日銀審議委員の同意人事が注目される昨今ですが | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

日銀審議委員の同意人事が注目される昨今ですが

秘書です。

日銀審議委員の同意人事が注目される昨今ですが、

3月27日の自民党財政金融部会で岩田一政さん(元日銀副総裁)は、

①円高の持続もあり、デフレ脱却は実現しない(消費者物価は2012年度にマイナス0.5%と予測する)

②2012年1-3月期から2011年度復興予算(18兆円)の効果が表れる。しかし、公共投資の寄与は予想されるよりも小さく、10-12月期には効果が剥落する

とのこと。

また、岩田さんによると、

①円は、2007年第二4半期から2011年第3四半期にかけて名目実効為替レートが34%(実質では27%)増価。

②ドルは2002年第1四半期から名目実効為替レートが55%下落(実質では33%下落)。

③ユーロは2009年9月から実質実効為替レートが9.4%下落。

④ピーターソン研究所は、円の実質実効為替レートを9%過大評価と計算。

⑤過度の円高・株安への対応としては、金融政策でサポートされた介入政策は有効(2003-4年の教訓)等々


「なお、今回の円高の水準について、実質実効為替レートでみると、2002、3年の水準に近いので国際競争力の低下を心配する必要はないとする意見がある。しかし、 ジョルゲンソン=野村の推計によれば、円の対ドルレートは、2000年、2004年にそれぞれ41%、24%過大評価されている。円の実質実効為替レートの水準が、2002、3年に 近い水準にあるからといって安心してはいけない。」
http://www.jcer.or.jp/column/iwata/index324.html


また、3月27日の自民党財政金融部会で、伊藤隆敏東大教授は、

デフレの長期化の理由は、

①基本的には日銀の政策の間違い
 -非伝統的手段の効果を信じていない
  ・2001-2006年の量的緩和政策は効果がなかった、と総括した
 -インフレ目標政策に否定的(だった)

②最近の日銀の論調
 -「1%目途」は、インフレ目標の良いところをとっているが目標ではない、という
 -デフレの原因が、人口減少による潜在成長率の低下という


さて、このような有識者の指摘が有る中で、国会は、どんな日銀審議委員に同意するのか?

この同意人事は、国会の意思として、デフレを容認するのか、デフレから脱却するとの決心を示すことになります!



日銀が日本経済に冷や水!あきれた寝言
2012.03.30 ZAKZAK 高橋洋一氏
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120330/plt1203300738000-n1.htm
 2月14日に日銀が公表した「1%のインフレをメドとする」金融緩和から、円安になって株価は上昇し1万円台を回復した。もっとも、円ドルレートは76円台の超超円高から、82円台の超円高に戻っただけ。さらに一層の金融緩和で90円台か100円台にしたいところであるが、さっそく日銀は牽制(けんせい)球を投げている。

 3月24日、日銀の白川方明総裁はFRB(米連邦準備制度理事会)主催のパネル討論で、危機対応の積極的な金融緩和について意義を認めつつ、「副作用と限界も考慮するべきだ」と述べ、低金利政策の長期化が経済成長全般に悪影響を及ぼさないよう注意を払う必要性を指摘した。

 これは、海外から日本向けのメッセージを出していると考えたほうがいい。せっかく円安になって、株価も上がってきたのに、それへの冷や水をかけたいというのか。

 「低金利で経済成長に悪影響」と日銀が主張する理由は、低金利で採算の悪い事業におカネが流れるというものだ。しかし、そもそも景気が悪いのだから、低採算事業しかない。もっと金融緩和すれば、世の中全体が景気付くのに日銀がそれを行わずに、寝言としか思えない言い方だ。

 もっと景気がよくなってから言うべきことであり、デフレのまっただ中の今、言う話でない。

 日銀の金融緩和は本気でないのか、と疑心暗鬼になっていると、「やはり」というニュースが出てきた。政府は23日、国会に対して、河野龍太郎BNPパリバ証券経済調査本部長・チーフエコノミストを日銀審議委員とする同意人事案を提示したのだ。

 これは政府の人事案であるが、日銀が賛同しているというのは暗黙の了解だ。その河野氏は、昨年の東日本大震災後の経済状況について、「インフレが生じる可能性」を指摘していたが、結果は真逆になっている。2月14日の金融緩和についても消極的であり、日銀の意見の別動隊ともみなされている。ちなみにこれまでの日銀審議委員になった民間エコノミストは博士号の所有者であったが、河野氏は持っていない。

 他にも、疑わしいことがある。日銀の森本宜久審議委員は22日に神戸市で講演したが、その中にかの地ゆかりの人物である平清盛がインフレに頭を悩まされた点に触れた。審議委員の講演内容は、個人的なものとはいえず、日銀事務局がチェックしているのは常識だ。そこに、あまり知られていない平家政権下のインフレが入っているのは不自然だ。

 インフレとデフレに対する日銀のスタンスはかなり非対称だ。今そこにあるデフレには鈍感だが、将来あるかもしれないインフレには過敏だ。インフレ目標はその非対称性を直すものであるが、かたくなに否定する日銀の遺伝子はなかなか変わらない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


→日銀の歴史認識論争は、ついに、現状のデフレ政策を肯定するために、高橋是清さんを貶めるだけでなく、まさか、平清盛にまで歴史認識論争の手を広げる??

現在のNHK大河ドラマは「平清盛」です。
http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/

広島県は清盛を観光のテーマにしています。

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国債金利、財政健全化に疑義なら変化も=森本日銀審議委員
ロイター 3月22日(木)13時45分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120322-00000072-reut-bus_all

3月22日、日銀の森本審議委員は、国債金利は低水準で安定しているが、「財政健全化に向けた取り組み姿勢にひとたび市場が疑義を持つと、状況は非連続に変化する可能性がある」と警鐘を鳴らした。
[神戸 22日 ロイター] 日銀の森本宜久審議委員は22日午前、神戸市で開かれた金融経済懇談会であいさつし、「成長力の強化と合わせて取り組まなければならない課題として、財政の持続性確保がある」と指摘、国債金利は低水準で安定しているが、「財政健全化に向けた取り組み姿勢にひとたび市場が疑義を持つと、状況は非連続に変化する可能性がある」と警鐘を鳴らした。

<資産価格上昇しバブル発生すれば経済・物価の安定損なわれる>

森本審議委員は、デフレ脱却と持続的成長経路への復帰が最重要課題だと日銀の政策姿勢をあらためて強調した。日銀が2月に事実上のインフレ目標として導入した「中長期的な物価安定の目途」で目指す物価上昇率として1%では低すぎるとの一部の指摘に対して、「国内物価上昇率は、現在のデフレに陥る前から、海外の主要国に比べて、ほぼ一貫して低い状態が続いている」と説明。「培われた物価観から離れた上昇率を目指そうとした場合、家計や企業がかえって大きな不確実性に直面する可能性がある」と反論した。

また森本審議委員は、イランをめぐる地政学リスクの高まりで国際商品市況が上昇に転じているため、企業物価指数が先行き強含んでいく、との見方を示した。さらに、資産価格が上昇しバブルが発生すれば経済・物価の安定が大きく損なわれる、と指摘した上で、バブルのようなリスクを点検することを、強力な金融緩和を推進していく条件とする、と強調した。

<欧州緊張和らぐが、再び深刻化する可能性は皆無でない>

同審議委員は、日本経済について、全体として横ばい圏内にあり、2012年度前半に緩やかな回復経路に復すとの従来見解を繰り返した。個人消費は「震災等でいったん抑制された需要の復元や補助金効果による新車販売の押し上げ効果もあって、底堅さを増してきている」と指摘した。

欧州債務問題については「緊張は幾分和らいでいるが、この先、問題が再び深刻化し、国際金融市場の混乱や貿易取引の急減を招く可能性は皆無でない」と警戒感を示した。ギリシャ向け第2次支援が決定されたが、「ギリシャの国内情勢を踏まえると、国際社会に約束した財政緊縮策を確実に実行できるかは不透明」と指摘した。

米経済は、「緩和的な金融環境のもとで、株価がリーマン・ショック後の高値圏で推移している」が、「家計のバランスシート調整圧力が続く中、経済全体の回復は総じて緩やか」との見方を示した。

中国経済は、「安定成長に軸足を移すもとで伸び率が縮小するとはいえ、所得水準の上昇や都市化を背景とする構造的な内需拡大の余地は大きく、高めの成長は続けていく」との見解を示した。

<イラン情勢・国内原発全停止がリスク要因と指摘、平清盛はインフレで苦労

イラン情勢に関して、同審議委員は「一段と緊迫化して原油価格が大幅に上昇すれば、世界経済をさらに減速させる可能性があるほか、日本経済にとっても貿易収支や企業収益の悪化などを通じて景気の下振れ要因となる」と述べた。

一方、国内の原子力発電所が仮に全て停止する場合は、「夏場のピーク需要時の電力需給が厳しくなり、経済活動に影響を与える可能性がある」と指摘。火力発電の比重が高まることで燃料高が料金に転嫁される場合は「企業収益に与える影響にも注意を払う必要がある」と述べた。

なお森本委員は会場である神戸にゆかりのある人物として、現在放映されているNHK大河ドラマの主人公でもある平清盛について触れ、「幕末の神戸開港に先駆けること約700年前に、大輪田泊(神戸市兵庫区)を修築して、宋との貿易を活発化させた。物価安定には苦労したようだが、大量に輸入した宋銭を流通させ、現在へとつながるわが国の貨幣経済発展の道筋をつけるなど、中世の日本経済で大きな役割を果たした」と紹介した

(ロイターニュース 竹本能文:編集 宮崎大