直近の世論調査について（中川秀直）

下記の調査結果から次のことが読み解ける。

共同調査の「衆院の解散・総選挙はいつがよいと思いますか」は、できるだけ早い時期３２・３％、今年後半以降２２・１％、任期満了に近い２０１３年夏の衆参ダブル選挙３８・６％、わからない７・０％となっている。今年中の解散を望むが民意の過半数を越えたと読み解ける。

問題は、その理由である。同調査の「消費増税法案の賛否」で、賛成４１・７％、反対５６・８％。「消費増税法案を今国会で採決した方がよいと思いますか、思いませんか」で、今国会で採決した方がよい４３・１％、今国会で採決しなくてもよい５２・１％。

民意の５６・８％が消費増税法案反対で、不成立を望んでいるが、採決すれば自民党が賛成に回り、成立する可能性もあるから、採決せずの消費増税法案先送りが５２％にもなっているのである。事実上の法案不成立である。同調査の「今国会で消費増税法案が成立しない場合、どうすればよいと思いますか」で、「野田首相が衆院を解散して総選挙で国民の信を問う」５７・１％となっている。

今国会での消費増税法案不成立による解散・総選挙が民意である。自民党はこの民意に拠って、法案否決による解散追い込みを決断すべきである。（５月２８日記）





（参考）共同通信（２６，２７日）、日経新聞・テレビ東京（２５～２７日）、新報道２００１（２４日）の世論調査の結果



＜共同通信＞（数字は％、カッコ内は前回４月２８，２９日調査）



問１　あなたは、野田内閣を支持しますか、支持しませんか。



支持する　２８・０（２６・４）

支持しない　５８・１（６０・０）

分からない・無回答　１３・９（１３・６）



問２、問３略



問４　あなたは、どの政党を支持しますか。



民主党　１４・４（１３・６）　自民党　２０・５（１９・６）　公明党　３・０（２・８）　共産党　１・８（２・４）　新党きづな　０・２（０・２）　社民党　０・３（１・１）　みんなの党　６・９（４・０）　国民新党　－（０・７）　新党大地・真民主　０・２（０・２）　たちあがれ日本　０・４（１・２）　新党日本　０・５（０・１）　新党改革　０・３（－）　その他の政党・政治団体　１・５（０・９）　支持政党なし　４８・３（５２・５）　分からない・無回答　１・７（０・７）



問５　国会で消費税増税関連法案の審議をしています。あなたは消費税増税関連法案に基づき、消費税率を２０１４年４月に８％、１５年１０月に１０％と２段階で引き上げることについて賛成ですか、反対ですか。



賛成　１１・９（１２・９）　どちらかといえば賛成　２９・８（３０・２）　どちらかといえば反対　２５・０（１９・８）　反対　３１・８（３４・３）　分からない・無回答　１・５（２・８）　



問６　あなたは消費税増税関連法案を今国会で採決した方がよいと思いますか、思いませんか。



今国会で採決した方がよい　４３・１　今国会で採決しなくてもよい　５２・１　分からない・無回答　４・８



問７　野田佳彦首相は消費税増税関連法案の今国会成立に政治生命を懸けるとしています。あなたは今国会で消費税増税関連法案が成立しない場合、どうすればよいと思いますか。



野田首相が衆院を解散して総選挙で国民の信を問う　５７・１

野田内閣が総辞職する　１８・５

そのまま野田首相が続ける　１９・６

その他　０・７　分からない・無回答　４・１



問８　定期検査などで全国に５０基ある商業用原発はすべて停止しました。あなたは、この夏の電力不足に不安がありますか、不安はありませんか。



不安がある　２１・６　ある程度不安がある　４３・４　あまり不安はない　２１・８　不安はない　１２・９　分からない・無回答　０・３



問９　原発の発電がなくなって電力供給が減っています。これまでの暮らし、ライフスタイルに比べ、不便になることが考えられます。あなたは、これまでの暮らし、ライフスタイルに比べ、不便になることを受け入れられますか、受け入れられませんか。



受け入れられる　７６・９　受け入れられない　２０・５　分からない・無回答　２・６



問１０　あなたは定期検査で停止している原発について、政府が「安全性は確認された」として再稼働することに賛成ですか、反対ですか。



賛成　３６・０　反対　５６・３　分からない・無回答　７・７



問１１　あなたは次の衆院選後、どのような政権の枠組みが望ましいと思いますか。



民主党中心の政権　７・１　自民党中心の政権　１３・２　民主、自民両党の大連立政権　２４・０　政界再編による新たな枠組みの政権　３７・９　その他　２・９　分からない・無回答　１４・９



問１２　あなたは次の衆院選の比例代表ではどの政党に投票するつもりですか。

民主党　１５・０（１３・２）　自民党　２２・４（２２・７）　公明党　４・９（３・６）　共産党　３・２（３・４）　新党きづな　０・２（－）　社民党　０・７（０・９）　みんなの党　６・５（６・０）　国民新党　－（０・８）　新党大地・真民主　０・１（０・２）　たちあがれ日本　０・９（１・３）　新党日本　０・２（０・１）　新党改革　０・３（－）　その他の政党・政治団体　１・９（１・７）　分からない・無回答　４３・７（４６・１）



問１３　あなたは衆院の解散・総選挙はいつがよいと思いますか。



できるだけ早い時期　３２・３　今年後半以降　２２・１ 任期満了に近い２０１３年夏の衆参ダブル選挙　３８・６　分からない・無回答　７・０





＜日経・テレビ東京＞（カッコ内は前回４月調査）



１、内閣支持率は、



支持する２８％（２９）、支持しない６０％（６２）



１、消費税率を２０１４年４月に８％、１５年１０月に１０％に引き上げる政府案について



賛成だ３８％、反対だ４３％



１、消費増税法案をどうすべきか



政府案のまま成立させるべきだ９％、

与野党が話し合って修正案を成立させるべきだ４８％、

今国会での採決を見送るべきだ２０％、

廃案にすべきだ１３％、

その他・わからない１０％



１、小沢元代表を支持するグループが消費増税法案への反対姿勢を強めていることについて。



理解できる２７％、理解できない６４％



１、小沢元代表の今後の影響力について



影響力を発揮してほしい２２％、影響力を発揮してほしくない６９％



１、小沢元代表の東京地裁による無罪判決後に指定弁護士が控訴したことについて



理解できる５９％、理解できない３１％



１、問責２閣僚について



辞めるべき７３％、辞める必要はない１５％、その他・わからない１２％



１、問責２閣僚の扱いと野党の国会対応について



国会審議を拒否している野党の姿勢は理解できる１２％

野党は国会審議を進めるべきだ６１％



１、話し合い解散について



賛成３８％、反対４３％



１、大飯原発の再稼働について



賛成３４％、反対５０％



１、原発を再稼働しないことで日々の生活に



不便があってもよい６０％、不便があるのはよくない３４％



１、政党別の支持率



自民党３０％、民主党２３％、みんなの党６％、公明党３％、共産党２％、社民党１％、支持政党なしの無党派層２７％



＜新報道２００１＞（数字は％、カッコ内は前回５月１７日調査結果）



【問１】あなたは次の衆院選でどの党の候補者に投票したいですか。



民主党１４・２（１４・２） 　　　　　　たちあがれ日本０・０（０・８）

自民党２０・８（２２・８）　　　　　　 新党改革０・０（０・０）

公明党　２・８（３・６） 　　　　　　　　　新党きづな０・０（０・０）

共産党　２・４（１・６） 　　　　　　新党大地・真民主０・０（０・２）

社民党　１・０（０・８） 　　　　　　　無所属・その他４・０（３・６）

国民新党０・０（０・０） 　　　　　　　　　　棄権する２・４（２・８）

新党日本０・０（０・０） 　　　　　まだ決めていない４６・２（４４・２）

みんなの党６・２（５・４）



【問２】あなたは野田内閣を支持しますか。



支持する３０・４（２８・６）、支持しない６２・８（６５・７）、その他・わからない７・０（６・７）



【問３】この夏の電力需給や大飯原発再稼働の是非が注目されていますが、あなたは国による安全確認の手続きが終了した原発の再稼働についてどう考えますか。



安全確認手続きが終了したら再稼働すべき４４・０

安全確認手続きが終了しても再稼働すべきでない５０・０

その他・わからない６・０



【問４】日本の領土である尖閣諸島や竹島について、それぞれ中国と韓国が領有権主張や実効支配を行っていますが、日本政府は日本の領土であるという事実と姿勢を中国や韓国にしっかり示していると思いますか。



示していると思う３・４％

まあまあ示していると思う１７・８

あまり示していると思わない４４・８

示していると思わない３３・０

その他・わからない１・０



【問５】国会で社会保障と税の一体改革の本格的論戦が始まりました。今、議論されている２０１４年に８％、２０１５年に１０５に引き上げる消費増税についてどう考えますか。



賛成１２・２

どちらかと言えば賛成２９・６

どちらかと言えば反対２６・４

反対２９・２

その他・わからない２・６