1ドル=81円台に円高になりました。原因は米国追加緩和観測高まり←金融政策が為替を動かす証左 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

1ドル=81円台に円高になりました。原因は米国追加緩和観測高まり←金融政策が為替を動かす証左

秘書です。

今でも、日銀に責任を共有してもらうことを主張すると、日銀に責任を押し付けるな、という意見をいただきくことがあります。

これは、貨幣供給量が経済活動に重要な影響を与えるとの見方をするかどうかの基本認識の問題です。

これは江戸時代の新井白石VS荻原重秀の時代にさかのぼり、日本人の歴史認識の中で、荻原が悪で新井が善という歴史観がしみこんでいますので、とても大変です。テレビの記者さんには、この新井VS荻原論争についての歴史ドラマをつくり、歴史観を正さないと、日本人のデフレ好きは変らないよ、と話しています。(江戸時代に、デフレ支持で飢餓反対というのはおかしいですね。新井も、荻原の政策で飢餓がなくなったことを認めていた、という記述を読んだ記憶があります。だから、今でいえば、デフレ支持で貧困撲滅というのもおかしんじゃないでしょうか?そして、デフレというのはおカネが一番価値がある世の中のこと。拝金主義批判論者がデフレを支持するのもおかしいと思うんですが。)

しかも、現在のシニア世代の現役時代はインフレ時代ですから、身に付いたものは反インフレを是とする思考です。それが、デフレの時代においても、人事考査の暗黙の基準になっているのではないかと思われるのですが。

というわけで、貨幣供給量が経済活動に重要な影響を与えるという現象を表すニュースを一つ。


NY外為市場=ドル下落、米雇用統計受け追加緩和観測高まる
2012年 04月 7日 06:59 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJT813010320120406

ドル/円    終値    81.61/67
        始値    82.51/57
    前営業日終値    82.37/39
 
ユーロ/ドル  終値   1.3094/98
        始値   1.3055/60
    前営業日終値   1.3062/64
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 [ニューヨーク 6日 ロイター] 6日のニューヨーク外国為替市場では休日で薄商
いの中、ドルが下落。3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく下回る伸び
にとどまったことから、連邦準備理事会(FRB)の追加緩和をめぐる観測が高まった
 3月の非農業部門雇用者数は前月比12万人増と予想の20万3000人増を大幅に下
回った。これを受けてドルは対ユーロで下落に転じた。

 コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オマール・エジ
ナー氏は雇用統計の結果について、改善傾向にある労働市場の一時的変調に過ぎないとみ
なされるか、FRBの追加緩和をめぐる観測が高まるのかが問題だと指摘した。
 その上で「少なくとも追加緩和の可能性は残る。そうした見方は雇用統計の発表前と比
べて強まった。明らかにドルにはマイナスだ」と語った。
 ロイターのデータによると、ユーロ/ドルEUR=は0.26%高の1.3097ドル。
 ドルは対円JPY=で0.95%安の81.51円となった。
 この日はグッドフライデーのため米株式市場が休場で、債券市場も短縮取引となったこ
とから取引は低調だった。
 
 フォレックス・ドット・コムのシニア為替ストラテジスト、ダニエル・ファン氏は「来
週はFRBの追加緩和をめぐる観測が高まり、ドルには一定の調整が入る」と述べ、ユー
ロ/ドルは1.3150ドル付近にある節目の水準を試すと予想した。
 一方、三菱東京UFJのシニア為替アナリスト亀井純野氏は、スペインをめぐる懸念は
払しょくされないとの見方を示し、ユーロ/ドルは1.30ドルを割り込む公算が大きい
と指摘した。

 ユーロ/円EURJPY=は0.69%安の106.77円。一時、1カ月ぶり安値となる
106.52円をつけた。
 ロイターのデータによれば、ユーロは対スイスフランEURCHF=で一時1.2002フ
ランをつけた。その後は1.2006フランで推移した。


→米国で金融緩和期待が高まると、なんで円高になるのでしょうか?米国で通貨が膨張して、円の通貨供給量に対するドルの通貨供給量が相対的に増えて、ドルの価値が下がると連想するからでしょう。


一方で、なぜか日本のマネタリーベースは減っている
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リーマンショック後の円高の原因も、円とドルの貨幣供給量の増え方の差にあります
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→2011年の東日本大震災後、日本が貿易赤字になっても円高だった理由は下記の高橋洋一さんの見方で説明可能です。この考え方をとらない人は、震災後、円安になるといいました。しかし、円高になりました。これはマネタリー・アプローチの正しさを示しているのではないでしょうか。

「変動相場制では為替相場に何の影響も与えられないかというと、それは違うう。自由になった金融政策を使えばいい。原理は単純。円とドルでどちららが相対的に多いか少ないかだ。多いほうの通貨は希少価値がなく安く、少ない方の通貨は希少価値が出て高くなる。こうした考え方をマネタリー・アプローチといって、国際金融では常識になっている。」(高橋洋一氏)
http://gendai.ismedia.jp/articles/print/14190

→日銀審議委員に必要なのは、経済の動向を正しく見ることができる知見でしょう。