非常時において、完全に検証された情報などない。この常識が今の政権には欠けている(高橋洋一氏) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

非常時において、完全に検証された情報などない。この常識が今の政権には欠けている(高橋洋一氏)

秘書です。


完全に官僚の思考様式!

正確に確認するまでは一切情報を流すなという対応は上から目線の官僚的危機管理!

人命に関わる話は、いち早く情報提供することが重要であり、間違った情報であっても後で謝罪すればいい。無謬性(むびゅうせい=誤りがないということ)神話を維持したい官僚は間違った場合の責任を先に考えがちだが、政治家であれば、その程度のリスクを負うべきだ!

非常時において、完全に検証された情報などない。しかし、この常識が今の政権には欠けている!


2011年東日本大震災、2012年北朝鮮ミサイル発射への対応に共通する、民主党政権の根本的かつ致命的な問題です。民主党政権に非常時対応、危機管理は無理です。



北ミサイルで露呈した“覚悟”なき政権
2012.04.19 zakzak 高橋洋一氏
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120419/plt1204190732003-n1.htm

 北朝鮮は13日午前7時39分ごろ、「人工衛星打ち上げ」の名目で長距離弾道ミサイルを発射した。韓国メディアが発射直後の7時50分ごろに伝え、米メディアも続いた。

 ところが日本政府の場合、田中直紀防衛相が記者会見したのは8時23分。「7時40分ごろ、北朝鮮からなんらかの飛翔(ひしょう)体が発射されたとの情報を得ている。1分以上飛行し、洋上に落下したもようだ。わが国の領域への影響は一切ない」と述べた。その後、8時36分に藤村修官房長官が記者会見を開き、同様の内容を発表した。

 事実関係について、米韓当局は発射直後から情報を出したのに対し、日本政府は8時3分「確認していない」という内容をエムネット(緊急情報ネットワークシステム)で全国に送信している。そして官房長官の発表は8時36分と遅れ、しかも、防衛大臣が先に発表するという不手際もあった。

 さらに、発射を知らせるはずの全国瞬時警報システム(Jアラート)は沈黙したままだった。

 今回はミサイル発射が失敗したこともあって実害はなかったが、東日本大震災の際には原発事故直後にSPEEDIの情報を公開せずに、適切な避難を妨げることになった。

 また、昨年は金正日総書記が死去した際に、北のテレビが「重大発表」を行うことが事前にわかっていたにもかかわらず、野田佳彦首相が遊説に出かけ、慌てて引き返すという失態もあった。

 今回の北朝鮮のミサイルの件では、発射直後に「発射したもよう」と情報提供しなかった。その理由として、政府は、3年前の北朝鮮ミサイル発射時に誤発表した経験もあるので、ダブルチェックをしたからだと説明している。これは完全に官僚の思考様式である。正確に確認するまでは一切情報を流すなという対応は上から目線の官僚的危機管理そのものである。

 人命に関わる話は、いち早く情報提供することが重要であり、間違った情報であっても後で謝罪すればいい。無謬性(むびゅうせい=誤りがないということ)神話を維持したい官僚は間違った場合の責任を先に考えがちだが、政治家であれば、その程度のリスクを負うべきだ

 非常時において、完全に検証された情報などないしかし、この常識が今の政権には欠けている。それは、官僚に動かされていて政治家としての覚悟がない政権だからだろう。

 特に、官房長官が記者会見で発した「何かが発射されただけで警告すると、お騒がせする」はひどい。新聞報道によれば、自衛官が7時50分に石垣市に「打ち上げた可能性がある」と伝えている。この現場の自衛官のほうが、官房長官より非常時対応としてはまともである。自衛官が伝えた結果、石垣市は騒ぎになったのだろうか。

 政府の発表よりもツイッターやテレビを見ているほうが圧倒的に情報が早かった。政府の情報システムも失敗だった。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)