今日から終盤戦

 

 大相撲夏場所(五月場所)は中盤戦が終わり、今日から終盤戦に入る。ここまでで十日目に勝ち越した二敗が三人、今日に勝ち越しがかかる三敗力士が七人となって混沌とした感じだ。

 

 注目の新小結大の里は、前日の前頭二枚目平戸海との対戦では立ち合い受けて立って相手の一方的な攻めに何もできないまま押し出されていたが、この日は押し相撲の前頭二枚目豪ノ山では前日の消極的な相撲を反省したか立ち合い踏み込み、前に攻める相撲を貫いて相手の攻めを凌ぎ、押し出して二敗を守った。

 

 十枚目湘南乃海についてはかつて恵まれた体力が活かされていないと述べたことがあったが、今場所は積極的な相撲が見られる。この日、潜り込まれるとうるさい六枚目翠富士と対戦して、終始相手をよく観ながら突き押しを繰り出して攻め、押し出して二敗を守った。

 

 もう一人二敗を守ったベテランの十六枚目宝富士は、一時動きが悪く精彩を欠いて十両まで番付を落としていた。この日の相撲は観戦できなかったが、十二枚目一山本を寄り切っており、今場所は久々に元気なようだ。

 

 初日に前頭若元春を下し、二日目には新進の小結大の里を寄せ付けずに盤石のスタートを切っていた元大関の前頭三枚目高安に期待していたところ、持病の腰痛を発症して三日目から休場していたが、九日目から再出場している。

 

その初日には大関豊昇龍と対戦してこれを危なげなくすくい投げで下し、十日目には注目の大関琴桜と対戦した。立ち合いから互いに攻め合う攻防の後、高安が上手、琴桜が下手を引いた。土俵際で縺(もつ)れたが、琴桜が一瞬早く土俵の外に落ちて三敗に後退し、高安は勝ち越しに望みを繋いでいる。

 

 三敗組では前頭筆頭大栄翔を始め、五枚目明生、元大関の七枚目御嶽海、八枚目琴勝峰、十三枚目美ノ海、十四枚目欧勝馬、それに大関琴桜と七人が並び、今日に勝ち越しをかける。

 

大栄翔は八日目の大の里戦では攻め勝ちながら最後の詰めを誤っていたが、今場所は突き相撲が冴えており、捲土重来を図りたい。御嶽海は久々に動きがよく、琴勝峰も攻める相撲が見られているように思われる。

 

今日からの終盤戦では星勘定が厳しくなるが、優勝は十二勝辺りになるのかもしれない。今日も熱戦を期待したい。

 

 読んでいただき、ありがとうございます。