TPPに反対 みんなの党だけど・・・。 | 中原慎介オフィシャルブログ「船橋家族のために働く」Powered by Ameba

TPPに反対 みんなの党だけど・・・。

こんばんは、船橋市議の中原しんすけです。


昨日行うはずだった野田総理のTPPへの参加表明が延びました。


今までみんなの党の党員と話すとき意外言いませんでしたが、私は基本的にTPPに反対です。正確に言うと、TPPに現時点で参加表明する理由が無いと思っています。


TPP反対と言うと、やれ保護主義だとか利権があるかのようないわれ方をされます。保護主義や保護貿易を支持しているかといえば全くそんな事は無く、関税を低くして国内の様々な産業を競争にさらしていくべきだし、生き残る力の無い企業や産業は消えてもらうしかないと思います。そして海外で勝負できる産業のために国は全力でバックアップしなければいけません。


ただ、なぜそれをTPPという枠組みの中で行うのかが全くわかりません。世界最大のGDPを持ち日本にとっても中国と並ぶ最大貿易取引国であるアメリカとチリやブルネイを同じルールで取引する必要は全くありません。


Wikipedeiaによるとチリの主な輸出品はブドウやワインといった農作物、ブルネイは液化ガスや原油。日本とは非常に偏った貿易をしていて、今後品目が増えることはあまり考えられません。しかしアメリカは全く違います。取引額も多く、今後金融・入札・様々なサービス・医療・保険・等輸出を増やしたい品目は数え切れません。


じゃあEUやASEANも同じじゃないのか?という声がきこえてきそうですが、はいそうです。だから目指すべき地点が国内で統一されていない時点で突き進むべきではないんです。


EUなんてマーストリヒト条約の発効を開始とするなら、1952年の欧州石炭鉄鋼共同体のころから40年もかけているのです。ASEANに関しては現時点では正直言って単なる会議体です。地域経済に参加表明するなら、参加するメリットを明確にできていなければなりませんが、今の政権政党民主党にはそれができていません。参加するとどんなメリットがあり、どんなデメリットがあるのか菅さんそして野田総理からその説明を聞いたことがありません。政治家が海外となんらかの約束をするのであれば当然そこに国益がなければいけないのですが、あるのでしょうか?メリットデメリットを計算するとメリットの方が大きくなければいけません。


賛成派の意見を聞いていると、殆どが根性論なのです。
例えば、
バスに乗り遅れるな-大丈夫です。日本抜きでバスは出ませんから。震災を理由にTPP参加期限を半年延ばしました。APECでの参加表明がなければ理由をつけてまた延ばします。何故なら、アメリカにとって日本抜きのTPPなど全く魅力が無いからです。
TPPのルール作りから入らなければいけない。交渉で自国の利益を主張すべき-これも学者や役人ののんびりした世界で生きてきた人の考えだと思いますが、そもそも交渉というのはテーブルについた時点で勝敗は9割決まっています。つまり、勝てる準備をしてから臨まなければいけないのですがそれができていないことは誰の目にも明らかです。


だからと言って反対派の言うこともなんだかなあ?と思えることが多いのです。と言うのも、メディアにでる反対派は農協や医師会といった、”The利権”とも言える団体ばかりなのでかえって胡散臭く見えたりします。例えば日本医師会の、主張に関しては国民皆保険を守れ、と言う点には私も大賛成であり必ず守らなければいけないと思いますが、なぜ混合診療の議論を混ぜるのかが全くわかりません。これは海外の先進医療が入ってくれば規制に守られた日本の後進的な部分(えてしてこういう部分に利権が多い)が駆逐されることを恐れているからですが、国民からすればむしろ望むところです。http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20111102.pdf
農協に関しても同じです。http://www.zennoh.or.jp/press/topic/2011/tpp01.html
イラストを使ってわかりやすく説明したつもりだと思うのですが、かわいいイラストがかえって胡散臭さを倍増しています。現在の食料自給率40%がTPP参加によって13%になってしまうと煽っていますが、その根拠は不明確だし他のメディアでも私は見たことがありません。(そもそもカロリーベースの食料自給率自体が殆ど使われていない)いざと言うときのために国内で食料を自給しなければいけないと主張しますが、それを阻んできたのが農協を中心とする利権集団。農協の意味があったのは戦後2,30年程度で、その後の農協の懐に入ったマージンを農業活性化に使っていれば自給率も上がり価格も下がり農家の所得も増えたのではないでしょうか。(農業に関してはASEAN+6の枠組みでフードレートを中心とした貿易をすべきと考えますが長くなるので後日書きます)


そういった利権集団の反対意見には耳を貸さずに国全体の利益を考える必要があります。


みんなの党は今年の初めからTPP賛成を主張していますが、私は一旦凍結すべきと考えています。ただ、他の根性論者と違う点は「尊農開国」アジェンダを掲げ、日本を強くするための方向性を持っている点です。

http://www.your-party.jp/file/agenda2011/0201nougyouagenda01.pdf

http://www.your-party.jp/file/agenda2011/0201nougyouagenda02.pdf

しかし、農地法の改正や農業委員会の作り変えや農業の新規参入を促すことは国会議員が増えれば可能です。根性論者チックに言うならばそれこそ外圧に頼らずに日本人の力で行うべきです。


ちょっと長くなったので続きは後日また書きます。

中原しんすけ