「円安の持続は難しいだろう」というマーケットの声←2.14バレンタインサプライズは義理チョコ? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「円安の持続は難しいだろう」というマーケットの声←2.14バレンタインサプライズは義理チョコ?

秘書です。
今日の日銀の政策決定を受けて、現時点では1ドル=80.85円で円高にふれているようですが。

今日の決定の「3」では

「当面の「中長期的な物価安定の目途」である1%に遠からず達する可能性が高い」

といい、他方で「6」では、

「デフレからの脱却には、急速な高齢化のもとでの趨勢的な成長率の低下という、長期的・構造的な課題への取り組みが不可欠である」

といっている。「3」では遠からず1%達成する可能性が高いといい、「6」ではデフレは長期的・構造的な課題とする。この「3」と「6」をどのように理解したらいいのか?「金融緩和は効くけど、効かない」ということ?

①物価は1%に達するかもしれないけどまたデフレに戻るリスクが高い
②マクロ的な需給バランスの改善で1%まではいくけど、そこから先、世界標準の2%にいくには構造改革が必要
③物価の安定が成功したら日銀の政策の結果、失敗したら構造的問題の結果という責任論への布石



2012年4月27日
日本銀行
金融緩和の強化について
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2012/k120427a.pdf

・・・

3.海外経済をみると、欧州債務問題が金融市場に大きな混乱をもたらすリスクは低
下し、米国経済も緩やかに回復している。こうしたもとで、わが国の経済は、なお
横ばい圏内にあるが、前向きの経済活動に広がりがみられるなど、持ち直しに向か
う動きが明確になりつつある。経済の先行きについては、本日公表の展望レポート
で点検したとおり、新興国・資源国に牽引されるかたちで海外経済の成長率が再び
高まり、また、震災復興関連の需要が徐々に強まっていくにつれて、緩やかな回復
経路に復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、マクロ的な需給バランス
の改善を反映して、展望レポートの見通し期間後半にかけて0%台後半となり、そ
の後、当面の「中長期的な物価安定の目途」である1%に遠からず達する可能性が
高い
やや長い目でみれば、日本経済が物価安定のもとでの持続的成長経路に復す
る蓋然性は高いと考えられる。

・・・

6.デフレからの脱却には、急速な高齢化のもとでの趨勢的な成長率の低下という、
長期的・構造的な課題への取り組みが不可欠である
。こうした課題を克服し、新た
な経済成長の基礎を築いていくためには、民間企業が付加価値の創造力を高め、外
需の取り込みや内需の掘り起こしを進める必要がある。また、このような企業の前
向きな活動を支えていくために、政府が環境整備に努めることや、民間金融機関が
成長基盤強化に向けた取り組みを行うことも重要である。このように、民間企業、
金融機関、政府、日本銀行がそれぞれの役割に即して取り組みを続けていくことに
よって、デフレ脱却は実現していく


日銀追加緩和こうみる:買入資産の構成に工夫も円安持続は難しい、今後の米金融政策を注視=ニッセイ基礎研 上野氏
2012年 04月 27日 14:10 JST
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPTK079339820120427

 <ニッセイ基礎研究所 シニアエコノミスト 上野剛志氏>

 日銀が打ち出した資産買入基金増額の規模は5兆円ということで最低ラインだが、買入資産の構成を変更するなど工夫がみられた。ETF買い入れの2000億円程度の増額というのは印象として大きいだろうし、札割れが連発している固定金利オペは減らして長期国債の買い入れを増やすということで工夫がみられる。さらに買い入れ対象とする長期国債の残存期間を1年延長したり、包括緩和の基金自体の年限も半年延長したりしたが、総合すると市場が予想していたよりも踏み込んだ内容で、日銀の緩和姿勢の強さを印象づけたとみている。

 しかし、円安の持続は難しいだろう。2月から3月にかけてのような大幅な円安の再来の可能性はあまり高くないとみている。米国の経済指標は良くないものが出ているほか、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は追加緩和に含みを持たせており、一方向にドル買いにポジションを傾けづらい。また、4月以降、再び欧州の債務問題がクローズアップされている。各国での重要選挙も控えており、ユーロ圏でもし何かあればリスク回避で円高の流れになりかねない。

 次回6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、6月末に期限を迎えるツイストオペ後に何かするのか、やめてしまうのか判断してくるだろう。決定にあたっては、4月米雇用統計など5月に発表される米経済指標が判断材料として非常に重要になってくるため、注目する必要がある。現在は日銀が追加緩和で先行しているイメージがあるが、FRBが再び追加緩和を打ち出してくればドル安/円高のインパクトは大きい。FRBの出方を注視したい

 (東京 27日 ロイター)

→今日、自民党の財金部会で、エール大学の浜田宏一先生も例え話につかっていましたが、「2月14日の金融緩和というバレンタインギフトは義理チョコ程度だったのか」ということが注目されますね。

→金融緩和の効果がありすぎて、困って、金融政策は効かないとの従来の主張にあわせるように小さく小出しにするのか?