増税の前にやるべき改革を全部先送りしての増税が民主党の増税路線←低福祉重税国家への階 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

増税の前にやるべき改革を全部先送りしての増税が民主党の増税路線←低福祉重税国家への階

秘書です。

デフレ脱却先送り
政府資産圧縮先送り(独法資産の本省への埋め戻し!)
無駄削減の先送り(むしろ、選挙対策的なバラマキで財政膨張)
年金抜本改革の先送り

増税の前にやるべき改革が全部先送りしての増税。
増税路線の民主党こそが真の改革先送り論者なのでは?



BNPパリバ河野氏:「改革先送りの考え増殖」-日銀人事否決で (1)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M21W1K6JTSE801.html
  4月6日(ブルームバーグ):BNPパリバ証券のチーフエコノミスト河野龍太郎氏は6日、日本銀行の審議委員に同氏を充てる政府の人事案が5日、否決されたことを受けてリポートを公表した。その中で「必要な改革を先送りしようという考えが、政治の世界で思った以上に増殖している」との懸念を示した。河野氏の人事案は、金融緩和に消極的だなどとする自民、公明、みんななど野党各党が参院本会議の採決で反対し、不同意となった。

河野氏は、政治家の姿勢について「現実離れした金融政策を提示することによって、『国民の負担が大きく軽減される』、ないし『負担そのものが存在しなくなる』といった甘言を振りまいてはいないだろうか」と批判。

一方、不同意の理由として、同氏が「増税に積極的で、金融緩和に消極的」とされていることに対して、「日本の喫緊の課題は社会保障制度改革と財政健全化であり、そのためには増税はやむを得ず、それらの問題は金融緩和では解決できない」との持論を展開。さらに「必ずしも金融政策に対して消極的ではない」とし、「大きなデフレ・ショック」には金融面から「可能な限り政策対応しなければならない」と述べた。


→やはり、増税優先路線なのですね。日本の喫緊の課題はデフレ脱却というのが国会の意思だったんでしょう。

→そもそも、金融政策についてどんな見識を持つことが望まれるのでしょうか?例えば、こんな分析についての是非を語ってもらうことで、経済的知見を示してもらうのはどうでしょうか?


金融政策の波及チャンネルとしての為替レート
2003年9月

http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis060/e_dis059.html
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis060/e_dis059a.pdf

→いま、日本は「低福祉・重税国家」への階(きざはし)に立つ。増税優先かデフレ脱却優先かは重大な岐路ですね。

慶応大学教授・竹中平蔵 消費税増税に大義も効果もなし
2012.2.10 03:06 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120210/plc12021003070002-n1.htm

 政策を考える際、「解決すべき問題は何か」を明確にせねばならない。今、議論されている消費税増税の目的は「財政再建」と「社会保障の充実」だ。野田佳彦首相が「大義あるものは必ず認められる」と述べたのも、こうした認識からだろう。しかし、結論から言うと、政府・与党の増税案は、財政再建も社会保障の充実もない、大義なきあしき増税である。

 ≪社会保障充実に回るのは1%≫

 政府・与党は2015年までの消費税率5%引き上げを目指す。最初の1%分で、消費税増税による政府全体のコスト増を賄う。次の1%は人口高齢化で増加するコストだ。ただし、年金など制度の抜本的な見直しは示されない。別の1%は社会保障の機能維持(実質的には財政赤字削減)のため、別の1%は年金国庫負担を2分の1にするためで、社会保障の充実に回るのは最後の1%だ。少なくとも当初の説明はそうだった。

 問題はその中身だ。基本的には多くが低所得者対策で、中間所得層への恩恵はほとんどない。増税は社会保障充実ではなく、矛盾に満ちた現行制度の維持のためだけのもの、と言わざるを得ない。

 そもそも、なぜ5%か。政府は2段階の説明を用意している。

 第一は、年金・医療・介護など社会保障の主要3経費と消費税収入を比べると、15年までに約13兆円(消費税5%分)の歳入不足が見込まれるという点だ。なぜ3経費と消費税収入を比べるか意味不明、計算の根拠もおかしい。社会保障費は高齢化で年間約1兆円増えるとして「聖域」扱いし、中身にほとんど手を付けていない。


≪前提の名目成長率もおかしい≫

 消費税の税収は今後5年間の名目成長率を約1%として計算している。名目3%成長を目指す政府方針と相容れない。3%成長を前提とすれば、税収は一気に拡大して増税の根拠は揺らいでくる。各国が作成中の財政再建計画をみれば、米国は名目成長率3・5%、英国は5・3%が前提だ。1%成長はデフレ克服に政府自らが失敗するという前提でしかない。

 第二はマクロの財政再建に関わる。政府は20年までに基礎的財政収支を黒字化する目標を掲げてきた。内閣府は、増税で15年の基礎的財政赤字を現状の約半分にできると試算する。その先どうなるのか。試算では、20年までにさらに7%の消費税増税をしなければ基礎的赤字をゼロにできない。社会保障が良くならず、消費税だけが17%とドイツ並みになるのだ。

 では財政再建と社会保障充実という2大目標をどう達成するか。

 03~07年度の5年間に基礎的財政赤字が28兆円から6兆円まで減った事実を思い起こそう。22兆円の赤字削減幅は消費税率9%分に匹敵する。わずか5年前、財政再建は眼前にあり、それは財政支出の増大防止と経済活性化という当たり前の政策で実現した。

 今の政府は真逆を行っている。数年前まで82兆円規模だった一般会計歳出は今年度95兆円まで膨らんだ。GDP(国内総生産)が横ばい状態の間に、財政規模は子ども手当などで2割肥大した。消費税5%アップで見込まれる13兆円の増収はバラまきの後始末に使われるにすぎない。増税の前にまず歳出の正常化が必要だろう。

 また、成長力を削ぐ一連の誤った政策-労働市場の規制強化、“モラトリアム法”による不良債権塩漬け、ゾンビ企業の救済-を止める必要がある。何よりも、金融政策を変えてデフレを克服することだ。そうして名目成長率を通常の3~4%に戻せば、5年後の税収は10兆円規模で増え、消費税増税は不要になる。景気回復期の税収弾性値は、極めて大きいことが過去の経験からも明らかだ。

≪5%上げを若い世代に使う≫

 社会保障の充実では、福祉のどの部分を拡充すべきか戦略的な選択が不可欠だ。筆者は、経済が正常化した後に消費税を5%上げ、これを全て若い世代の社会保障に使うという政策を提言したい。

 日本で年金や医療に使われる金額(対GDP)はすでに、先進国の集まりである経済協力開発機構(OECD)の平均を上回る。高齢者には不満があるかもしれないが、社会保障は高齢者にはすでにそれなりに行われているのだ。だが、出産・子育て休暇支援、女性の再就職支援など若い世代向けが圧倒的に見劣りする。これを拡充し世代間の不公平をなくすことを優先して目指すべきだ。高齢者の貧困対策は必要だが、これは高額所得者への支給をやめるなど、世代内での再分配で行うべきだ。

 次世代へのツケを避ける-。増税の名分の一つだ。しかし、高消費税率こそ、次世代への負担になる。真のツケ回し回避策は、増税しなくてもやっていける社会をつくり次世代に引き継ぐことだ。国民が税負担を増やして、豊かな社会保障制度にすることはあり得る選択だ。それはしかし、20~30年という長期の構想で、今回の増税はそんな高い志とは無縁である。

 われわれは低福祉・重税国家の階(きざはし)に立つ。誤った増税で、日本を「失われたX年」から「暗黒のX年」に追い込んではならない。(たけなか へいぞう)