こうのとりのゆりかごの検証結果について | 中原慎介オフィシャルブログ「船橋家族のために働く」Powered by Ameba

こうのとりのゆりかごの検証結果について

こんばんは、船橋市議の中原しんすけです。

熊本市で行われている「こうのとりのゆりかご」に対する第3者による検証委員会の結果が報告されました。

http://www.city.kumamoto.kumamoto.jp/content/web/asp/kiji_detail.asp?LS=256&ID=11568&pg=1&sort=0

是非上記ページにある概要版だけでも読んでいただきたいのですが、怒りと悲しみがごちゃ混ぜになって胸の中を巨大な手で握りつぶされそうな感じです。

読む前は、「第3者といっても行政に選ばれた御用学者でしょ」と思っていましたが、冷静に分析されていました。もちろん厳しい言葉で糾弾するようなことはないので不十分ではありますが。

報告書をみるとこれは5年前に始まったと書いてありますが、もうそんなに経つのか、というのが第一印象。初めてこれに関する記事を読んだときはただただ怒りがこみ上げ「こうのとりのゆりかご」という名称も「子捨て推奨箱」と心の中で読み替えていました。しかし今回の検証結果を見て見ると一定の効果はあったのかもしれない、という気もします。

だからといってこのままこれを続けて良いのかというとやはりNegativeです。あくまでも私の印象ですが、安易な捨て子を助長している印象が強く残ります。

一番多い理由は生活困窮だそうです。しかしそもそも論として子供を育てられる経済力がない、または見込みが立たないのになぜ子供を作るんだろう?ちなみに理由の中で強姦は0件です。100歩譲ってどうしても経済的に厳しいとしても血のつながった子供を手放すだろうか?どのような状況を想定しても”Yes”が出てこない。生活保護について調査・研究をする時に毎回必ず、「コンビニやファミレスで毎日必死で働けば少なくとも月20万は稼げる」と思いますが今回も同じ事を考えます。

それ以外にも理解不能な理由があります。
・戸籍(に入れたくない)
・友人の勧め
・不倫

経済困窮よりもはるかに理解不能ですが。しかし上記の理由と強姦は今回の調査では「世間体・戸籍」とひとくくりにされています。いかにも行政っぽいなあ、と思うのですが、あまりにも正直な理由過ぎて批判が強くなることを避けるためにオブラートでくるんだのでしょう。しかし、「戸籍に入れたくない」と「不倫」と「強姦」が同じカテゴリーに入りますかね???どれだけ考えても意味不明。

まあそれは利用した親の問題が一番大きいですが、さらに大きな問題は、これがあるために熊本から遠く離れた関西や関東からもわざわざ子供、それも生後1日の新生児を連れてくる人がいることです。生まれた翌日に新幹線や飛行機を乗りついで熊本の病院まで行く。母子ともにどれだけ危険なことか。こうのとりのゆりかごを続けるのであれば、少なくとも熊本以外や九州以外の受け入れはしない等の事をしなければならないのではないでしょうか。命の危険を冒させてまでしなければならない事業ではないと思います。

と書くと、全否定のようになってしまいましたがそんな親の元にいるのなら人間的にも経済的にもまともな里親や施設のほうが良いという考え方も全く理解できないわけではありません。でも無制限に捨て子を助長すべきではない、って堂々巡りだ・・・。

結局怒りが先走りまとまりませんが、最後に1点。

子供の年齢を見ると就学前児童も数人います。詳細はわかりませんが最大で6歳まで考えられるわけですが、6歳と言えば先週までの私の娘と同じ年齢。すべてを理解できる年です。ということを考えていたら昔見た岩下志麻、緒形拳主演の映画「鬼畜」を思い出しました。

行政を監視する立場にいながらも、こういった親に対して行政ができることは少ないのではないか、と思ったりもします。1昨日の委員会で聞いた、生活保護をもらいながら自分のためにその金を使いネグレクトをし続ける親につながりますが、それは行政ではなく司法に任せるべき範囲ではないのではないでしょうか。

まだ少し考えます。

中原しんすけ