デフレ脱却や年金抜本改革などから逃げて増税することは、「大きな政治」「決断する政治」とはいえない | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

デフレ脱却や年金抜本改革などから逃げて増税することは、「大きな政治」「決断する政治」とはいえない

今朝の東京新聞の社説に「さらなる増税が必要なら、なぜ施政方針演説で堂々と訴えないのか」、「自らの行動に対する心からの反省がなく、政権に就いたら野党は協力するのが当然と言わんばかりの態度では、野党側の心を動かすこともできまい」は正論である。

更なる消費増税がなければ「一体改革」は成就しない。それこそが野田首相が施政方針演説で正直に国民に語るべきことだったのではないか。岡田副総理、輿石幹事長も「更なる増税の必要性」について言及していたからである。

肝心なことは、野田首相が「社会保障の全体像」を未だに国民の前に明らかにしていないことである。消費増税分は、全額、社会保障に充てると明言しているのに、である。

順序が逆なのである。「消費増税ありき」ではなく、先ず「社会保障の全体像ありき」である。民主党の提唱する年金制度の抜本改革としての「最低保障年金」創設には、最大で消費増税7%分が必要となるはずであり、「更なる増税」とは7%増となるのである。総計12%で現行5%から17%の増税となるのである。

野田首相は、初心の「正心誠意」に立ち返り、「社会保障と税の一体改革」を成就するためには、最終的に消費税率を17%まで引き上げざるを得ないことを説明すべきである。

そして、民主党が提示した年金改革案について与野党が国会の場で議論し、合意できるものかどうかを国民と共に熟議する。

同時に、デフレ脱却、政府資産売却、歳出削減、社会保障改革を行なう。そして、どうしてもたりないところについての増税についての信任を国民にお願いする。

増税を国民にお願いする段階で、衆議院を解散する。このプロセスを経なければ、増税は絶対に失敗するだろう。

デフレ脱却や年金抜本改革などから逃げて増税することは、「大きな政治」「決断する政治」とはいえない。

(1月25日記)