今日は香蘭女子短期大学の学園祭があると言うので、福岡の西鉄大橋駅で友人と待ち合わせだ。そして、下宿島村で仲良くなった梅ちゃんも一緒に行くと言うことで、田島くんが車で迎えに来てくれる事となっていた。

下宿島村は月~土曜日までは、朝食と夕食が出るが日曜日はないので、三吉ラーメンに行ったりと外食かほか弁で済ませている。


「正ちゃん、梅ちゃん、迎えに来たよ。」

田島くんが部屋まで上がってきた。真正面のトイレの左側が梅ちゃんの部屋で、ちょうど2階の反対側がおいらの部屋だ。幸い、隣の部屋は空き部屋で、梅ちゃんの隣がAクラスの藤吉の部屋であった。今日は唐津の実家に帰っているようだ。

「田島っち、ちょい待っててね。」

洗面台の鏡を見ながら、頭を少し濡らして髪を整えた。あんまり変わんないけどね。( >д<)、;'.・



下宿島村を出た僕たちは、梅ちゃんのお願いで『九州龍谷短期大学』に寄ることになった。梅ちゃんの友人、"水原くん"に渡すものがあるらしい。


「一平ちゃん、こっちこっち。」

水原くんを見つけた梅ちゃんが声をかける。印象的には、ちょっと"おたく"っぽい顔立ちだったが、話してみたらとても爽やかな奴だった。

田島くんも梅ちゃんもおいらも一年浪人しているから、学年は一緒でも現役で入学している水原くんは、歳は1つ下になる。そんな細かい事が気になる年頃だった。

「良かったら、2人の写真撮りましょうか?」

と水原くんが声をかけてくれた。学校の階段辺りで写真を撮ると綺麗に撮れるらしい。

「いきますよ。1たす1は?」

「2(に)」\(^_^)/


田島くんと2人、よその短大で写真を撮るだけで気分が高揚していた。

「じゃあ一平、また明日授業で!」

「では、皆さん楽しんできて下さいね。」

梅ちゃんによると、水原くんはこの近くの学生寮に入っていて、将来は龍谷大学に編入を目指しているらしい。西九州大学編入を目指す、おいらと同じ考えだなあ~って思った。(^∇^)


「正ちゃん、梅ちゃん、お腹すかない?良かったら、ちょっと珍しいラーメン屋にいかん?」

田島くんに聞かれ、2人とももちろん異議なし。なんせ車でのお出掛けなんて、どこに行ってもズキズキワクワクですわ。(*^o^)/\(^-^*)



田島くんの運転で、九州龍谷短期大学をあとにし、『丸星ラーメン』に向かった。(^∇^)


久留米「丸星ラーメン」は久留米ICを降りて車で10分。昭和33年の開業以来、長距離トラックやタクシー運転手、それに地元の人にラーメンがうまい店として親しまれている。


店の前には大型トラックでもらくらく駐車できる広い駐車場があって24時間営業。店の前に立つと何ともおいしそうなとんこつスープの臭いが漂っている。


秘伝のスープはどんぶりの底にガラが残るほどの濃厚なとんこつ味です。こくのあるまろやかな味が細麺にからみます。店内で忙しく働くのは地元のおばちゃん達でどことなく昭和のなつかしい時代を彷彿とさせる店内です。


ちなみに丸星の丸は太陽、星は夜という意味で24時間営業という意味だそうな。( >д<)、;'.・


「美味い 安い 早い ってキン肉マンの吉野家牛丼みたいやね。」

「ほんま、ほんま。このレトロ感たまらんね。」

田島くんはこのお店には何度か来てるみたいで、僕らに紹介したかったようだ。


「田島っち、俺の警察犬って書いてるで!」

と田島くんに尋ねると、

「レコードデビューしてるらしいよ。」と教えてくれた。


そんな変わったラーメン屋さんでしたが、値段もリーズナブルで、とても満足でした。

食べ終わった3人は、西鉄大橋駅を目指し、車を走らせるのでした。......続く