マンションの管理規約見直しの動向に注目しましょう | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

マンションの管理規約見直しの動向に注目しましょう

秘書です。

マンションというのは住人で資産を共有しています。

マンションの管理会社を、賃貸住宅の大家さんや管理人さんと同じに考えている人が多いようです。
そして、管理会社のいうがままに工事や契約をする管理組合があります。
それは、管理会社を信用している証拠です。信用とは、何があっても結果は受け入れますという未来への賭けです。
管理組合は自分たちが共有する資産を共同管理しています。その共同資産の管理を管理会社の善意を信じて白紙委任するわけです。そして、賭けに失敗したマンション管理組合がかつてはたくさんありました。
修繕積立金をめいっぱい工事に使い、足りなくなると管理費値上げの提案(高層マンションの修繕積立金はかなり巨額の工事ができます)

今はどうでしょうか?
そして、今後、法改正したらどうなるのでしょうか。


外部専門家の活用明示=マンション管理規約見直しへ―国交省
時事通信 1月10日(火)12時48分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120110-00000073-jij-pol

 国土交通省は10日、マンション管理に関する有識者検討会の初会合を開き、管理組合が規約を作る際に参考とする標準管理規約の見直し作業に着手した。居住者の高齢化による組合役員の担い手不足などが問題化しているため、外部の専門家を組合役員や物件の管理者に活用できることを明示する方向で検討を進める。
 どういった知識を持つ専門家がふさわしいかや業務範囲などを今後詰めた上で、6月ごろに中間報告を作成、標準管理規約の見直しに反映させる。

→「建物の区分所有等に関する法律」では、管理組合に対して私的所有権を制限できる権限を与えています。これが戸建て住宅と決定的に異なることです。もしも、区分所有者ではない「外部の専門家」がかかわるとすれば、区分所有法の私的所有権制限との関係の問題がでてくるのではないでしょうか。

建物の区分所有等に関する法律

(使用禁止の請求)
第五十八条  前条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、前条第一項に規定する請求によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することができる。
2  前項の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。
3  第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。
4  前条第三項の規定は、第一項の訴えの提起に準用する。

(区分所有権の競売の請求)
第五十九条  第五十七条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。
2  第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、前条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する。
3  第一項の規定による判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から六月を経過したときは、することができない。
4  前項の競売においては、競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算において買い受けようとする者は、買受けの申出をすることができない。


→もともと区分管理者とはどのような権限をもつ人でしょうか。

建物の区分所有等に関する法律

第四節 管理者

(選任及び解任)
第二十五条  区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。
2  管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。

(権限)
第二十六条  管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。
2  管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。
3  管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
4  管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。
5  管理者は、前項の規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合には、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。

(管理所有)
第二十七条  管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
2  第六条第二項及び第二十条の規定は、前項の場合に準用する。

→既に、現行法でも区分所有者以外が管理人になることができます。管理人は共有部分を所有できるとあります。とても強い権限を持っています。

→私的私有権制限の権限をもっている管理組合の管理者にふさわしい外部専門家にどのような基準をもってくるのか。要注目です。