銀行券ルール?→FRBの長期国債保有は10年末にはドル発行残高を超え、現在は1・6倍以上 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

銀行券ルール?→FRBの長期国債保有は10年末にはドル発行残高を超え、現在は1・6倍以上

秘書です。

銀行券ルールは、

①日銀固有のもの=日銀のようなルールを世界の主要中央銀行は持たない
②平成13年にできたもの=日銀による長期国債の買い切りや引き受けを拒むことが「宗教」だと言ってはばからない故速水優総裁が01年3月の量的緩和政策時に導入した

です(下記の田村秀男さんの記事参照)。FRBにこの銀行券ルールはありますか?そして現在このルールを守っていますか?守っていない結果、何がおきていますか?



日銀保有国債 流通紙幣超える見通し
5月14日 4時53分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120514/k10015092541000.html

日銀は金融緩和強化のため、国債の買い入れを拡大していますが、その結果、ことし年末には保有する国債が92兆円程度と、日銀が発行している紙幣の額を上回る異例の規模になる見通しで、金融市場などでは国の借金依存が進むのではという懸念も強まりそうです。

日銀はデフレからの脱却を目指し、市場に大量の資金を供給するため、金融機関から国債を買い入れていますが、金融緩和強化で買い入れ額は増え続けています。
この結果、日銀が保有する国債はことし年末までに92兆円程度になるということで、これは日銀が発行し、流通している紙幣の金額83兆円を上回る規模です。
国債をあまりに大量に保有することは、放漫な財政を助長することにつながりかねないとして、日銀は流通している紙幣の金額を超える国債を持たないという自主的なルール、いわゆる「銀行券ルール」を決めていますが、これを事実上破る異例の事態に陥ることになります。
こうした事態は戦後初めてのことで、日銀では思い切った金融緩和による一時的なものと説明していますが、金融市場などでは国の借金依存が進むのではという懸念も強まりそうです。
日銀の国債買い入れ手法
日銀は金融政策の一つとして、
従来から毎月1兆8000億円の国債を金融機関から買い入れてきました。
そして、これとは別に日銀は長引く「デフレ」からの脱却を目指す臨時、異例の対策として、おととし10月に特別の基金を設け、この基金を使って、国債の買い取りを新たに始めました。
当初35兆円だった基金の規模は、5回にわたる追加の金融緩和の結果、先月の金融政策決定会合で70兆円まで拡大することになりました。
これに伴って、国債の買い入れ額は、現在、毎月合わせて3兆9000億円まで膨んでいます。
「銀行券ルール」とは
金融緩和を行っている日銀は、大量に資金を供給する手段の一つとして、金融機関から国債などを買い入れています。
この国債の買い入れですが、日銀がもし国の借金である国債を制限なく買っていいとなると、国は事実上、いくらでも借金ができることになり、放漫な財政に歯止めがかからなくなるおそれがあります。国の借金を中央銀行が、直接、引き受けるような状態を「日銀による財政ファイナンス」や「マネタイゼーション」と言います。
日銀では、現在行っている国債買い入れはマネタイゼーションには当たらないとしていますが、金融市場がそれに近いと受け止めれば、財政や通貨に対する信用が失われ、急激なインフレを招いて日本経済に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたことから、日銀では平成13年に「銀行券ルール」を作り、日銀が発行し、流通している紙幣、つまり銀行券の金額を超える国債を持たないようにすると定めています

→高橋さんのツイッターによると今日の夕刊フジで銀行券ルールについて論ずるそうですが、その前に田村秀男さんの日銀券(銀行券)ルールについての記事を再確認しておきましょう。

「日銀券ルール」撤廃急げ 自在のFRB新政策 (編集委員・田村秀男) 
2011.9.25 11:07 経新聞
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110925/fnc11092511160000-n3.htm

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は新政策を試みる。長期の米国債を計4千億ドル(約30兆円)追加購入するのだが、「日銀券ルール」(長期国債の日銀保有をお札の発行残高以内に抑える日銀の内規)を金科玉条とする日銀から見れば破天荒な政策である。日銀は正しくFRB政策は間違っているのだろうか。
・・・

日銀と米FRBの長期国債保有の推移
 日銀は、本格的な量的緩和に踏み出せないように自縛している。冒頭に挙げた「日銀券ルール」である。日銀による長期国債の買い切りや引き受けを拒むことが「宗教」だと言ってはばからない故速水優総裁が01年3月の量的緩和政策時に導入した。大規模な量的緩和のためには、巨額に上る長期国債の買い上げが欠かせない。そうなると、政治の圧力で日銀はずるずると国債を引き受けさせられ、悪性インフレを招いてしまうという恐怖症による。日銀生え抜きの学究肌、白川方明総裁は日銀ルールの強力な継承者である。

 FRBの長期国債保有は10年末にはドル発行残高を超え、現在は1・6倍以上に上る。日銀のほうは、小刻みに長期国債を買っては売る操作を繰り返し、日銀券発行残高の天井に突き当たらないようにしている。もとより、日銀のようなルールを世界の主要中央銀行は持たない。学術的根拠にも乏しい。

 対照的に、FRBはドル発行量に縛られず自在に量的緩和政策を駆使し、その成果を挙げるために買い上げる資産構成を変更し市場を通じた経済活性化に大胆に挑戦する。

 日銀が最優先すべき使命は超円高の是正と脱デフレであり、大震災からの復興の条件を創出することだ。その妨げになる内規はさっさと再考、廃棄すべきではないか。

→銀行券ルールを突破している米国経済は?米国財政は?