次元が違う話では?

 

 先日ネットニュースを見ていたところ、ある週刊誌の記事が目に留まった。それには大相撲の宮城野親方と新進大の里の処分について、相撲協会の対応には差があり過ぎるというもので、前者の処分に関しては協会幹部の悪意があるのではないかとさえ述べられていた。

 

 宮城野親方は白鵬時代から協会役員による注意処分を何度も受けていたり、学識経験者で構成される横綱審議委員会からはその相撲内容について指摘されたりと様々な問題があり、現役引退時にはその処遇を巡って協会に残すべきか否か検討されていた。

 

親方として弟子の暴力やいじめ問題を隠蔽しようとしたことは、協会の体質が問われるほどの大きな問題だったことは否定のしようがなく、過去からの問題の累積を考えれば免職処分を受けても仕方がないほどだった。

 

 その一方、大の里は未成年の弟弟子に飲酒させたということが問題にされていたが、これも法に反する行為であったことに間違いない。ただ、この折の経緯は全く伝わってこないのでよく分からないが、もし飲酒を嫌がる弟弟子に無理やり飲ませてたとすれば単なる法律違反というだけでは済まない。

 

推測で論じるのはよくないが、世間では高校を卒業する年齢に達していれば「なあなあ」という感じで飲酒していることが多く、そういった感覚があったのかもしれない。しかしながら、多くの注目を浴びていることを自覚する必要があったと言われても仕方がない。

 

彼は間もなく始まる五月場所で入幕三場所目にして小結に昇進することが決まっている有望株であり、今後その責任は一層大きくなる。今回のことを考えて立場を自覚して毎日を送り、一層精進して看板力士に成長することを期待したい。

 

 それにしても、この二人の問題を比較して関係者の悪意があるなどと論じる報道関係者は、どのような視点で問題を考えているのか理解に苦しむ。よほどの白鵬びいきだったのだろうかとさえ思ってしまうが、これは穿ち過ぎているだろうか。

 

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