1ドル=81.36円近辺。そして、西村日銀副総裁発言 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

1ドル=81.36円近辺。そして、西村日銀副総裁発言

秘書です。

為替=トークダウン?
株価=トークアップ?

いずれにしても、中央銀行の金融政策が為替や株価に影響することがまた証明されたということか?


月末の会合でリスク入念に点検、必要に応じ追加的措置=西村日銀副総裁
2012年 04月 18日 11:55 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE83H01D20120418

[岡山 18日 ロイター] 日銀の西村清彦副総裁は18日、岡山で開かれた金融経済懇談会であいさつし、月末に開催される金融政策決定会合について、日本経済のさまざまなリスクを念頭に「改めて入念な点検を行い、『経済・物価情勢の展望』(展望リポート)として示したい」と述べた。

デフレ脱却には「足元の景気回復に向けた動きをしっかり後押しすることが重要」と指摘、「今後も必要に応じて追加的手段を講じていく姿勢」と強調した。

日銀が2月に、従来の物価安定の「理解」に代わり導入した「目途(めど、英語ではgoal)」について、1%の物価上昇率を「ピンポイントで明示しつつ、『目指す』という表現を用いて能動的に政策対応を進めていく姿勢を明確にしている」と説明。目途を「弾力的なインフレ目標と呼んでも、私には違和感はない」と述べた。数値を1%と決める際は、バブル期にも「低い物価上昇率に慣れた国民の物価観に十分配慮する必要があると考えた」と説明した。

最近の国際金融市場について「為替相場や株価が神経質な動きを見せている」と指摘。米国経済は「直近の雇用統計が事前の予想を下回るなど、改善の動きがどんどん強まっていくということにはなっていない」との見解を示した。

日本経済のリスク要因として「世界経済をめぐる不確実性を最も強く意識」と述べ、欧州債務問題や国際商品市況、新興国の成長などをめぐる不確実性を列挙した。米経済は雇用に不安のある人々が増え、「今後の回復の足取りを重くさせる可能性がある」とし、経済指標も季節調整の歪みで「冬場から初春にかけて過大評価される可能性がある」と指摘した。

景気の現状について、「海外経済は全体としてなお減速」、「日本の輸出や生産は横ばい圏内」と従来見解を繰り返した。先行きも、新興国経済や復興需要により「緩やかな回復経路に復していく」とこれまでのシナリオを維持した。

(ロイターニュース 竹本能文;編集 田中志保)

*内容を追加します。


〔外為マーケットアイ〕ドル/円じり高、投信関連の買いや日銀副総裁発言がサポート
2012年 04月 18日 11:36 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK078460220120418

〔外為マーケットアイ〕


 <11:35> ドル/円じり高、投信関連の買いや日銀副総裁発言がサポート


 ドルは81.37円付近。じりじりと上げ幅を拡大している。投信絡みの外貨買いが観測されているほか、日銀の西村清彦副総裁の発言で追加緩和観測が改めて意識されている。

 西村副総裁は18日、月末に開催される金融政策決定会合について、日本経済のリスクを入念に点検して「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を作りたいと述べた。また、足元の景気回復の芽をしっかり後押しする必要があると指摘、今後も必要に応じて追加的手段を講じていくと述べた。

 もっとも、市場では「季節的に投信関連の買いが出やすいだけで、途切れてしまえばドル/円、クロス円の上昇は限られる」(国内金融機関)との声も出ており、円安持続に懐疑的な向きも多い。

 <10:20> ユーロ106円後半、円買い戻しで上昇ピッチ鈍い

 ユーロは106.63円付近。株高を追い風に他のクロス円とともにジリ高となっている。市場では「投機筋の円売りポジションがなお高水準で、高値圏では円の買い戻しを誘発しやすい。このため上昇ピッチは鈍い。きょうは米欧で注目指標もないため、円安は持続しないだろう」(外資系金融機関)との指摘が出ていた。

 <09:40> 豪ドル/円ジリ高、バークレイズは豪ドル売り・レアル買いを推奨

 豪ドルAUDJPY=は84.45円付近。日経平均株価が堅調に推移、ジリ高となっている。

 一方で、バークレイズ銀行の山本雅文チーフFXストラテジストは、豪ドル売り・レアル買いの妙味を説いている。ブラジル中銀は日本時間明朝に政策金利を発表するが、同行では0.75%の利下げを予想。そのうえで、明日の利下げでブラジル中銀の利下げ局面が終了するとみている。一方、同行はRBA(オーストラリア準備銀行、中央銀行)が第2・四半期に合計0.5%の利下げを行うと予想している。山本氏は、こうしたブラジルと豪州の金融政策スタンスの違いに加え「ブラジル経済は米景気の相対的堅調および原油価格上昇から恩恵を受けやすいこと、他方で豪州は中国景気減速の悪影響を受けやすいことから、目先の米中の相対景況感格差の代理通貨ペアとしてのレアル買い・豪ドル売り取引には依然として妙味がある」(山本氏)と指摘している。

 <08:37> ドル81円乗せ、アジア株高見込み円売り

 ドルは81.03円付近。前日の米国株高を背景に、きょうのアジア市場でも各国の主要株価指数が堅調に推移するとの期待が先行、円に売り圧力が掛かっている。ドル/円との関連では、前日に米10年債利回りUS10YT=RRが上昇したことも支援材料。

 17日の米金融・債券市場では、国債価格が下落した。株高のほか、スペインが同日の短期債入札を無難にこなしたことを背景に、米債への逃避買いが後退した。

 <08:10> カナダドルが高値圏、前日に中銀が一部緩和解除に言及

 カナダドルCAD=は対ドルで0.9890カナダドル付近と、前日の高値圏で推移している。前日には、カナダ銀行(中央銀行)の予想外にタカ派的な声明を受けてカナダドルが急伸、対ドルで1カ月ぶりの高値を付けた。

 カナダ銀行は17日、政策金利である翌日物金利を予想通り1%に据え置く一方、金融緩和の一部解除が必要となる可能性に言及した。声明では「経済の緩みが減退しているほか、基調インフレも底堅さが増していることを踏まえ、現在の大規模な金融政策刺激を控えめながら一定程度解除することが適切となる可能性があるほか、2%の中期的インフレ目標達成とも合致する可能性がある」と述べた。

 <07:44> きょうの予想レンジはドル80.50―81.20円、株高もスペイン懸念なお重し

 ドル/円は80.95円付近、ユーロ/ドルは1.3134ドル付近、ユーロ/円は106.31円付近。

 きょうの予想レンジは、ドル/円が80.50―81.20円、ユーロ/ドルが1.3100―1.3180ドル、ユーロ/円が105.50―107.00円。

 前日の海外市場では円がジリ安となった。ドルは80円後半まで、ユーロは106円前半までそれぞれ水準を回復した。スペインの短期債(Tビル)入札で堅調な需要が見られたほか、ドイツの欧州経済センター(ZEW)が発表した4月の独景気期待指数が強い内容となったことで投資家のリスク許容度が改善した。ダウ工業株30種.DJIは米主要企業の好決算などを手掛かりに大幅に上昇した。

 市場では、きょうの相場展開について「株価は戻っているが、為替市場ではもみ合いになるとみている」(外資系銀行)との指摘が出ていた。アジア各国の主要株価指数が堅調に推移すれば、円、ドルともに売られやすい。しかし、スペインの財政懸念は完全には払しょくしきれておらず、19日のスペイン中長期債入札で弱い結果になれば「またリスク回避モードが強まりかねない」(同)。このため、ユーロ/円は下値不安こそ後退しているものの「このまま上昇を続けるか判断しにくい」(同)とする。同様に、ドルは80円台では買いが先行するとみられているものの、やはり上値追いには慎重なスタンスを示した。
・・・
 (東京 18日 ロイター)


→西村副総裁は日銀の政策について、以下のように語りました。


【挨拶】わが国経済のデフレ脱却に向けて
岡山県金融経済懇談会における挨拶

日本銀行副総裁 西村 清彦
2012年4月18日
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2012/data/ko120418a.pdf

・・・

4.日本銀行による政策対応

次に、日本銀行による政策対応について、お話します。以上申し上げまし
たとおり、①デフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的な成長を実現す
るためには、足もとみられている景気回復に向けた動きをしっかりと後押し
することと、②成長力強化に向けた取り組みを進めることの、両面の努力が
必要です。こうした認識のもと、日本銀行では、2月と3月の金融政策決定
会合において、デフレ脱却に向けた政策のパッケージを打ち出しました。以
下、その内容を簡単にご説明します。

2月の政策対応:「目途」の導入、時間軸の明確化、基金の増額

2月の金融政策決定会合では、3つの措置を決定しました。

第一に、「中長期的な物価安定の目途」を導入しました。これは、日本銀行
が目指すべき「物価の安定」を、消費者物価の前年比上昇率を用いて数値で
表すものです。今回、この「目途」について、日本銀行は、消費者物価の前
年比上昇率で2%以下のプラスの領域にあると判断しており、当面は1%を
目途とすることとしました。具体的な数値を決めるに当たっては、わが国経
済は長い停滞期を経た後で正常状態へ向かう移行過程にあり、先行きに大き
な不確実性が存在すること、そのため、1990 年以前のバブル期ですらそうで
あった日本の低い物価上昇率に慣れた国民の物価観にも十分配慮する必要が
あると考えました。その結果、当面の「目途」は「1%」とピンポイントで
示しつつ、より長い目でみた場合には、内外の経済構造の変化などにより目
指すべき物価上昇率が高まる可能性を考慮して、「2%以下」とすることとし
ました。

第二に、強力な金融緩和を継続する「時間軸」(コミットメント)を明確化
しました。これは、経済環境に関する条件と紐付けて、先行きに向けて緩和
的な政策運営を予め約束しておくことで、将来の政策の効果を前倒しで現在
得ることを目的としています。今回、「目途」の導入に合わせて、「消費者物
価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的
なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進
していく」ことにしました。「1%」をピンポイントで明示しつつ、「目指す」
という表現を用いて能動的に政策対応を進めていく姿勢を明確にしています。
また、条件が充たされるまで継続を約束する政策として、「実質的なゼロ金利
政策」に加えて「金融資産の買入れ等」を明記しています。

第三に、資産買入等の基金について、10 兆円と思い切った規模の増額を行
いました。この結果、日本銀行による長期国債の買入れペースは、成長通貨
を供給するための買入れと合わせ、本年末までの間、年率換算で約40 兆円と
いう大規模なものとなっています。

以上の3つの措置は、デフレ脱却に向けた日本銀行としての政策姿勢を明
確化するとともに、金融緩和を一段と強化し、このところみられている前向
きの動きを、金融面から強力に後押しすることを狙いとしたものです。

3月の政策対応:成長支援資金供給の拡充

続く3月の金融政策決定会合では、成長支援資金供給の拡充を決定しまし
た。この制度は、わが国経済の成長基盤強化に繋がるような融資・投資を行
う金融機関に対し、日本銀行が長期かつ低利の資金を供給するものです。こ
の制度を用いてこれまでに金融機関が行った投融資の分野別内訳をみますと、
環境・エネルギー関連や医療・介護関連のウェイトが高くなっています。投
融資の実例について、金融機関が公表している資料を見ますと、例えば、高
齢者向け施設の運営者が、空調設備を排熱回収型で環境負荷の低い設備へと
更新する投資ですとか、食料品メーカーがアジア新興国における旺盛な需要
に対応するため、現地の生産拠点を拡充する投資などに対して、本制度を活
用した融資が実行されているようです。
こうした実績を踏まえつつ、今回は、小口の投融資を対象とした特別枠と、
外貨建て投融資を対象に米ドルを供給する特別枠をそれぞれ新たに設けるこ
ととしました。それにより、既存の貸付枠の増額分と合わせ、資金供給枠は
合計で2兆円増額されます。また、制度の新規受付期間を全体として2年間
延長することも決めました。
これらの措置は、デフレ脱却に向けて必要なもう1つの柱である成長力の
強化について、日本銀行としての取り組みをさらに強力に推進することを企
図したものです。

5.日本銀行は変わったのか?

こうした日本銀行による一連の政策対応、とりわけ、2月に行った、政策
姿勢の明確化と金融緩和の一段の強化に向けた決定は、事前に予想する向き
がみられなかったこともあって、市場参加者に強いインパクトをもって受け
止められました。その後の株価の上昇や為替相場の円安方向への動きについ
ては、もちろん、欧州債務問題を巡るリスクの低下や米国経済の改善の動き
など、世界的にやや明るい材料がみられ始めたことが大きく影響しています
が、そのことに加えて、日本銀行による政策姿勢の明確化がポジティブ・サ
プライズとして捉えられたことも、相応に影響していると考えています。
こうした2月の決定を受け、「日本銀行の政策目標、政策運営ロジック、政
策スタンスは変わったのか?」と問われる機会が増えています。以下では、
幾つかの切り口から、我々の政策運営に関して変わった点と変わっていない
点を、私なりに整理してみたいと思います。

金融政策運営において目指すものは変わったのか?

まず、2月に導入した「中長期的な物価安定の目途」については、日本銀
行は、いわゆるインフレーション・ターゲティングの枠組みを遂に導入した、
と解説する向きも数多くみられます。この点に関連して、日本銀行が金融政
策運営において目指すものは変わったのか、という切り口から整理を試みる
こととします。
中央銀行として目指すべき「物価の安定」についての日本銀行の基本的な
考え方は、以下の三点です。第一に、家計や企業等が物価水準の変動に煩わ
されることなく、経済活動にかかる意思決定を行うことができる状況が「物
価が安定している状態」である。第二に、「物価の安定」は足許の短期の動き
で判断されるものではなく、中長期的にみて実現されるよう努めるべきもの
である。そして第三に、国民の実感に即し、家計が消費する財やサービスを
対象とした指標を用いて、具体的な数値で「物価の安定」は表現されるべき
である。こうした基本的考え方は、「中長期的な物価安定の目途」の導入以前
から対外的にも明らかにしていたものであり、「目途」の導入によって変わっ
た訳ではありません。
こうした「物価の安定」についての基本的な考え方に基づき、具体的に日
本銀行の目指す方向性を示す上で、「目途」の導入以前にお示ししていた「中
長期的な物価安定の理解」に替えて今回「目途」を導入した意義は大きいと
考えています。各政策委員がそれぞれ金融政策を考える際には、拠り所とす
る日本銀行が目指すべき「物価の安定」についてのそれぞれの考え方があり
ます。従来の「理解」では、各政策委員が中長期的にみて物価が安定してい
ると理解する物価上昇率を数値で示し、それらを束ねたものを範囲として示
していました。物価上昇率が、その範囲から外れていれば、どの政策委員か
らみても「物価の安定」が実現していないということが明らかになる、とい
うので紛れはないのですが、これでは日本銀行が組織として何を拠り所にし
ているか分かり難いとの声がありました。また、「理解」という言葉の語感に
ついて、日本銀行が「物価の安定」の実現を目指して能動的に行動している
感じが伝わり難いといった問題もありました。そうした点を踏まえて、今回、
日本銀行が目指すべき「物価の安定」とは何かを組織として決定することに
した訳です。名称についても、日本銀行の政策姿勢を明確に伝えるものとし
て「目途」、英語では「Goal」を選びました。
また、「目途」への移行に合わせて、当面の「目途」とより長い目でみた「目
途」とを切り分けたことは、重要なポイントであると考えています。このも
とで、経済構造の変化など先行きの不確実性が大きい中でも、日本銀行が現
時点で目指している物価上昇率を、当面の「目途」としてピンポイントで示
しました。他方で、より長い目でみた場合に、成長力強化への取り組みの成
果が挙がり、持続的な実質成長率が十分高まっていくなら、持続可能な物価
上昇率、ひいては名目成長率も次第に高まっていくと考えられます。そうし
た長い目でみた可能性を念頭に置き、「中長期的な物価安定の目途」は「2%
以下」と幅を持たせ、原則としてほぼ1年ごとにこれを点検していくことと
しています。
以上のような「中長期的な物価安定の目途」の背後にある考え方が正しく
共有されていれば、もはや名称を巡る議論は本質的ではなく、また、これを
弾力的なインフレ目標と呼んでも、私には違和感はありません。

2つの「柱」に基づいた政策変更だったのか?

次に、2月の金融緩和強化を事前に予想することが難しかったという点に
ついてです。日本銀行では、2006 年3月から、金融政策の運営方針を決定す
るに際し、2つの「柱」により経済物価情勢を点検してきています。これは、
①先行きの経済・物価に関するメイン・シナリオが、物価安定のもとでの持
続的な成長の経路をたどっているか、新たな枠組みに基づいて言い換えれば、
「目途」の達成に向かっているか、という第1の「柱」と、②そうしたメイ
ン・シナリオに対して、どのようなリスク要因があるか、という第2の「柱」
の両面からの点検を踏まえて政策運営を行うという枠組みです。2月の政策
変更について、この2つの「柱」に基づく政策運営の枠組みから逸脱してい
るため予想が難しかった、という解説も見受けられますので、この点をご説
明したいと思います。
2月の決定会合の時点を振り返りますと、国際金融資本市場の緊張の和ら
ぎ、米国経済に関する改善の動き、復興関連需要等による内需の底堅さなど、
国内外で前向きの動きがみられていたものの、経済活動の水準から見れば海
外経済の減速や円高等もあって日本経済はリーマン・ショックの後の大きな
落ち込みからなかなか回復できない厳しい局面が続いていました。同時に、
1月会合の議事要旨で明らかにされているように、長引くデフレを巡る議論
を進める中で、日本銀行の金融政策運営に関する情報発信が不十分で、その
意図が十分に企業・消費者・市場に伝わっていないのではないか、そのため
に強力な金融緩和の効果が大きく減殺されているのではないか、という認識
が政策委員会内で次第に広がっていました。更に1月25 日に米国FRBが物
価上昇率2%を「longer-run goal(長期的な目標)」としたことで、市場、
メディア等の間で中央銀行の物価の安定を目指す姿勢について、改めて関心
が高まっていました。
つまり「目途」の達成という観点からみて、先行きの経済・物価に関する
メイン・シナリオの実現に必要な緩和効果が減殺されているリスクを考えざ
るを得ない状況になったのです。そうした状況も踏まえ、「目途」の達成に向
けて、経済・物価に関するメイン・シナリオの実現をより確かなものとする
観点から、日本銀行の政策意図を一層はっきりと伝える必要性が意識され、
また、そのような対応を取らない場合に「目途」の達成の遅れにもつながり
かねないことが懸念され、それが2月会合の政策決定につながりました。そ
して意図を明確にするために、資産買入等の基金の思い切った増額も行いま
した。これは、この時期見られた前向きの動きを金融面から強力に後押しす
る形になると考えられ、目に見える金融緩和の効果が期待できると考えたわ
けです。
従って、「理解」から「目途」に替わったことで、2つの「柱」による政策
運営まで変更された訳ではありません
。今まで日本銀行の政策意図に関する
情報発信が不十分であったため、日本銀行の政策意図が十分に伝わっていな
かったことが、結果的にサプライズに繋がった一因であるように思われます

「目途」の導入は、まさにこの情報発信の問題を是正しようとすることが目
的であった訳です
。この点、十分な情報発信を目指して、今後とも工夫を続
けていきたいと考えています。
当面の政策運営において、追加緩和の可能性は高まったのか?
次に、結局のところ、日本銀行の緩和姿勢は強まったのか、今後の追加緩
和の可能性は高まったのか、という難しい問いに対して、なるべく分かりや
すくお答えしたいと思います。
既に述べましたように、「目途」と2つの「柱」に基づく我々の政策運営に
変化はありません
。繰り返しをお許し頂いてもう一度申し上げれば、現在の
金融政策の運営方針は、「消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが
見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措
置により、強力に金融緩和を推進していく」というものです。この表現は、
2月の金融政策決定会合の議事要旨にも記述されているとおり、「日本銀行と
して、今後も必要に応じて追加的な手段を講じていく姿勢にあること」を表
しています。こうした我々自身のデフレ脱却に向けた断固たる姿勢の明確化
が、これまでよりもしっかりと金融市場に浸透してきており、それが一部で
は日本銀行は変わったとの印象を持たれているのではないかと考えています。
実際の政策判断は、あくまでも「目途」に照らして経済物価見通しやリス
ク要因を点検した結果に依存し、政策効果についての判断も重要です。金融
政策の効果がいつ出るかには不確実性が大きく、しばしば(時には長い)可
変なラグがあると言われますが、この性質は最近のような非伝統的な金融政
策でも変わりません。
この点、先ほども申し上げたとおり日本経済の現状は、前向きの動きがみ
えてきたとは言え、世界経済を中心に不確実性は依然として大きいと考えて
います。また、2月と3月の政策変更が、経済・物価に関する人々の中長期
的な期待にどのような影響が及ぶのかについても、無視できない不確実性が
あります。今後、こうしたリスク要因を十分に考慮に入れながら、しっかり
と先行きの経済物価動向を点検し、適切な政策運営に努めて参りたいと思い
ます。

・・・

→政策運営は変っていません、表現が変わってみなさんの理解が正しくなっただけのことです、ということですね。2月14日前に戻る力が常に働くわけですね。日銀の「意図」の解釈が問題なのではなく、実際の貨幣の供給量が問題だと思うのですが。


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