財政緊縮化が生産活動の低下を引き起こす悪循環に陥る恐れがあるとの指摘←欧州の話 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

財政緊縮化が生産活動の低下を引き起こす悪循環に陥る恐れがあるとの指摘←欧州の話

秘書です。

日本では増税推進勢力によって完全に封印された下記の議論。

「財政再建と成長を対立軸でとらえる議論は誤りだ。低成長と高債務という現在の経済状況の下では、双方を同時に進める以外の方法はない」

欧州で復活!それはそうです。当たり前の常識論ですから!


→フォルツァ!モンティ!

イタリアのモンティ首相、成長に向けた課題に一段と取り組むようEUに求める
2012年 05月 9日 07:44 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK814239320120508

 [ローマ 8日 ロイター] イタリアのモンティ首相は8日、財政赤字の算出方法を変更すべき、との考えを示すとともに、欧州連合(EU)の欧州委員会が成長に向けた課題設定で今以上に積極的に行動すべき、との考えを示した。


 首相は、レーン欧州委員(経済・通貨問題担当)と共に出席した会議で「レーン委員と欧州委員会が積極的かつ主導的な役割を果たすことを求める」と語った。

 EUの財政ルールについて、財政赤字を増やすことなく民間セクターに債務を返済することができるよう変更すべきとの考えを示した。さらに、公共投資とそれ以外の歳出をはっきりと分けるべき、と主張した。

 イタリアでは政府の公共事業などの支払いの遅れで取引先企業の資金繰りが悪化することが多く、問題となっている。こうした支払い遅延の債務残高は推計で少なくとも600億ユーロとなっている。

 首相は、赤字額の算出にあたり、政府は「純粋な」公共投資と生産性が比較的低い政府支出とをはっきり分けるべき、と主張した。これは、ドイツや他の北欧諸国で取り入られている方法。

 首相は「公共投資を通じた生産の拡大は立派な政策ということを議論するためドイツから関係者を招いている」と述べた。

→さて、成長と財政再建の両立という欧州発の議論は日本に到達するか?残念ながら日本の政官財学報は、この流れが国民に伝播しないように水際で情報遮断することでしょう。結果として、日本だけがデフレ下の緊縮財政に突っ込んでいくことでしょう!(増税ができないとマーケットの制裁をくらう、というキャンペーンが展開されることでしょう)

→世界大恐慌発生後に浜口首相と井上蔵相が金解禁という緊縮政策をやり遂げた国です。また歴史は繰り返すのでしょう。デフレで国民生活は疲弊し、農村の若い女性の身売りとかはこのあとに発生しています。この浜口首相のデフレ政策は、歴史小説では美化されて現在に伝わっていますから、歴史小説で歴史を学習している人々にとっては英雄的存在。他方で、浜口首相の誤ったデフレ政策を修正して世界で最初にデフレから日本を脱却させた高橋是清に悪のレッテルを張る一部の勢力が歴史観に影響力を持っています。

→欧州情勢に注目していきましょう!


23日にEU首脳会議、成長支援と財政再建の両立を模索
2012年 05月 9日 03:16 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE84701R20120508

[ブリュッセル 8日 ロイター] 欧州連合(EU)は、23日に首脳会議を開催する。ファンロンパイEU大統領が加盟国首脳に送付した書簡によると議題は「欧州における成長」。成長支援と財政再建の双方を同時に達成する方法を模索する。

23日の会議は夕食会形式の非公式会議となる。成長戦略と財政強化策について正式な決定を下す予定の6月28─29日の首脳会議に向けた土台づくりを進める。

ユーロ圏債務危機が発生から2年目を迎えるなか、エコノミストの間からは、ユーロ加盟国は財政の緊縮化に重点を置きすぎているために成長が損なわれ、財政緊縮化が生産活動の低下を引き起こす悪循環に陥る恐れがあるとの指摘が出始めていた

週末に実施されたフランスの大統領選挙では、緊縮財政策から成長支援策への政策転換を訴えてきた社会党のオランド氏が勝利。ギリシャで行われた総選挙では、緊縮財政策を進めてきた連立与党が敗北した。こうしたなか、緊縮財政一辺倒ではなく、成長促進により重点を置いた政策に軸足を移すべきとの議論が勢いを増している。

欧州委員会のレーン委員(経済・通貨問題担当)は8日、記者会見で、財政再建と成長促進を両立させる必要があるとの認識を示し、「財政再建と成長を対立軸でとらえる議論は誤りだ。低成長と高債務という現在の経済状況の下では、双方を同時に進める以外の方法はない」と述べた。

同委員は「成長を支援しながら、差別化された方法で、財政再建を追求していく必要がある」としている。

→欧州のエコノミストに日本の現状の総括をしてもらいたいですね。

→ところで、下記のIMFの判断を日本にあてはめるとどうでしょう!低成長とデフレの日本も円の上限を設定するのは適切な措置? 


スイス中銀のフラン上限設定は適切、成長後は撤廃を=IMF
2012年 05月 9日 07:20 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE84707620120508

[ワシントン 8日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)は8日、スイス国立銀行(中央銀行)がスイスフランの上昇を抑制するために対ユーロ相場の上限を設定したことについて、スイスの低成長とデフレリスクを踏まえると、適切な措置だったとの見方を示した

ただ、成長と物価情勢が安定した際には、スイス当局は上限を撤廃する必要があると提言。撤廃のタイミングを計ることは難しいとし、撤廃に際しては十分に配慮するよう促した。

IMFはスイスに対する定期的な見直しのなかでこうした見解を表明。スイス経済については、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)と経済政策は良好ではあるものの、ユーロ圏債務危機のリスクに直面していると指摘した。

また、国内の銀行部門いはぜい弱性が存在するとし、スイスの銀行は規制当局が定める資本規制は満たしているものの、大手行が保有する質の高い資本は「比較的層が薄い」と指摘した。

国内的には、緩和的な金融政策により不動産バブルが形成されつつある可能性があると警告。こうしたバブルは、国内事業に軸足を置く銀行と保険会社をリスクにさらす恐れがあるとした。