民主党マニフェスト2009の6ページ目だけをみると政権期間内に7万円の年金がもらえると解釈が自然 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

民主党マニフェスト2009の6ページ目だけをみると政権期間内に7万円の年金がもらえると解釈が自然

秘書です。

衆議院予算委員会で、稲田朋美議員が、国民は最低保障年金7万円をもらえると思って投票した、と指摘。

岡田副総理は政権交代したらすぐにもらえるなんてマニフェストに書いていない、と反論。

さて、マニフェストにはどう書いてあるのか?民主党マニフェスト2009の6ページ目。

http://www.dpj.or.jp/policies/manifesto2009

年金・医療
年金、医療、介護の不安をなくし、誰もが安心して暮らせるようにします。

「年金通帳」で消えない年金。
年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します。
後期高齢者医療制度は廃止し、医療の数を1.5倍にします。

安定した生活を実現する政策

・・・
●年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します。
・・・


マニフェストは政権の期限内に実現することを書くものです。このページには、そういう法案を提出しますとは書いていません。国民は、民主党政権ができれば7万円の最低保障年金を政権担当期間内に実現すると解釈したことでしょう。

他のページをみてください。同等の公約に、


中学卒業まで、1人当たり年31万2000円の「子ども手当」を支給します。
農業の戸別所得補償制度を創設。
高速道路の無料化、郵政事業の抜本見直しで地域を元気にします。


などとあります。みんな政権内にやることではないですか。7万円の最低保障年金だけ遠い将来の公約ですは通りません。

これに対して、民主党は、マニフェスト後半10ページ目の小さい字のマニフェスト政策各論で、「月額7万円以上の年金を受給できる年金制度をつくり、高齢期の生活の安定、現役時代の安心感を高める」等を政策目的とし、具体策として、「以上を骨格とする年金制度創設のための法律を平成25年までに成立させる」としていることをもって、政権内に7万円もらえるなどとは言っていない、というのでしょう。

もしも、マニフェストのフラッシュ版だけをみた人がいたとすると、ここには政策各論はありませんから、法案提出のことは分からず、民主党政権ができたら7万円がもらえると思ったことでしょう。
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/swf/index.html

6ページで「以上を骨格とする年金制度創設のための法律を平成25年までに成立させる」と書いていないのは、マニフェストの在り方としては問題でしたね。誤解する人は是非誤解してくださいというやり方だったのでは?

→さて、民主党は野党時代に何といっていたのか。


参 - 本会議 - 平成21年06月19日

○梅村聡君 民主党・新緑風会・国民新・日本の梅村聡です。
・・・
私たち民主党は、国民の皆様が安心して老後を暮らせる年金制度として、全額を税で賄う月額七万円の最低保障年金を創設することを軸に据えた抜本改革案を既に提案しています。
 すなわち、国民年金、厚生年金、共済年金の公的年金を一元化し、すべての国民が個人単位で一つの年金に加入します。基本になるのは報酬比例部分であり、所得に比例した年金保険料を支払う仕組みであります。この結果、生涯を通じて支払われた保険料の総額に応じて年金給付額が決まります。この給付額で最低限の生活が賄えない人については、税を財源とする最低保障年金で賄うわけです。
 政府・自民党がこれまで繰り返してきた年金改革は実は名ばかりの改革であり、その本質は継ぎはぎだらけで無理やりに制度をつなぎ合わせてきたものであります。国民をだましてきたこのようなやり方にはもはや終止符を打つべきです民主党の抜本改革案に同調するか、民主党案を基軸にして直ちに抜本改革に取り組むべきであります

→すでに提案しているなら、すぐに出せばいい。国民は素朴にそう思います。

「政府・自民党がこれまで繰り返してきた年金改革は実は名ばかりの改革であり、その本質は継ぎはぎだらけで無理やりに制度をつなぎ合わせてきたものであります。国民をだましてきたこのようなやり方にはもはや終止符を打つべきです」←この発言は撤回するか、すぐに抜本改革に着手するか。

「民主党の抜本改革案に同調するか、民主党案を基軸にして直ちに抜本改革に取り組むべきであります」←ならば年金試算を出さなければ。

2008/10/31
追加経済対策、衆参の予算委で集中審議を 鳩山幹事長が要求

 鳩山由紀夫幹事長は31日の定例会見で、前日に麻生首相が発表した追加経済対策について「こんな場当たり的なバラマキで、本当に国民の生活が豊かになるとはとても信じられない」と改めて所感を述べ、早急に衆参両院で予算委員会を開いて集中審議を行うべきだとした。
・・・
 民主党の年金制度改革では、最低保障年金についても消費税を増税しないように制度設計しているとして、消費税増税と将来の社会保障制度の改革に関し、首相は来年の通常国会に青写真を示し、国民の皆さんが納得できる説明を行うべきであると指摘。その将来の姿について解散総選挙で国民の審判を仰ぐことが必要であるとした。
・・・

→そして、民主党与党時代のやりとりです

衆 - 予算委員会 - 平成22年10月13日

○鴨下委員 結構です。
 もし全額給付すれば、五兆円を超えるお金であります。こういうようなお金を費やして、最も効果のある、いわば日本の少子化対策に資するような政策、ぜひこういうようなものにもっともっと知恵を絞って制度設計をしていただきたい、このことを申し上げておきます。
 もう一つ、先ほど菅総理にも伺ったんですけれども、なぜ民主党は現行の年金制度を根っこから変えて、税方式あるいは最低保障年金、こういうようなことにしようとしたのか。それから、七万円の最低保障年金をマニフェストではうたっているわけでありますけれども、私も多くの有権者の皆さんと話をしていたら、ことしの四月から七万円もらえるというふうに誤解していた人たちもいました。そういうような意味で、年金制度については、私たちは多分民主党の政策に国民は多くのいわば期待をしたんだろうというふうに思っておりますが、なぜ税方式、そして七万円の最低保障年金、こういうような制度にする方がいいと思ったんですか。

○古川内閣官房副長官 お答えいたします。
 年金問題については鴨下議員とずっと前から議論させていただいておりますが、御承知のように、現行の年金制度ができたのは一九六〇年代から七〇年代。この時代の社会経済の状況と今状況が全く異なっております。
 現行の制度で従来政府がよく言ってきたのは、モデル世帯、夫婦子二人。それが、もう今やひとり暮らしの世帯がふえているとか、そういうモデル世帯自体が存在しない状況になっております。また、当時は、厚生年金、共済年金、そして自営業者中心の国民年金とありましたが、今や国民年金に加入しているのは、自営業者が中心ではなくて、むしろ非正規の労働者、厚生年金に加入できない人たちが四割を占めている。
 そういう意味では、現行制度の前提としている社会状況が全く変わっている。しかも、今、一回就職したらずっと一生その仕事につくんじゃなくて、やはり転職、私も転職しておりますし、鴨下議員も転職していると思いますが、それが当たり前になっている。
 そういう時代の中では、やはり、今の現行制度にかわる新しい制度をつくる必要がある。とりわけ、将来の、老後に対して、今のようなライフ設計が非常に難しい時代になってまいりますと、高齢期の最低限の所得保障というものをできなければいけない。しかし、今の年金制度ですと、低所得の人に対しては確かに免除制度などもあります。しかし、免除された分は当然将来の年金額も少なくなるということで、今のままいくと、非常に多くの低年金の者が将来出てきてしまう。
 そういうことを考えますと、高齢期の最低限の所得をきちんと保障できる、そういうことを国が約束することによって、私たちが将来に対する人生設計ができるような、やはりそういう仕組みをつくることが必要だ。そうした視点から、私どもは、税によって賄われる最低保障年金と、そして保険料で賄われる所得比例年金、この二本立ての新しい年金制度をつくろうということで従来から一貫して主張させていただいてきたわけでございます。

○鴨下委員 それは古川さん、野党のときの主張であって、今実際に政権を担って制度設計をなさる人のお答えではないというふうに思いますよ。
 それはなぜかというと、では、最低保障年金七万円、いつからもらえるんですか。きちんと期日について、あなたの考えでも結構ですから、国民に言ってくださいよ。

○古川内閣官房副長官 これにつきましては、私ども、そもそも新しい年金制度について、平成二十五年に法律案を成立させる、そこに向けて努力をしていくということはマニフェストでもお示しをさせていただいているところであります。
 そのもとで、私どもは、最低保障年金というのは、新しい制度の中で、これは新しい制度が成熟していく中で満額もらえる形になるというふうに申し上げているわけでございまして、すぐに、来年四月からもらえるとか、そのようなことは今まで一切言ったことはございません。

○鴨下委員 制度設計が二十五年までに終わるという話で、実際にそれが動き始めて、最低保障年金、特にお年寄りで本当に低年金で御苦労なさっている人たちがたくさんいる、そういう人たちが生きている間に本当に給付が受けられるんですか。
 ですから、明確に、いつになれば最低保障年金は給付ができるんです、あなたたちのプランではいつなんだ、こういうようなことを明確に言ってください。

○古川内閣官房副長官 多分、鴨下議員もおわかりになっていてあえて言っておられるんだと思いますが、今問題なのは、低所得の高齢者の方々が相当ふえてきているという問題なんですね。これを、実は私は、年金制度の世界だけで救おうとすることができるかといいますと、それは多分鴨下議員も無理だというふうに考えていらっしゃると思います。
 私どもは、ここは、だからこそ今問題なのは、低年金、無年金の方でも、中には、これはわずかだと思いますけれども、実はもともと資産等もあって、それこそ今の制度に入るのは嫌だというので入らなかった方もいるかもしれないわけです。そういう人を救わなければいけないというわけではなくて、年金以外に所得もなくて、しかも年金も低年金だ、あるいは、忘れていて入っていなくて、未納であってもらえない、そういう方々、高齢期の低所得の人たちをどう救うか、そのことを今考えていかなければいけないんだと思います。
 ですから、私どもは従来から、これは年金制度の中だけではなくて、例えば所得税の中で給付つき税額控除という制度を入れて、低所得の人たちに対してはきちんと手当てをしていこう、そういう、年金だけでなくて、社会保障全体の、トータルの中で低所得の高齢者の人たちの生活を支えていく、そうした仕組みを考えていきたいというふうに思っております。

○鴨下委員 それは、最低保障年金を心待ちにしている人たちをごまかしたりだましたりしているということになっちゃうんですよ、今の答弁では。
 私は、年金だけで生活が十分にサポートできるかどうかというのは、古川さんの今のおっしゃる話というのは、ある部分共感はしますよ。でも、この最低保障年金七万円、特に、今まで年金保険料を納めていらっしゃらなかった人たちにも最低保障年金を給付する、こういうような幻想を振りまいたんじゃないか、こういうふうに思っているんですよ。
 だから、そういう意味で、本当に国民にクールに選択をしていただくために、いつ七万円が来るのか、このことについて、心づもりでも結構ですよ、十年後なのか二十年後なのか、それとも三年後なのか、せめてそのぐらいの感覚でおっしゃっていただければ、おれは関係ないんだな、私は給付の対象にはならないんだな、こういうふうに思って、多分皆さん自助努力するでしょう。
 でも、ことしの四月からは給付が受けられる、そういうふうに思ってがっかりした人たちもたくさんいる。こういうようなことについては皆さんの責任があるわけだから、きちんとそのことについて答えてください。

○古川内閣官房副長官 従来から、私どもは、一切そのような、来年四月からもらえるなどということは申しておりません。私どもはきちんと、新しい年金制度をつくっていく、その新しい年金制度としては、税による最低保障年金と所得比例年金。税による最低保障年金を、では何年加入したら満額給付することにするか、まさにこれは具体的な制度設計の中で決めていく問題でありまして、ぜひ、この点につきましては、与野党を超えて議論をさせていただきたいと思っておりますので、鴨下議員にも御協力いただければ幸いでございます。

○鴨下委員 結局は、制度設計についての当てもない、そして、いつ給付するか、全然先のことはわからない、こういうようなことですけれども、私たちは、多少建設的な意見を申し上げると、今の現行の賦課方式、そして保険方式、これは、足らないところは確かにありました。未納、未加入の問題、それから無年金、低年金の問題、こういうような問題について補っていけば、現行制度を十全のものにすれば、今おっしゃっていることは大体できる。
 例えば、最低保障機能をもう少しつくる、それから、無年金の人に、場合によると、今はキャッチアップしたいというふうに思っている人には、例えば年金受給期間を二十五年から十年に引き下げる、あるいは、ある年次を決めて特例納付をする、こういうようなことで無年金、低年金の人を少しでも少なくする、そういうようなことで現行制度を十全なものにするという方が現実的なんですよ。
 だから、そのことについて、古川さんは、いろいろな働き方が変わってきたからと言うけれども、全体的に言えば、八千万人ぐらいの人が保険料を納めて、そして、なおかつ四千万ぐらいの人たちが給付を受けているという、一億人がかかわっている制度を、納められない方々だとかそういう人たちのために全部ひっくり返すというのは、これは制度としては決してよくない、こういうふうに言っているんですよ。

○古川内閣官房副長官 もちろん、私ども、鴨下議員がおっしゃるように、現行制度を手直ししていく、そして運用の改善とか制度の改正をしていくところもやっていかなければいけないと思っています。ですから、例えば、今この国会に、国民年金保険料の納付可能期間を二年から十年に延長する、そうした年金確保支援法案も提出をいたしております。
 鴨下議員がおっしゃるように、現行制度の直すべきところは直していく。しかし同時に、この今の日本の社会の状況、そして、これから三十年、四十年後の社会経済の状況を考えれば、今から年金を払う人たち、若い人たちにとって安心できる年金制度をつくるということは、これは党派を超えてやはり今やらなければいけないことだと思うんですね。これは鴨下議員が一番おわかりになると思います。
 スウェーデンにおいては、九〇年代に、与野党が党派を超えて新しい年金制度をつくろうという、まさに大きな一歩を踏み出しました。菅総理がおっしゃっている有言実行というのは、まさにこの年金でいえば、二十年以上にわたって、新しい制度をつくるというその努力を、一歩を踏み出さなかった。今こそ、私たちは、新しい制度を生み出すために一歩を踏み出したいと思っておりますので、御協力をお願いいたします。

○鴨下委員 年金制度というのは、大体四十年保険料を納めて、それから自分の寿命が終わるまで三十年間ぐらい。だから、七十年間ぐらいでワンクールなんですよ。そういう制度を今変えて、私たち団塊の世代がいわば年金世代のピークになる、こういうようなとき、私はこれは社会保障にとってあらしの中だと思っているんだけれども、そのあらしの中で新制度と現行制度の船を乗りかえるというのは大変危険だ、こういうふうに思っているので、そのことについては古川さんもそれから総理ももう一度十分に現実的に考えていただいて、国民の人たちが安心して、なおかつ、これからも年金をもらい続けられる、こういうようなことについて、四十年先のことを語ったって意味ないんですよ、今のことをきちんとする。こういうようなことで、ぜひこの税方式についてはもう一度お考え直していただきたい、このことを総理に聞いて、終わります。

○菅内閣総理大臣 私は、大変いい議論をいただいていると思います。
 今、私自身、団塊の世代でありますし、少子化は決してとまってはおりません。これまでのいろいろな議論が、多分、新たな計算をすればもっと厳しい状況になっていると思います。そういう中で、今、鴨下議員の方から、抜本的なことをもう一度考え直せと。直す直さないを含めて、私はこれはまさに与野党一緒に考えるべきことだと。
 もっと、一言だけ申し上げますと、介護と医療の関係も、果たして別々の仕組みの中だけで考えていいのか。もっと言えば年金まで含めて、年金と介護と医療の保険制度も、ある人は介護のサービスを受けていれば結果としては住居も確保されるということもありますので、そういう意味では、年金制度そのものを根本から考えていこうという提案を含めて、介護、医療の制度も含めたそういう議論をぜひ、私たちもまだ不十分なところがあることはありますので、しっかり案を出せるようにしていきたいと思いますが、ぜひとも野党の皆さんにも一緒になってお考えをいただくことをお願いしておきたいと思います。