郵便局会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の経営状況について学習しよう | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

郵便局会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の経営状況について学習しよう

秘書です。
引き続き、郵便局会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命について。



③郵便局会社

(経営状況の確認と見通し)

郵便局会社については、郵便窓口業務の手数料だけでなく、営業収益の大半
を占める、金融2 社からの手数料収入も減少傾向にあることから(図表13)、経
費削減に加え、一部の郵便局のみで取り扱っている保険商品の取扱局を増やす
等手数料収入確保に向けた取組みが必要である。そのためには、利用者のニー
ズを踏まえた提案力の向上やコンプライアンスの徹底を含めた販売教育態勢の
強化も併せて必要である。一方、経費面をみると、営業収益の減少にもかかわ
らず、販売費及び一般管理費は増加傾向を続けており、高コスト体質からの脱
却に向け、これまで以上の取組みが求められるのは言うまでもない。

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(社員の不祥事とコンプライアンス態勢)

郵便局会社は、複数の横領事件があったことから総務省と関東財務局から業
務改善命令を発出された直後にかかわらず、32 億円の費用をかけ、内部犯罪防
止用の監視カメラを部外犯罪対策に切り替えた。「労働の過剰監視につながり職
員の士気を失わせるなどの弊害があった」というのがその理由である。内部不
正防止用カメラの設置は、長年、職員による不祥事が続いていたため、民営化
前の19 年4 月から防犯体制の強化を目的に進められていたものであり、民間の
金融機関では職員自身を守るという意味で一般的な対策であることを考慮する
と、今回の対応は民間と同等の態勢整備という点で疑問が残り、コンプライア
ンス態勢が後退したと見られても仕方のない事例であった


(旧特定郵便局のコスト構造及び収支改善状況)

旧特定郵便局長所有の局舎賃貸借に関する契約数は減少傾向にあるが、郵便
局会社は今後とも一層の減少に向けた努力が必要である。

④ゆうちょ銀行・かんぽ生命

ゆうちょ銀行、かんぽ生命ともに、経常収益はやや減少傾向を示すものの、
経常利益、当期純利益ともに毎期拡大を続けている
(図表14)。ゆうちょ残高や
かんぽ生命保有残高の逓減傾向が続く中、その限度額引上げを求める声もある
が、完全民営化に至るまでの移行期間における限度額引上げは、新商品・新サ
ービスの開発や既存商品の見直しと同じく、民間秩序への整合的一体化という
もうひとつの課題との関連で考察されるべきものであり、安易な限度額引上げ
に頼らない経営体質が期待される
。今後、株式を上場して投資家の信認を得る
ためにも、これまで維持してきた健全性を基礎とし、培ってきた技術やノウハ
ウ、顧客基盤等を活かした新商品の開発や既存商品の見直し、厳格な内部管理
体制の整備、業務改善を通じた費用の削減等を着実に実施し、収益性と成長性
を高める努力が必要である。
資産運用面では、例えば、ゆうちょ銀行では、22 年度は総資産に占める日本
国債への依存度を75.7 パーセントに減らし(図表16)、社債や外国債券などを
増やしつつあるものの、国債の比重は依然として高い水準であり、今後も一層
の運用ポートフォリオの多様化を図ることが重要な課題である。完全民営化を
前提とした貸出業務への本格進出に備え、今後も貸出ノウハウを蓄積していく
ことが求められる。
ゆうちょ銀行及びかんぽ生命の代理店である郵便局で横領事件が続発し、金
融庁から業務改善命令を受けた。このような不祥事を根絶するためにも、ゆう
ちょ銀行及びかんぽ生命は、郵便局会社への強い指導力を発揮することが求め
られる。ゆうちょ銀行またかんぽ生命が新商品・新サービスを今後展開する上
で、郵便局のコンプライアンス態勢の更なる整備・強化は不可欠である。

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