「まるで金融引き締めを実施したような収縮ぶりだ」←2月緩和にかかわらずマネー急減速! | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「まるで金融引き締めを実施したような収縮ぶりだ」←2月緩和にかかわらずマネー急減速!

秘書です。

野田首相が、物価目標についての政府と日銀の協定は必要ない、日銀法改正は必要ない、首相と日銀総裁が膝つきあわせて昼食会をすればいい、といってきた結果が明らかになりました。

下記の記事より。

日銀の本気度疑う声も!

まるで金融引き締めを実施したような収縮ぶりだ!

07年第1四半期を100として指数化し、バランスシートの規模を水準でなく変化で見ると、リーマンショック前後でFRBは3倍以上(11年12月時点)、ECBは2倍以上(同)に拡大しているのに対し、日銀は20%にも満たない!

これから強力な金融緩和を推進すると言っているそばからマネタリーベースを引き揚げていたのでは、今後、日銀が何を言っても信用できないという市場の反応が出てくる!


今日公表された下記のデータへのコメントです。さて、緩和姿勢は「本気」ですか?


マネタリーベース(2012年3月)
2012年4月3日
日本銀行調査統計局
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1203.pdf

2月の追加緩和にもかかわらずマネー急減速-日銀の本気度疑う声も
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M1U2T30UQVI901.html
  4月3日(ブルームバーグ):日本銀行が物価上昇1%を目指して強力に金融緩和を推進すると宣言したにもかかわらず、日銀が供給する通貨の伸びが足元で急減速している。緩和姿勢の本気度を疑う声が高まる恐れもあり、為替や株式市場に与える影響が懸念されている。

日銀は2月14日の金融政策決定会合で、消費者物価指数の上昇率1%が見通せるまで強力に金融緩和を推進していくと表明。10兆円の長期国債買い入れ増額を全員一致で決めた。しかし、日銀の3日の発表によると、市中に流通する現金(日銀券)と日銀当座預金などから成るマネタリーベースは3月、前年同月比0.2%減と、前月の同11.3%増から大きく減速した

三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二所長は「まるで金融引き締めを実施したような収縮ぶりだ」と指摘。日銀がよほどの勢いでマネタリーベースを増やさないと、事実上のインフレ目標導入や10兆円の長期国債買い入れにポジティブに反応してきた外国人投資家をはじめとする市場の期待が失望に変わり、「最悪の場合には円高デフレ相場への逆戻りを招きかねない」という。

昨年3月は東日本大震災を受けて日銀は大量の資金供給を実施。その影響で同月のマネタリーベースは16.9%増と前月(5.6%増)から急増した。今年3月はその反動で前年同月比の伸び率が低下したという面もあるが、嶋中氏は「これによる見掛け上の落ち込みを回避するため3カ月前比年率で見てみると、3月は6.7%減と2月の16.4%減に続きやはり著しい落ち込みとなっている」と指摘する。

財政資金の変動が一因

日銀の宮尾龍蔵審議委員は先月28日、千葉市で会見し、「この2、3月で1つ考えられる要因としては、財政資金の変動によって当座預金が比較的大きく変動したので、それがマネタリーベースの短期的な動きに表れた可能性がある」と指摘。「そういった要因の動きも含めて、マネー指標の動きについて注意深く点検していきたい」と述べた。

しかし、モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤健裕チーフエコノミストは「日銀の宣言に沿って1%の物価安定のめどを目指すからには、日銀はマネタリーベースを増やしたり、バランスシートを拡大する政策により積極的にコミットし、デフレ心理の払拭(ふっしょく)を目指すべきであろう」と指摘する。

UBS証券の会田卓司シニアエコノミストによると、日銀のバランスシートは1990年代後半から一貫して拡大しており、2001年以降の量的緩和政策時にはGDP(国内総生産)比で20%から30%まで膨らんだ。GDP比で見ると、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)は08年のリーマンショック以降の拡大で、ようやく日銀の水準に追いついてきた感じだという。

変化で見ると日銀が見劣り

ところが、07年第1四半期を100として指数化し、バランスシートの規模を水準でなく変化で見ると、リーマンショック前後でFRBは3倍以上(11年12月時点)、ECBは2倍以上(同)に拡大しているのに対し、日銀は20%にも満たない。会田氏は「もともと日銀のバランスシートは大きいと白川方明総裁は金融政策の正統性を訴えるが、デフレ状況が続いている現状を見ると、経済主体の期待を大きく変えるには物足りなかったと批判する声もある」という。

会田氏はその上で「消費者物価1%の目標に向け、さらなる金融緩和期待が残っているが、経済回復ペース以上の早いタイミングで緩和期待が急激に薄れてくる場合、為替や株を通じた景気への影響が懸念される」と指摘する。

日銀は3月13日の金融政策決定会合で、8対1の賛成多数で現状維持を決定。宮尾委員は5兆円の資産買い入れ等基金の増額を主張したが、1対8の反対多数で否決された。同委員は同月28日の講演で、2月14日の日銀の決定が円高修正や株高の一因になったとの見方を示した上で、こうした動きは「景気の持続的回復と物価の緩やかな上昇をもたらす方向に働くだろう」と述べた。

政治圧力が高まる可能性も

マネタリーベースが急減速していることで、政治圧力が再び高まる可能性もある。民主党の金子洋一議員は2日の参院予算委員会で「これから強力な金融緩和を推進すると言っているそばからマネタリーベースを引き揚げていたのでは、今後、日銀が何を言っても信用できないという市場の反応が出てくる」と批判した。

嶋中氏は「日銀は今すぐにでも資産買い入れ基金を縦横に活用して買い取りペースを加速することや、宮尾委員が3月の決定会合で提案した買い入れ等基金の5兆円拡大などの施策を急ぐことなどにより、失速したマネタリーベースの供給率の回復に最大限の努力を傾注するべきだ」としている。


→なんでこういうことになるのでしょうか?

もしも、金融政策に効果があったら、いままで日銀がいってきたことがウソになり、なんでもっと早くやらなかったのかと過去の責任が問われるからでしょう。

金融政策は、効かない程度に、小出し・小さい・遅すぎる開始・早すぎる停止でやっておいて、「ほら日本では金融緩和は効かないでしょう?日本は人口が減っているから、効かないんです、でもみなさんがやれというからやりますよ。でも効かない。何故効かないかといえば、欧米に比べて国民と企業が劣化しているからなんです」と言い訳するのでしょう。この言い訳で不思議なのは欧米に比べて劣化しているならなんで円高なのかということです。そして、円高が是正されれば競争力は回復されるということ。なぜ、日本の最先端企業ですら競争できない為替水準が長期に続くのか?投機筋がそんなに長期に勝てるはずがない。為替と物価は貨幣的現象というしかない。そして、マネタリーベースが2月の金融緩和以後減少している。

日銀には、円高とデフレを是正する「能力」はあるが、「意図(本音ベース)」はないといわざるをえない。

そして、政府には昼食会しかやるつもりはない。

これでは円高もデフレも克服できない。立法府としてなすべきことは何か。

やはり、日銀法を改正するしかない。こういう結論になりそうですね。