この方がいいに違いない。さらに単三電池も購入したところ、何れも一割分値引いてくれた。

 そして、翌十五日の三時過ぎに冷凍庫が届き、設置してもらった。その時には冷凍庫の側面がかなり熱を持っていたので気になったが、やがてその熱は冷めていた。翌日の午後、妻は一台目の古い冷蔵庫の冷凍室から食材を移していたが、これが中程度の設定にもかかわらずしっかりと冷凍している。

 

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