佐賀バスセンターから西鉄バスターミナルに到着した。歩いて『ソラリアプラザ』前を目指した。以前、ここの10階にある会員制のスポーツ倶楽部に来たことがあるので、場所はすぐにわかった。(*^^*)


その直ぐ側に伝説のフォーク喫茶『照和』があった。ここがあの長渕剛やチューリップ、海援隊、井上陽水等など、数多くのミュージシャンがライブを行った場所だと思うと胸が高鳴った。\(^o^)/


「ランチは高いなあ。お金ないから、ホットコーヒーにしようかな。」

Lunchは15時までだが、喫茶店は17時までやっていた。(^o^)


「うわぁ、剛兄さんが……やばいよ、やばいよ」

僕は家族ゲームで長渕剛アニキを知り、高校時代にクラス合唱曲が『MY SELF』で好きになり、ドラマの主題歌『とんぼ』である程度は知っていた。

ラジオで『乾杯』を聴いた時は衝撃的だった。そしてフォークギターと出会い、『グッバイ青春』が初めて弾けた曲だ。

そして、直樹の弾き語りで長渕剛の昔の歌とたくさん出会い、今こうして照和に来たことが奇跡のように感じた。(*^^*)


ソラリアプラザと新天町にはさまれた路地の地下で照和は今も営業を続けている。かつてファンが列をなした狭い階段を下り、玄関の扉を開くとチューリップの曲が聞こえてきた。


時は11月ある晴れた日曜日 
照和っていうこきたないフォーク喫茶で ♬

約束の時間より1時間すぎて 
ドアの向こうで君が手を振った-♪

デビュー間もない長渕剛アニキの「男は女が必要さ」という懐かしい曲が頭を駆け巡った。


色紙隣の本棚には甲斐バンドや新聞の切り抜き、全国から伝説のフォーク喫茶に来たお客さんの言葉が書かれたノートが沢山あった、


ふと赤いクリアファイルを開けると、長渕剛アニキのライブの様子や言葉、影響を受けた芸能人なんかが書かれていた。かの志村けんや渡哲也さんもお気に入りだったとか…。

また売れるまでの経歴も書かれていた。鹿児島県日置町出身、1971年に3600円のガットギターでバンドを組んだ話とか書かれていた。福岡の大学に進学と同時に『照和』のオーディションに合格した長渕アニキは照和で力をつけ、中島みゆきと同じポップコンの第15回に“純恋歌”で入賞を果たすと……。

当時の照和のチーフマネージャーは才能を高く評価していたが、照和では人気がなく帰るお客さんも多かったとか……今では考えられないような話が沢山載っていた。


この照和ブレンドを飲みながら、2時間も過ごしてしまった。今日のもう1つの目的地であるバイクを見に行かなければ……。


久しぶりにミルクカンパニーのオフィスビルまで来た。

「すみません正木といいますが、小野さんをお願いしたいんですが……」

「正木様ですね、少々お待ち下さい。」

待っている間にとホットコーヒーが出された。さっきも飲んだばかりではあるが、コーヒー好きだから気にしない。

10分くらい待った気はするが、小野さんが、

「ごめんなさい、正木さん。ちょっとお客様対応してたから……」

と来られたら、待たされた事なんてどうでも良くなった。なんせ美人は得なのである。

「この前言ってたバイクを持ってる美原くん、今外出していて戻りが夕方4時すぎなんやけど、どうします?」

「そっすね。時間はまだあるので、この前のスポーツジムで汗でも流してきますわ。」


そんなこんなで、スポーツジムがあるソラリアプラザに来た。会員だと500円で入れるので優越感に浸れる。そう、このミルクカンパニーの小野さんからの紹介で『会員』になって、毎月会報が送られて来るが、何が1番気に入っているかというと……。


このソラリアプラザ10階にあるスポーツジムにワンコインで利用できる事!!


奥にはレオタードを着たお姉さんが、

「はい、ワン・ツー、ワン・ツー」

とエアロビクスを指導してくれたり、


プールに入って泳いだり、歩いたり、ラジバンダリ。そんなギャグはどうでもいいのだが、夕方4時までいい時間を過ごした。


夕方4時すぎにミルクカンパニーのオフィスに戻って『美原さん』をお願いした。

「正木さん、すみませんお待たせしました。」

「いえいえ、スポーツジムで遊んできましたから、ちょうどいいですよ。」

「道理でスマートになったと思いました。」

いやいや、会うの2回目ですがって思いながら照れ笑いした。美原さんは小野さんにバイクの話をした時に紹介された、まだ入社2年目の若い男性スタッフで、なんかお兄ちゃん的な人だった。

「この前電話で話していた、スズキのウルフ。下に止めているんで見に行きましょうか?」


「これがスズキのウルフ250ccです。これに4万くらいしたヘルメットとバイク用の手袋も付けて12万でどうですか?」

「まじてカッコいいですね。このネイキッドタイプのバイクに憧れていたんです。」

「ちょっとエンジンかけて乗ってみません?」

美原さんがキックしてエンジンをかける。

「一回またがって乗ってみて下さい。」

バイクに乗るのは教習所以来だった。教習所のバイクは400ccだったので、それよりはこじんまらとしていて前かがみではあるが、感触としては悪くなかった。それよりも4万もするフルフェイスと手袋、このバイクが12万で売ってくれるって事に感動した。初めて10万以上もする高い買い物だったが、このバイクを購入する事にしたのだった。

一応名義変更の手続きは美原さんがしてくれるとの事で、それまでにバイクの保険などの手続きをして、2週間後に改めてバイクを取りに来るのであった。……続く


『感想』

長淵のアニキのルーツ"照和"に取材で行きました。多分、こんな感じで照和に来たんだと思いますが、初めてで舞い上がっていたのを思い出します。海援隊や井上陽水、甲斐バンドやCHAGE and ASKAなどそうそうたる出身者。楽しかったですね。(^^)ρ(^^)ノ