「出版大崩壊」 書評への書評 | 中原慎介オフィシャルブログ「船橋家族のために働く」Powered by Ameba

「出版大崩壊」 書評への書評

こんばんは、船橋市の中原しんすけです。


今朝の産経新聞の読書面に「出版大崩壊 電子書籍の罠」という本の


著者自身による説明が出ていました。


(書評の書評というのもどうかと思いますが・・・。)


電子書籍の出版業界へ与える影響については様々なメディアで語り


尽くされているので、タイトル自体は特に惹かれることはありませんでしたが


やはり著者の認識は業界外の人たちとは大きくずれているな、と思いました。


何点かありますが、著者は「ネットでは無料が当然と考えられているので、


1冊500円では売れない」と言っていますが、本当にそうでしょうか?であるなら


有料メルマガなど売れるはずも無く、着メロやアニメのダウンロードも売れない


はずですが、現実にお金を払って情報やコンテンツを買っている人は沢山


います。私も毎月いくつかのメルマガにお金を払い情報を買っています。


課金についての難しさは当然ありますが、やはりコンテンツの価値に依存


するのではないでしょうか。


いいものは売れるし価値が無ければ売れない。人類が商売を始めた時から


全く変わっていないと思います。再販制度によって作る人も売る人もマーケット


においてそのコンテンツの本当の価値を知るすべが無かった。にも関わらず


いきなり弱肉強食のマーケットに放り出されて戸惑っている、と見えますが


どう思われますか?コンテンツの良し悪しを判断されるべきマーケットである


にも関わらず、今までのところ端末メーカー主導のプロダクトアウトな


マーケットなのでもう少しコンテンツメーカー、それも上流の作家主導になれば


課金方法云々で騒ぐことなくマーケットが大きくなるのではないでしょうか。


そしてもう一つ気になるのは、「本や記事にも取材費がどれだけ投入されて


いるかといったコストを示さないと価値が読者に伝わらないのでは」と言って


いますが、


いまさら労働価値説ですかー!!!


そんなものをいちいち見せなければ価値を理解してもらえないものは、そもそも


価値が無いのでは?パン屋に行って100円のアンパンと食パンを買う時


アンパンのコストは80円だけど食パンのコストは60円だから食パンのほうが


お買い得だ、と言って買いますか?普通はアンパンと食パンのどちらを食べ


たいのかで判断するのではないでしょうか。やはりここでも、出版社が投下


した労働力云々よりもコンテンツの価値を高めるほうが重要なのでは。


著者の文章を読むと、あくまでもアダムスミスやリカードの投下労働価値説に


近い感じを受けます。そして一歩間違えるとマルクスの余剰価値説にも


つながりかねない悲観論をエリートとも言えるマスコミ人が臆面もなく記事


にできてしまうことに不安を覚えます。


記者クラブで渡される情報を再販制度といった特権の中で商売しているだけ


ではなく、現場で大手メディアしか知りえない、得られない情報を発信すること


を期待します。


マーケットにおける価値は、コンテンツそしてその商品の価値が価格を決める


のですから。もちろんそれは市議の仕事に関しても同じ事。


現在の大手メディアの衰退を他山の石として、身を引き締めていきます。


明日は、13:30から全員協議会。市長、議会事務局、議員の顔あわせです。


議員バッチも明日からつけます。あまり緊張感も無くワクワクしています。


全員協議会のあとは休みが少しあるのでたまった疲れを抜いて5月の


仕事に備えます。


中原しんすけ