物価目標=日銀の伝え方の問題ではなく、責任の問題です。 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

物価目標=日銀の伝え方の問題ではなく、責任の問題です。

秘書です。
伝え方の問題でしょうか?
それは、僕たちは正しいことをしているんだけど、分かってもらえないんだよね、僕たちの責任じゃないよね、分かってくれない方が悪いんだよね、ということですね。
本当にそうでしょうか。問題の核心は、

「長期的なインフレ率は主に金融政策によって決定される」
「FOMCはインフレの長期的な目標を具体的に定める能力がある」


というFRBの考え方を共有しているか否かです。FRBのような毅然とした責任感は日銀には全くないと思っていますが、どうでしょうか?このFRBの考え方を共有しないで、なんで、「物価安定の下での持続的な成長を目指すという意味で、思うところは一緒だ」などと言えるのでしょうか。

さらにいえば、物価安定の水準も違いますし。0%が物価安定なんて!その理由が国民の物価観ですから。国民がデフレになれちゃってるから、仕方ないよねということですね。これも上記の中央銀行としての責任感と意思にかかわる問題でしょう。

問題は伝え方ではありません。国際標準の物価安定実現に向けた意思と責任感です。

そして、下記の記事ですが、日銀には物価目標はありません。



古川経財相:日銀は物価目標の「わかりやすい伝え方の検討を」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LZ9XFD07SXKX01.html

  2月12日(ブルームバーグ):古川元久経済財政兼国家戦略担当相は12日午前、NHK番組「日曜討論」に出演し、物価目標について日本銀行は国民に対し「分かりやすい伝え方はないか検討してほしい」と述べた。日銀は「中長期的な物価安定の理解」として、CPIの前年比で「2%以下のプラスの領域にあり、中心は1%程度」という数値を示している。

  デフレ脱却への道筋が見通せない中、先に米連邦準備制度理事会(FRB)が長期的な物価目標を表明したことも相まって、日銀に物価目標の明示を求める政治的風圧が強まっている。先週の参院予算委員会では公明党の魚住裕一郎氏が日銀は2%程度の物価安定目標を導入するとともに、さらなる緩和を実施すべきだと主張した。

  JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは12日、経財相のコメントは政府のフラストレーションを示していると述べた。

  FRBは1月25日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明文で、長期的な物価目標(longer-run goal)としてPCE(個人消費支出)価格指数の前年比2%を明示するとともに、これまで「2013年半ばまで」としていた、異例の低金利を続ける期間を「14年終盤まで」に延長した。

  昨年12月の全国の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は、前年比で3カ月連続のマイナスとなった。海外経済の減速や円高の影響などから、景気は持ち直しの動きが一服しており、コアCPIの前年比は当面ゼロ近傍で推移するとみられている。

  日銀の白川方明総裁は10日午前、衆院予算委員会でFRBが長期的な物価目標を示したことについて、「物価安定の下での持続的な成長を目指すという意味で、思うところは一緒だ」との認識を示した。日銀は13日から2日間の日程で金融政策決定会合を開く。