直近の世論調査の結果について(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

直近の世論調査の結果について(中川秀直)

下記の世論調査結果から次のことが読み解ける。

新報道2001の「あなたは、今後どんな政権の形に期待しますか」で注視すべき変化が起きている。

2月2日の同調査の設問の回答と比較してみる。

民主党政権または民主を中心にした連立政権8・6→8・8

自民党政権または自民を中心にした連立政権15・0→20・2

民主・自民の大連立政権11・8→15・2

既成政党が分裂・政界再編した新たな枠組みの政権22・8→27・8

第3極と言われる新党を中心にした政権33・6→21・6

分からない8・2→6・4

第3極と言われる新党を中心にした政権が12・0ポイントも急落し、その12ポイントが、既成政党が分裂・政界再編した新たな枠組みの政権を5ポイント押し上げ27.8%トップに、また自民党政権または自民を中心にした連立政権を同じく5・2ポイント押し上げ20・2%にしたのである。

問題はこの民意の変化をどう読み解くかである。同調査で「橋下市長率いる「大阪維新の会」が今後国政に参加することをどう思いますか」で、期待するが66・0%もあるが、第3極と言われる新党を中心にした政権は21・6%と3分の1以下となっているのである。

理由は、橋下市長は国政に出馬しないのだから橋下政権はないとの民意の現実的判断なのではないか。

そこで民意が出した政権の形は「自民党政権または自民党を中心にした連立政権」20・2%+「既成政党が分裂・政界再編した新たな枠組みの政権」27・8%=48・0%である。

自民党が、「小さな政府路線」に原点回帰することである。「小さな政府路線」とは、05年の民意と自民党との約束である。

2009年の民意は、自民党が2005年の約束を反故にして「大きな政府路線」に変節したとの不信感を持ち、民主党に政権を託した。それは無駄削減という名の「小さな政府路線」の推進への期待だった。しかし、民主党政権は2年半で、その期待を裏切り、消費増税という大きな政府路線に変節したのである。

民意は本物の小さな政府路線を求めているのであり、自民党に05年の民意との約束に原点回帰せよと望んでいる。

(2月20日記)



(参考)共同(18,19日)、日経(17~19日)、新報道2001(16日)の世論調査の結果が発表された。



<共同>(数字は%、カッコ内は前回1月13,14日調査)



問1 あなたは、野田内閣を支持しますか、支持しませんか。



支持する 29・0(35・8)

支持しない 55・2(47・8)

分からない・無回答 15・8(16・4)



問2 (問1で「支持する」と答えた人に聞く)支持する最も大きな理由を一つだけお答えください。



首相を信頼する 13・6(22・4)

民主党、国民新党の連立内閣だから 1・4(8・4)

首相に指導力がある 3・6(2・2)

経済政策に期待できる 5・9(3・2)

外交に期待できる 0・9(-)

政治改革に期待できる 7・4(6・2)

税制改革に期待できる 10・3(8・3)

行政改革に期待できる 2・5(5・5)

ほかに適当な人がいない 51・9(41・8)

その他 2・4(1・6)

分からない・無回答 0・1(0・4)



問3 (問1で「支持しない」と答えた人に聞く)支持しない最も大きない理由人一つだけお答えください。



首相が信頼できない 9・4(7・2)

民主党、国民新党の連立内閣だから 8・7(11・9)

首相に指導力がない 17・9(15・1)

経済政策に期待が持てない 18・8(20・6)

外交に期待が持てない 4・3(5・5)

政治改革に期待が持てない 17・8(11・6)

税制改革に期待が持てない 8・7(10・5)

行政改革に期待が持てない 6・5(6・0)

首相の人柄が好きになれない 1・7(2・0)

その他 6・1(8・2)

分からない・無回答 0・1(1・4)



問4 あなたは、どの政党を支持しますか。



民主党 16・8(19・3)

自民党 18・2(19・6)

公明党 3・9(2・7)

共産党 3・0(3・0)

新党きづな -(0・1)

社民党 0・8(0・7)

みんなの党 6・2(6・3)

国民新党 0・5(0・2)

新党大地・真民主 0・4(0・2)

たちあがれ日本 0・8(0・8)

新党日本 -(-)

新党改革 0・1(0・1)

その他の政党・政治団体 0・8(0・4)

支持政党なし 46・7(43・6)

分からない・無回答 1・8(3・0)



問5 政府は消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%と2段階で引き上げる社会保障と税の一体改革大綱を閣議決定しました。あなたは、この大綱に基づき消費税率を引き上げることについて賛成ですか、反対ですか。



賛成 12・2

どちらかといえば賛成 36・1

反対 26・1

どちらかといえば反対 24・5

分からない・無回答 1・1



問6 野田政権は社会保障と税の一体改革大綱について野党に協議を呼び掛けていますが自民党などは関連法案の国会提出前の協議に応じない構えです。あなたはどう思いますか。



協議に応じた方がよい 73・6

協議に応じなくともよい 18・0

分からない・無回答 8・4



問7 あなたは橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会が衆院など国政に進出することに期待しますか、期待しませんか。



期待する 61・2

期待しない 32・8

分からない・無回答 6・0



問8 国民新党の亀井静香代表、たちあがれ日本の平沼赳夫代表が石原慎太郎東京都知事を党首とする新党結成を目指しています。あなたは、この新党に期待しますか、期待しませんか。



期待する 25・6

期待しない 68・5

分からない・無回答 5・9



問9 あなたは衆院の選挙制度について、どれがよいと思いますか。



現在の小選挙区比例代表選並立制 9・2

比例代表の定数を削減し今よりも小選挙区制に重点を置いた制度 46・3

小選挙区よりも比例代表に重点を置いた制度 10・4

以前のような1選挙区3~6人が当選する中選挙区制度 22・7

その他 0・4

分からない・無回答 11・0



問10 あなたは、次の衆院選の比例代表でどの政党に投票するつもりですか。



民主党 19・3(20・3)

自民党 24・4(24・8)

公明党 4・1(3・5)

共産党 4・2(3・6)

新党きづな -(0・1)

社民党 1・4(1・1)

みんなの党 7・7(8・9)

国民新党 0・5(0・2)

新党大地・真民主 0・6(0・2)

たちあがれ日本 1・2(0・9)

新党日本 -(-)

新党改革 0・1(-)

その他の政党・政治団体 1・1(0・7)

分からない・無回答 35・4(35・7)



問11 あなたは衆院解散・総選挙はいつがよいと思いますか。



今年前半までのできるだけ早い時期 29・6

今年後半以降 19・2

任期満了に近い来年夏の衆参ダブル選挙 43・7

分からない・無回答 7・5



問12 東大が学部の春入学を廃止し秋入学に全面移行することを検討しています。あなたは大学の入学が秋になることについてどう思いますか。



全大学が秋入学に移行すればよい 21・8

春入学と秋入学がそれぞれあってよい 41・4

春入学のままでよい 28・5

その他 0・9

分からない・無回答 7・4





<日経>(数字は%、カッコ内は前回1月13,14日調査)



1、あなたは野田内閣を支持しますか、しませんか。



支持する32(37)、支持しない56(53)、分からない13(11)



2、あなたは今どの政党を支持していますか。



民主党23(26)、自民党27(29)、公明党3(4)、みんなの党8(7)、共産党1(3)、社民党0(1)、新党きずな0(0)、国民新党0(0)、新党大地・真民主0(0)、たちあがれ日本1(1)、新党改革0(0)、新党日本0(0)、その他の政党2(1)、支持政党なし27(20)、分からない8(5)



3、あなたは野田内閣や民主党執行部の仕事ぶりを評価しますか、しませんか。



評価する23、評価しない60、どちらともいえない10、わからない7



4、あなたは社会保障制度を維持するために、消費税率の引き上げが必要だと思いますか、思いませんか。



必要だ59、必要だと思わない29、どちらともいえない7.わからない5



5、政府・与党は社会保障の財源を確保するために、消費税率を2014年4月に8%、2015年10月に10%引き上げる案を正式に決定しました。あなたはこの案に賛成ですか、反対ですか。



賛成だ40(36)、反対だ49(56)、どちらともいえない8(4)、わからない3(4)



6、自民党は政府の消費税率引き上げの方針について、民主党の公約違反だとして与野党協議を拒否しています。あなたは自民党の対応についてどう思いますか。



納得できる24(30)、納得できない61(58)、どちらとも言えない6(4)、分からない8(8)



7、野田首相は社会保障と税の一体改革の前提として、行政改革に取り組む方針で、岡田副総理を担当相に任命しました。政府・民主党が率先して取り組むべきだと思う行政改革の課題は何ですか。次の中から1つだけお答え下さい。



国会議員の人数や給料を減らす48、公務員の人数や給料を減らす13、政党交付金を減らす8、国と地方の行政組織の無駄の削減21、その他3、わからない6



8、今停止中の原発の再稼働が実現しなければ4月下旬に全原発が停止します。あなたは国による安全確認の手続きが完了した原発を再稼働することについてどう思いますか。

賛成だ41、反対だ43、どちらともいえない8、わからない



9、次の衆院解散・総選挙はいつ行うべきだと思いますか。



通常国会の会期末である6月までに解散すべきだ28(30)、民主党代表選がある秋から年末までに解散すべきだ17(14)、解散を急ぐ必要はない40(43)その他2(1)、わからない13(11)



10、橋下大阪市長が代表を務める大阪維新の会が、次期衆院選で国政に進出する動きがあります。あなたはこの動きに期待しますか、期待しませんか。



期待する58、期待しない32、どちらともいえない4、わからない6



11、今後、望ましい政権の枠組みはどのようなものだと思いますか。



民主党中心の政権9、自民党中心の政権14、民主党と自民党が参加する大連立政権40、民主・自民以外の政党中心の政権17、その他3、わからない16





<新報道2001>(数字は%、カッコ内は前回2月9日調査)



【問1】あなたは次の衆院選でどの党の候補に投票したいですか。



民主党13・2(13・2)、自民党21・6(21・8)、公明党3・8(3・0)、共産党2・4(2・4)、社民党0・6(0・4)、国民新党0・0(0・6)、新党日本0・0(0・4)、みんなの党5・4(6・4)、たちあがれ日本0・2(0・2)、新党改革0・2(0・0)、新党きずな0・0(0・0)、新党大地・真民主0・0(0・2)、無所属・その他7・6(6・0)、棄権する3・6(4・2)、まだ決めていない41・4(41・2)



【問2】あなたは野田内閣を支持しますか。



支持する29・4(30・0)、支持しない67・2(65・8)、わからない3・4(4・2)

【問3】政府は、消費税率を2014年に8%、2015年に10%とする増税を柱とした社会保障と税の一体改革の大綱を金曜日に閣議決定する方針です。今回の増税方針についてどう考えますか。



賛成9・8、どちらかといえば賛成32・8、どちらかといえば反対31・8、反対24・0、わからない1・8



【問4】橋下大阪市長が率いる「大阪維新の会」が今後国政に参加することをどう思いますか。



期待する66・0、期待しない30・8、わからない3・2



【問5】あなたは、今後どんな政権の形に期待しますか。



民主党政権または民主を中心にした連立政権8・8

自民党政権または自民を中心にした連立政権20・2

民主・自民の大連立政権15・2

既成政党が分裂・政界再編した新たな枠組みの政権27・8

第3極と言われる新党を中心にした政権21・6

わからない6・4