2012年、民意が大きく動く。(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

2012年、民意が大きく動く。(中川秀直)


野田首相は今日の年頭所感で「『何かに挑戦することによるリスク』を恐れるより、『何もしないことのリスク』を恐れなければならない。山積する課題に正面から取り組み、成果を上げていくことが、国難のただ中に生きる日本人が果たすべき歴史的使命だ」と述べている。

それでは、なぜ、政権交代以来、民主党は選挙で公約した16兆円規模の無駄削減から逃げて来たのか。そして、増税成功の絶対条件であるデフレ脱却から逃げて来たのか。

民主党政権こそが、権力維持を最優先して「何もしないことのリスク」に国民を2年4カ月さらし続けたのである。そして、権力維持のために霞が関の全面協力を得るという選択を行なった最終的な回答が消費増税である。

しかし、霞が関の全面協力を得られても、国民の協力は得られない。

元旦の東京新聞に載っている日本世論調査会が昨年12月17,18日に実施した「日本経済」に関する全国面接世論調査によると、消費税率引き上げ反対が58%、賛成40%、法案成立前の解散・総選挙をが、72%に達している。

民意は2年半前の09年の総選挙での民主党の政権公約である「無駄を削り予算を組み替えるから増税は不要」に期待して民主党に政権を任せたのに、その期待が完全に裏切られた。民意の既存の政党政治に対する不信感はピークに達している。

昨年12月30日の政府・与党の「14年4月8%、15年10月10%」との消費増税法案素案決定は、民意は、政権交代から2年半、無駄を削らず、予算を組み替え出来なかったからだと見透かしたのである。

民主党政権が増税を行なうことの正統性を民意が問い出したのである。東日本大震災から1年となる今年3月11日以後、民意は経済財政運営に正統性を与える権力を再構築するための変化を求めることになるだろう。2012年、野田首相、民主党、そして自民党は、民意を大いに畏れるべきである。民意が大きく動く。

(1月1日記)