議事録問題=メモとボイスレコーディングは残っているはず | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

議事録問題=メモとボイスレコーディングは残っているはず

秘書です。

議事録問題について、行政マン経験者の高橋洋一さんの話。
メモとボイスレコーディングは残っているはず。もしも「それは私的メモだ、出すな、処分しろ」という指示がでてなければ。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31737

政府の東日本大震災関連15会議のうち原子力災害対策本部(本部長・首相)など10の会議で議事録を作成していなかったことが、1月、明らかになった。

私は、この議事録問題の不始末に驚きあきれたので、国会の事故調査委員会に通報、情報提供した。政府でも調査員会があるが、会議は非公開で、事務局は役人ばかりだ。その点、国会の事故調は、会議は公開、事務局は民間の人ばかりなので、信頼できる。ここまで役人が地に落ちたのだ。私の知っている限りの官邸内の会議室などの状況を説明した。

 その際、重要なのは、一次資料のメモとボイスレコーディングだ。私も大臣補佐官の経験があるが、いつもポケットにはメモ帳を持っていた。役人がメモをとるのはイロハのイだ。重要な会議に出席できるのは限られた人だから、役所に帰れば必ず会議内容のメモを求められる。各省大臣が出席する会議には秘書官は必ず同行しているので、彼らのメモは必ずチェックすべきだ。

 長谷川幸洋さんが『現代ビジネス』に2月3日の記事で書いていた、官邸での経済財政諮問会議の話をしよう。私自身の経験をいえば、正式に経済財政諮問会議特命室メンバー(これは竹中平蔵経済相が作った組織で、諮問会議ペーパーのドラフトを書き、民間議員に説明する部署で、私の他、内閣府の数名がスタッフになっていた)になったのは2003年7月からだ。その後、2005年12月に竹中総務相補佐官、2006年9月から安倍総理補佐官補で、安倍総理退陣の2007年9月まで経済財政諮問会議の情報入手は容易だった。

もちろん会議に出席することもできたが、出るといろいろな人からメモを見せてくれと言われるのが面倒だったので出なかった。もちろん会議後に竹中さんらからすぐ連絡があり会議の中身はすぐわかったので執務の支障はなかった。ある省庁の幹部が、どうしても出席し省庁向けメモをとりたいと懇願するので無理矢理に座席を作ったこともある。

 実はメモだけでなく、会議関係者ならボイスレコーディングも聞くことができる。一般的に会議は音声記録する。あとで業者に依頼して議事録を作るためだ。会議室のカギを開けて設営をする人(幹部クラスでない人)が音声記録をセットする。

竹中さんがベスト諮問会議の一つといっていたのが、2005年10月27日の政策金融改革である。ドラフトは私が用意したが、その内容に谷垣財務相と中川昭一経産相が省益丸出しで怒ったために、内閣府幹部も会議中凍り付いた。それに会議の最後、小泉総理が爆発したのである。

議事録では「財務省と経産省の大臣も、余り役所に引きずられないようにお願いします。」となっている。しかし、音声記録を聞いた人は、小泉総理が机をバンバン叩いて怒ったのが手を取るようにわかる。これで小泉総理の本気が伝わったものだ。


→その議事録がこれです。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/minutes/2005/1027/minutes_s.pdf

(小泉議長) 今日の財務大臣、経産大臣の話を聞いても、財務省、経産省がいかに抵抗しているかというのがわかるでしょう。これはそもそも一指も触れさせないと言っていたのだから、政府系金融機関を改革するというときに、橋本元総理を始め、自民党の幹部がいる席に私が行ったら、とんでもない、一指も触れさせないと言ったのだから、いかに抵抗が強いのがわかるでしょう。唖然としたけれども。私が早く辞めるだろうという想定の下にそう言っていたんだけれども、郵政民営化もそうです。特殊法人もそうです。最初のヒアリングのときには、すべて必要だと言っていたのです。必要だから存在している。今もそうです。存在しているのが全部必要だと。だから、発想を変えて。官でなければできないことがあるというのだから、どうやったら民ができるかということを考えてやってください。民でやることは民にというのは賛成だと、しかし官しかできないことがあるのだったら、なぜ今まで民でできなかったのか、どうやったら民ができるか、そういう発想を出して、財務省も経産省も案を出してください。何で官しかできなかったのか、どうやったら民ができるかという案を出してください。それからまた始めてください。これ全部公開しているのですよ。わかるはずです。もともと一指も触れさせないと言っていたのをやろうとしているのだから、その覚悟でやっているのだから、財務省と経産省の大臣も、余り役所に引きずられないようにお願いします。