マーケティングの基本的な手法のひとつに、3C分析というものがあります。

3つのCから、どういう製品・サービスを、誰に向けて、どうやって売っていくかを考える

最初のCはCompany、自社のこと。自社の強み弱み、さらには自社のパーパスまでもを確認して、どういう製品・サービスを手掛けるべきかを考える。

次のCはCustomer、顧客。市場があるところを狙わなければいけないわけで、きちんと顧客動向を調べて、十分な売上が期待できるところを狙う。

最後のCはCompetitor、競合。ライバルと同じ市場で、同じことをしてもしょうがないので、競合を調べたうえで、違いをつくる。

このように、3つのCを順番に検討していくことで、市場戦略を組み立てていくわけです。

 

さて、ここまで勉強したところでテスト!

 

第1問。

3C分析の、それぞれのCの説明として正しいものを1つ選んでください!

A. Companyとは、自社のこと。自社の強み弱みや、自社のパーパスを分析して、手がけるべき製品・サービスを考える。

B. Communicationとは、顧客との対話のこと。顧客に対して十分な情報が提供されているかどうかを検討する。

C. Costとは、顧客にとっての負担感のこと。製品・サービスの購入・使用に、金銭だけでなく諸々の負担を減らせているかを検討する。

 

第2問。

3C分析を提唱した人物の名前として正しいものを1つ選んでください!

A.フィリップ・コトラー

B.マイケル・ポーター

C.大前研一

 

正解は…

 

第1問は、Aです!3C分析の最初のひとつは、Companyですね!こちら、恐らく正答率は99%くらいに達しているのではないかなと思います。

第2問は、C!3C分析は、実は日本発の手法。大前研一氏がコンサルタント時代に開発したものなんです!

知らなかった方が大半では?恐らくですが、正答率は(ランダムに選んだ場合の)33%よりも、恐らくは下回ってるんではないか…と思います

 

さて、考えてみてください。

第1問と、第2問の正答率の差は、なぜ生じたのですか?

 

当たり前ですよね。

 

教わっているかどうか、です。

 

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学生たちのテスト成績が振るわない様子をみて、学生の質が悪いとか、授業をちゃんと聞かないとかなんとか言ってる教師は、まじで、考え直したほうがいい。学生に愚痴る教師ほど見ていて痛ましいものはない。

 

学生の成績がばらつくのは、教える能力が無いためだ。

 

学生の学ぶモチベーションが低いから?授業を聞かないから?メモを取らないから?

 

他責にしちゃダメだ。

学ぶ意欲を育み、どうやって学ぶかを教えることも、教師の仕事でしょう?

 

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でもね、今日は、教師の姿勢よりも、もっと問題にしたいことがある。

 

大学やMBAの、成績ルールについてだ。

 

実は近年、文科省的なお達しとても、またグローバル・スタンダードとしても、

成績についてはかなり厳しくルールが作られようとしている。

Aは●●%、Bは●●%、Cは●●%…という感じ。

 

かならず学生の成績をばらつかせなさい、と指導するんです。

 

いや、おかしいでしょこれ。

 

教師と学生の双方が、学びに誠実であった時、成績はばらつかない。ばらついたとして、A+、A、A-の範囲だ。

 

教師が効果的に教えて、学生がそれに応える。

そういう、あるべき学びの場が作られているならば、BもCも出ないはずだ。

 

成績をばらつかせなさいというのは、教師の努力、学生の努力、ひいては学びの空間に対する冒涜ではないのか。

 

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学生たちが、全力で取り組んでくれた3C分析の答案を前にして。

それぞれの学生の顔が、個性が、そして努力がありありと浮かぶ、素晴らしき答案を前にして。

中川の付ける成績は甘すぎる、と注意されて。

 

どこにも瑕疵など見つからない答案の粗探しをして、B、Cを付けた日の悔しい思いを、私は忘れない。

 

学生からの、「僕の回答の、どこに問題があったのですか」との問い合わせに、

返す言葉も無かった、あの日のやるせない気持ちを、私は忘れない。

 

 

私はやっぱり、誰も取り残したくはないのだ。

正しき道を行くための学問である経営学は、全ての人を助けるための力として、使いたい。

B、Cを、一生懸命学んだ人たちにくれてやって、よしとする教育なんか、絶対にしたくない。
 

この社会の誰もが、Aを取れるための経営学教育

それが、私が作るべき、新しい学校だ。