国会原発事故調査委員会による検証が急務（中川秀直）

民間事故調査委員会が２８日、都内で記者会見し、菅直人首相（当時）が原子力委員会の近藤駿介委員長に作成を依頼した「最悪シナリオ」の全容を公表した。

問題は、この「最悪シナリオ」が官邸中枢でも回収され、秘密に伏された」と報告者が指摘しているように「なかったこと」として封印され、昨年末まで公文書扱いされなかったことである。

政府による意図的な情報操作の明白な証左ではないか。政府の事故調査検証委員会は、この「最悪シナリオ」に今後どのように切り込むのか。

当時の責任者が現職閣僚にいる中で、政府の委員会の調査には自ずと限界があるのではないか。

まだ存在する可能性が否定できない政府の情報操作の事実を暴くには、国政調査権を持った国会原発事故調査委員会による検証が急務となる。

（２月２９日記）