沈むように溶けてゆくように
 二人だけの空が広がる夜に 


 「さよなら」だけだった
その一言で全てが分かった
日が沈み出した空と君の
姿フェンス越しに重なっていた

初めて会った日から
僕の心の全てを奪った
どこか儚い空気を纏う君は
寂しい目をしてたんだ 


 いつだってチックタックと
 鳴る世界で何度だってさ
触れる心無い言葉うるさい声に

涙が零れそうでも
ありきたりな喜び
きっと二人なら見つけられる 


 騒がしい日々に笑えない君に
思い付く限り眩しい明日を
明けない夜に落ちてゆく前に
僕の手を掴んでほら

忘れてしまいたくて閉じ込めた日々も
抱きしめた温もりで溶かすから
怖くないよいつか日が昇るまで
二人でいよう 


 君にしか見えない
何かを見つめる君が嫌いだ
見惚れているかのような
恋するようなそんな顔が嫌いだ 


 信じていたいけど信じれないこと
そんなのどうしたってきっと
これからだっていくつもあって
そのたんび怒って泣いていくの
それでもきっといつかはきっと僕らはきっと
分かり合えるさ信じてるよ

もう嫌だって疲れたんだって
がむしゃらに差し伸べた僕の手を
振り払う君もう嫌だって疲れたよ
なんて本当は僕も言いたいんだ 


 ほらまたチックタックと
鳴る世界で何度だってさ
君の為に用意した言葉どれも届かない
「終わりにしたい」だなんてさ
釣られて言葉にした時
君は初めて笑った

騒がしい日々に笑えなくなっていた僕の
目に映る君は綺麗だ
明けない夜に溢れた涙も
君の笑顔に溶けていく 


 変わらない日々に泣いていた僕を
君は優しく終わりへと誘う
沈むように溶けてゆくように
染み付いた霧が晴れる

忘れてしまいたくて閉じ込めた日々に
差し伸べてくれた君の手を取る
涼しい風が空を泳ぐように
今吹き抜けていく

繋いだ手を離さないでよ
二人今、夜に駆け出していく


昨年12月15日に小説を音楽にする『YOASOBI』が初めて出した作品で、星野舞夜さんの『タナトスの誘惑』という小説が原作だという。You Tubeの再生回数が3億回を超えたというネットニュースから知りました。沢山の方がカバーをされていましたが、個人的には元欅坂46の平手友梨奈の映像をバックに流れる動画がお気に入り。この歌、最高です。