パニックを恐れてSPEEDIの試算結果を公開しなかったことに伴う犠牲の一つ | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

パニックを恐れてSPEEDIの試算結果を公開しなかったことに伴う犠牲の一つ

秘書です。
福島第一原発事故で、放射能汚染が原発から北西方向を中心に広がると、原発2号機が破損した当日の3月15日時点で政府は予測していたにもかかわらず、将来の国民の身体への影響よりも、目先のパニックをおそれた結果の一つがこれではないでしょうか?


生コン会社に千トン超出荷 汚染石、他の建築物にも使われた可能性 
2012.1.16 08:35 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120116/dst12011608360004-n1.htm
 福島県二本松市内のマンション1階の室内から、屋外より高い放射線量が測定された問題で、同県富岡町の砕石会社が、マンションの基礎部分のコンクリートを製造した生コン会社に出荷した石は千数百トンとみられることが16日、経済産業省への取材で分かった。

 放射性物質が付着した石を使ったコンクリートがほかの建築物にも使われた可能性があり、経産省は、環境省や国土交通省などと流通ルートを調べている。

 二本松市や経産省によると、砕石会社は「双葉砕石工業」。浪江町内の砕石場で採取した石約5200トンを昨年3月11日から同4月22日にかけ、福島県内の建設会社など約20社に出荷。このうち問題の二本松市のマンション基礎部分のコンクリートを製造した生コン会社には、千数百トンが納入されたという。


新築マンション、室内放射線量1マイクロシーベルト超 二本松
2012年01月16日月曜日  河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120116t63015.htm

 福島県二本松市は15日、同市若宮の賃貸マンション(3階、12世帯)の1階の室内から毎時1マイクロシーベルトを超す放射線量が測定されたと発表した。福島第1原発事故で、計画的避難区域に指定された福島県浪江町で採れた石を材料とするコンクリートが建築資材として使われたことが、原因とみられる。
 市によると、線量は毎時1.16~1.24マイクロシーベルトで昨年12月、1階の4世帯の全ての部屋で計測した。同月の二本松市役所の空間線量(0.59~0.77マイクロシーベルト)より高い。
 測定は、住人の未成年者の携帯する積算線量計が昨年9~11月の3カ月間で1.62ミリシーベルトと高い値を示したことを受け、全室を対象に行った。2、3階は毎時0.1~0.38マイクロシーベルトだった。
 石は3月12日の原発事故前、浪江町の採石場で採取され、現場の屋根付きの保管場所に置かれた。町が避難区域に指定される4月22日までに搬出され、コンクリートに加工されてマンションの基礎などに使われた。現場保管中に放射能に汚染されたとみられる
 マンションは鉄筋コンクリートで7月に完成した。市は1階の4世帯が転居できるよう国と県に働き掛ける。国はこの石が他の建設現場に用いられていないかどうかを調べる。

→これは、政府が目先の「国民がパニックになることを懸念した」ために、情報開示をしなかったことの結果でしょう?つまり、目先、政府に批判がこなければいい、国民が安心してくれていればいい、将来国民の身体にかかるリスクよりも目先の政治リスクのほうが大事だ、という判断の結果ではなですか?


汚染拡大予測、政府生かせず 2号機破損時、対応後手
2011年5月4日20時9分 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0504/TKY201105040273.html


 福島第一原発事故で、放射能汚染が原発から北西方向を中心に広がると、原発2号機が破損した当日の3月15日時点で政府は予測していた。この方向にある福島県飯舘村など5市町村の住民に避難を求めると、政府が発表したのは4月11日で、結果として対応は後手に回った。

 文部科学省と原子力安全・保安院が5月3日夜から公開を始めた「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」の試算結果からわかった。

 3月15日午前6時すぎに原発2号機の圧力抑制室が破損。約3時間後に正門付近で、放射線量が1時間あたり10ミリシーベルト超まで急上昇した。保安院は破損の影響を調べるため、同日午前7時前に試算した。

 それによると、同日午前9時から24時間後までの間に、原発を中心にした単純な同心円状ではなく、とくに北西方向に汚染が流れていくことが予測された。こうした汚染の傾向は、福島大などによる実測値でも裏付けられている。

 政府が当初、避難を求めていたのは、原発から半径20キロ圏内の住民。だが4月11日になって、北西方向で20キロ圏外にある飯舘村や葛尾村など5市町村に対しても、5月末までに住民避難を求めることにした。対象は約3千世帯、計約1万人とされる。

 SPEEDIによる試算約5千件はこれまで未公表だった。その理由について、細野豪志首相補佐官は2日の会見で「国民がパニックになることを懸念した」と説明した。(小宮山亮磨)

→なぜ、4月11日とか5月3日に発表とか公開になったのか?ちなみに、この年の統一地方選の投票日は4月10日と4月24日でした。行政は行政、与党は与党でパニックをおそれていたのかもしれません。将来出てくる身体的影響については、自分の責任ではないといえますし、そのときに責任ある立場にいないかもしれないし、みんな仕方がないと思ってくれるかもしれない、と。