野田首相の施政方針演説での福田首相と麻生首相の演説引用 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

野田首相の施政方針演説での福田首相と麻生首相の演説引用

秘書です。

野田首相の施政方針演説で、福田首相と麻生首相の演説を引用しました。
自民党に与野党協議に参加してほしいからなのでしょうが、国会演説に引用するとなるとこれは権力の正統性の問題にもなってきますね。

麻生内閣不信任案に賛成討論したことを自己批判をし、また、2009年の政権交代の正統性が失われたことを認め、即時衆議院を解散すべきということになるのでは?


第百八十回国会における野田内閣総理大臣施政方針演説
平成24年1月24日
http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201201/24siseihousin.html

一 はじめに

 第百八十回国会の開会に当たり、この国が抱える諸課題と野田内閣の基本方針について、謹んで申し上げます。

昨年九月、野田内閣は、目の前にある課題を一つ一つ解決していくことを使命として誕生いたしました。「日本再生元年」となるべき本年、私は、何よりも、国政の重要課題を先送りしてきた「決められない政治」から脱却することを目指します。

 「与野党が信頼関係の上に立ってよく話し合い、結論を出し、国政を動かしていくことこそ、国民に対する政治の責任であると私は信じます。」

 これは、四年前、当時の福田総理がこの演壇から与野党に訴えかけられた施政方針演説の一節です。

・・・

(改革の具体化に向けた協議の要請)
 社会保障・税一体改革は、経済再生、政治・行政改革とも一体で、正に包括的に進めていかなければならない大きな改革です。今後、各党各会派との協議を進めた上で、大綱として取りまとめ、自公政権時代に成立した法律の定める本年度末の期限までに、関連法案を国会に提出します。

 二十一世紀に入ってから、内閣総理大臣としてこの演壇に立たれた歴代の先輩方は、年初の施政方針演説の中で、持続可能な社会保障を実現するための改革の必要性を一貫して訴えてこられました。

 「持続可能な社会保障制度を実現するには、給付に見合った負担が必要です。」

 「経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ段階的に消費税を含む税制抜本改革を行うため、二〇一一年度までに必要な法制上の措置を講じます。」

 「これは、社会保障を安心なものにするためです。子や孫に、負担を先送りしないためであります。」

 これらは、私の言葉ではありません。三年前、当時の麻生総理がこの議場でなされた施政方針演説の中の言葉です。私が目指すものも、同じです。今こそ立場を超えて、全ての国民のために、この国の未来のために、素案の協議に応じていただくことを願ってやみません。


衆 - 本会議 - 平成21年07月14日

○野田佳彦君 私は、ただいま議題となりました麻生内閣不信任決議案に対して、民主党・無所属クラブを代表して、賛成の立場で討論をいたします。(拍手)
 ただいまの自民党細田幹事長の討論を聞いていて、私は議題がわからなくなりました。鳩山民主党内閣不信任案に対する賛成討論じゃありませんか、今のは。いや、まさに、自民党の中で、麻生さんの足を引っ張るさもしい動きも問題だけれども、麻生さんを守るべき人たちの力のなさを今強く感じた次第であります。
 さて、まず初めに、一昨日、首都決戦東京都議会議員選挙におきまして、私ども民主党、おかげさまで第一党に躍進をさせていただき、そして、目標であった自公過半数割れを実現することができました。応援をいただいた都民の皆様、有権者の皆様に心から感謝を申し上げるとともに、これからが勝負であり、勝ってかぶとの緒を引き締めて、次なる戦いに挑んでいきたいと思います。
 さて、今回の都議会議員選挙は、もちろん都政の争点、新銀行東京の問題、あるいは築地市場の移転の問題、いろいろな争点はありました。しかし、総選挙直前の都議選であって、間違いなく有権者は麻生内閣不信任、自公政権不信任の意思表示を明確にあらわしたと確信をしています。
 すなわち、このたび示された民意は、早く民意を問え、信を問えということだと思います。(発言する者あり)だから解散を決めたというお話がありますが、七月二十一日の週に解散をして八月三十日投票日、我々の任期は九月の初めまでです。八月三十日投票は任期満了選挙と同じじゃありませんか。直ちに信を問うべきだというふうに思います。
 そして、この都議選だけではなくて、先ほど鳩山代表がお話をされたとおり、私ども民主党推薦候補に社民党、国民新党の御支援もいただき、さいたまが勝ちました、千葉が勝ちました、静岡県が勝ちました、東京都が大きく変わりました、奈良が変わりました。日本が今度は変わるときであります。そのためにも、改めて早期の解散・総選挙をお訴えしたいと思います。
 今回は、麻生内閣に対する御批判だけではなくて、思い返していただきたいんですが、昨年の秋の自民党総裁選挙では五名の方が立候補されました。麻生太郎氏の圧勝でした。その理由は、選挙目当て、選挙の顔は麻生さんしかいない、そういう声が圧倒的に多かったからであります。
 ところが、十カ月もたたないうちに、麻生さんでは勝てないからといって、麻生おろしが顕在化する、署名集めをする、あるいは総・総分離を行おうとする、あるいは外部の雑誌に論文を発表する。この矜持を失った浅ましい自民党の姿こそ、国民が見放しているんです。
 また、本議案は単なる麻生内閣不信任決議案にとどまらず、少なくとも、四年前の郵政選挙以来三分の二を占めるに至った与党のこれまでやってきた行状に対する私は不信任だと思っています。
 思い返していただきたいんです。四年前の争点は、郵政民営化、是か否かでした。ワンポイントイシューで決まりました。
 その郵政改革を訴えた当時の小泉元総理の発言を私は思い出しています。特定郵便局の局長は特別職の国家公務員、国家公務員が世襲をするのはおかしいと言っていました。
 ところが、今度は、御勇退をされるに当たって、御子息が世襲をされるということ。しかも、小泉家にとっては、たしか四世です。ルパンだって三世までですよ。やはりおかしい。郵政改革は一体何だったのかと思わざるを得ません。
 郵政民営化、マルかバツか。その用紙の下にはカーボンコピーが敷かれていて、そこには、後期高齢者医療制度、マルかバツか、そこにつける仕掛けがありました。その下には、障害者自立支援法、マルかバツかというカーボンが敷かれて、マルがつけられている、そういう仕掛けがつくられました。
 結局、何が起こったのか。三分の二を得た与党は、後期高齢者医療制度、障害者自立支援法、強行採決を連発いたしました。そして、骨太の二〇〇六によって社会保障費を削減し、医療崩壊と福祉の後退をもたらしました。(発言する者あり)内閣不信任と関係ないと言っていますが、これが麻生内閣に至るまでの不信任の淵源であるんです。
 小泉内閣の後に生まれた安倍内閣においては、参議院の選挙の直前に、消えた年金五千万件の問題が明らかになりました。最後の一円まで、そして最後の一人まで一年以内に解決をすると言いました。いまだに解決ができていない状況ではありませんか。
 九十歳を過ぎて、年金記録が明らかになって、二千万、三千万、本当は年金がもらえることがわかった。でも、今その方は病床に伏している。にもかかわらず、すぐにお金を支給するのではなくて、一年精査させろと言っている。こういう涙のない政治にこそ不信任が突きつけられるべきであります。
 結局、年金は、人生いろいろと言いましたが、ぼろぼろでした。百年安心の年金は、絵にかいたもちでありました。
 その後に生まれた福田内閣。私は、福田内閣の冒頭の、あの大田経済財政担当大臣の経済財政演説は、去年の演説で一番記憶に残っているんです。冒頭におっしゃいました、もはや日本経済は一流ではないと。時の経済閣僚が、長い間経済財政諮問会議にいた人が、経済は一流ではないと言った。それまでのお金の使い方を間違えてきたことをみずから認めるのと同じではありませんか
 この資源配分の誤りは、福田内閣のあの道路問題の対応で如実にあらわれました。道路特定財源の一般財源化は名ばかり、暫定税率は三十四年も増税が続く暫定、これは、国民は納得できません。我々が闘ってその撤廃に努めましたが、数の力によって復活をさせられてしまいました。結局、一般財源化は名ばかり。そして、最近に至っては、あのBバイCで分析をして凍結をしたはずの国道の建設も、次々復活をしているんです。
 道路イズ政治、政治イズ道路という自民党の政治の本質は全く変わっておりません。道路のネットワークを整備した上で、その先で、救急で対応できる医療機関もない、ドクターもいない、こちらの方が今問題なんです。政策の優先順位を間違え続けてきた自公政権にこそ、ノーという意思表示をしなければなりません。
 さて、今までは淵源についてたどってまいりましたが、麻生内閣そのものについての不信任の理由を申し上げさせていただきたいと思います
 まず、その第一は、昨年の秋から、もう既に麻生内閣で四本の予算が成立をいたしました。四本です。でも、一向に日本はよくならない。国民の生活はよくならない。結果が出ないという責任は極めて大きいと思います。
 その四本の予算は、結局は、与謝野大臣が、あの去年の秋のリーマン・ショックの後に、世界経済に対する影響は甚大であろうという予想の中で、日本はハチに刺された程度と言いました。この問題認識能力のなさが問題解決を誤らせている、そう思わざるを得ないと思います。
 しかも、景気対策、経済対策とは名ばかりで、実態は、ばらまきの選挙対策です。天下の愚策、あの定額給付金、あるいはアニメの殿堂、こんなばらまきを続けていて日本がよくなるはずはありません。バケツの水をざるに流し込むようなもったいないお金の使い方を何回やったって日本はよくなりません。まさに、このことに気づかなければならないと思います。
 しかも、その財源は借金です。借金は、要は、子供たちのポケットの中に手を突っ込んで、そしてそのお金を借りて事業をやっている。その借金がかさんだ亡国の予算をつくり続けてきた責任は、まさに不信任に値すると思います。
 さて、もう一つは、官僚政治をコントロールする能力と気概がないということであります。
 昨年の通常国会で、与野党が修正をして、国家公務員制度改革の基本法をつくったはずであります。でも、その基本法の精神はどんどんと後退をし、逸脱をし、そして今の、今国会の法案の提出となりました。中身は明らかに後退をしています。
 加えて、一番国民が問題にしている天下りやわたりを実効性ある方法でなくしていこうという熱意が全くありません。
 私どもの調査によって、ことしの五月に、平成十九年度のお金の使い方でわかったことがあります。二万五千人の国家公務員OBが四千五百の法人に天下りをし、その四千五百法人に十二兆一千億円の血税が流れていることがわかりました。その前の年には、十二兆六千億円の血税が流れていることがわかりました。消費税五%分のお金です。さきの首都決戦の東京都政の予算は、一般会計、特別会計合わせて十二兆八千億円でございました。
 これだけの税金に、一言で言えば、シロアリが群がっている構図があるんです。そのシロアリを退治して、働きアリの政治を実現しなければならないのです。残念ながら、自民党・公明党政権には、この意欲が全くないと言わざるを得ないわけであります
 わたりも同様であります。年金が消えたり消されたりする組織の社会保険庁の長官、トップは、やめれば多額の退職金をもらいます。六千万、七千万かもしれません。その後にはまた、特殊法人やあるいは独立行政法人が用意されて、天下りすることができる。そこでまた高い給料、高い退職金がもらえる。また一定期間行けば、また高い給料、高い退職金がもらえる。またその後も高い給料、高い退職金がもらえる。六回渡り歩いて、退職金だけで三億円を超えた人もおりました。
 まさに、天下りをなくし、わたりをなくしていくという国民の声に全くこたえない麻生政権は、不信任に値します。
 さらに、もう一つ言わなければならないのは、残念ながら我が国は、格差が拡大をし、そして固定化をしてまいりました。
 私は、昨年の十月五日、遺児と母親の全国大会に出席をさせていただきました。各党の代表者が出席をされていました。遺児とは、残された子供という意味であります。交通遺児、災害遺児、自死遺児、こうしたお子さんたちの悲鳴を聞きました。
 お母さんが朝も働く、昼も働く、夜も働く、でも生活するので手いっぱい、子供の教育費に手が回らない、子供たちは進学をあきらめざるを得ない、学校をやめざるを得ないという窮状でありました。何と十七年ぶりの全国大会です。それだけ限界に来ているということでありました。
 政治家の世襲についてさっき言及しましたが、もっと問題なのは、我が国では貧困の世襲が今起こっているということであります。そこに自公政権は何らかの手当てをしましたか。母子加算は、参議院では成立をしたけれども、衆議院では、復活を出しても、自民党も公明党も相手にしないじゃありませんか。
 お母さんと子供の笑顔が広がる国は幸せな国です。それを阻む政権は、これだけでも十分に不信任に値すると思います。
 すなわち、私が申し上げたいのは、麻生内閣につながる小泉内閣、安倍内閣、福田内閣、そして今回の麻生内閣、それに連なる自公政権そのものに内閣不信任案を私たちは突きつけているわけであります
 税金の私物化をずっと許してきた自公政権に対する不信任、格差の拡大を放置してきた自公政権に対する不信任、医療や福祉をぼろぼろにしてきた自公政権に対する不信任、それを後ろで糸を操っている官僚政治に対する不信任、そして今、さんざんさまざまな大きなやじを浴びましたけれども、この四年間、三分の二を握って、もう目の前はつくだ煮にしたいぐらい与党議員だらけだけれども、その勝手放題に対する不信任なんです。
 以上、麻生内閣不信任に対する賛成討論をさせていただきました。改めまして、麻生総理におきましては速やかに解散・総選挙を、そして議場におかれましては多くの同僚議員の御賛同をお願い申し上げて、討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)