先日、子供のおられない夫婦の相続の相談がありました。
ご主人が亡くなられて、奥様とご主人の兄弟や甥姪との共同相続でした。
遺言が無かったので、法律による相続分は、妻4分の3と兄弟甥姪の合計が4分の1です。相続財産は、ご主人名義の自宅の戸建てと預貯金が2000万円ほどでした。ご主人のお父様は、2回結婚されていて、ご兄弟が5人おられて、その内2名のご兄弟が既に亡くなっておられ、代わりに甥姪が4人おられました。
よって、ご存命のご兄弟3名と代襲相続人となる甥姪が4名で、奥様以外の相続人が7名おられました。
しかも、奥様は、その内3名の相続人の方に、お会いしたこともなく、まったく交流もないとのことでした。
ご主人が遺言をされていたら、全ての相続財産が奥様のものになったのに、遺言が無かったばかりに、相続財産の持分4分の1が親戚に移り、煩わしい遺産分割協議が必要となり、老後の資産が大きく減ってしまうことになってしまいました。
ご夫婦で築き上げてきた財産を、何の交流も無い親族にも分けることが起こるとは、奥様も想像したこともなかったとの事でした。
今回の相談で、お子様のおられないご夫婦の場合は、お互い遺言を作成しておく必要性を心から実感しました。