円高指向の民主党政権・日銀が適正と考える為替水準とは?~2001年からの趨勢から考える~ | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

円高指向の民主党政権・日銀が適正と考える為替水準とは?~2001年からの趨勢から考える~

秘書です。

「欧州経済が安定すれば、日本経済の実体を反映した為替水準にも近づいていく」

円ドル相場を欧州情勢のせいにしているようでは、来年も円高?
そもそも、「経済実体を反映した水準」とはどの程度のことなのでしょうか?
それは日銀と見解を一致させています?


安住財務相:欧州安定で円相場も「経済実体を反映した水準」へ-会見
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LWU7M26TTDS201.html
  12月27日(ブルームバーグ):安住淳財務相は27日午前の閣議後会見で、輸出の減少傾向について「円高と欧州経済の不安定さに起因している。タイの洪水が非常に大きかった」と述べた上で、「震災復興を含めた公共事業が内需の先導役になる」とし、来年は回復基調に向かうとの見解を示した。さらに「欧州経済が安定すれば、日本経済の実体を反映した為替水準にも近づいていく」と語った。


→日銀総裁はどう考えているのか?

【挨拶】日本経済:現状、見通し、課題
名古屋での経済界代表者との懇談における挨拶
日本銀行総裁 白川 方明
2011年11月28日
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2011/ko111128b.htm/

「円高に関連して、現在、特に問題となっているのは、これにより企業の海外生産シフトが加速し、国内産業が空洞化する可能性です。日本企業による海外生産の増加という流れ自体は、基本的には、世界の成長センターが新興国に移っているという大きな構造変化のもとで、企業の成長戦略の一環として、需要の拡大している市場の近くに生産拠点を設ける動きであると理解しています。ただ、そのペースはその時々の為替相場の動向にも左右されます。皆さまもご記憶のように、2000年代半ば過ぎにかけて大きく円安に振れ、国内生産の採算が一時的に大幅に好転した局面では、海外シフトの動きが一服して生産の国内回帰がみられました。しかし、リーマン・ショックの余波や欧州ソブリン問題が長引く中で、それらが表面化する前に比べて円高な水準が定着するにつれ、もともとグローバル市場の拡大に合わせて進められてきていた海外生産シフトへと、企業の戦略が再び戻りつつあります。従って、この戦略過渡期においては、海外生産シフトは傾向として過去の平均的なペースに比べて速まることになります。その際、海外生産シフトがあまりに急速に進展すれば、国内で新たな雇用吸収の場を生み出すペースが追いつかなくなる可能性がありますし、長い目でみて競争力がある中核的な企業や工場までもが海外シフトしてしまった場合、あとで円高が是正されてもその国内復帰は難しくなります。これらのリスクを含めて、最近の円高が日本経済に与える影響については十分注意する必要があると考えています。」

→200年代半ばすぎにかけての円安は、日銀からみると適正な水準ではないように読みとれますがどうでしょうか?

→ちなみに、小泉発足から政権交代まで(2001年4月―2009年9月)の為替レートは以下の通りです。総裁のいう「2000年代半ば過ぎにかけて大きく円安に振れ」とはどこまでのことなんでしょうか?


(東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均)


2001/04=123.77(小泉政権発足)
2001/05=121.83
2001/06=122.19
2001/07=124.63
2001/08=121.53
2001/09=118.91
2001/10=121.32
2001/11=122.33
2001/12=127.32
2002/01=132.66
2002/02=133.53(景気拡大はじまる)
2002/03=131.15
2002/04=131.01
2002/05=126.39
2002/06=123.44
2002/07=118.08
2002/08=119.03
2002/09=120.49
2002/10=123.88
2002/11=121.54
2002/12=122.17
2003/01=118.67
2003/02=119.29
2003/03=118.49
2003/04=119.82
2003/05=117.26
2003/06=118.27
2003/07=118.65
2003/08=118.81
2003/09=115.09
2003/10=109.58
2003/11=109.18
2003/12=107.87
2004/01=106.39
2004/02=106.54
2004/03=108.57
2004/04=107.31
2004/05=112.27
2004/06=109.45
2004/07=109.34
2004/08=110.41
2004/09=110.05
2004/10=108.9
2004/11=104.86
2004/12=103.82
2005/01=103.27
2005/02=104.84
2005/03=105.3
2005/04=107.35
2005/05=106.94
2005/06=108.62
2005/07=111.94
2005/08=110.65
2005/09=111.03
2005/10=114.84
2005/11=118.45
2005/12=118.6
2006/01=115.33
2006/02=117.81
2006/03=117.31
2006/04=117.13
2006/05=111.53
2006/06=114.57
2006/07=115.59
2006/08=115.86
2006/09=117.02(安倍政権発足)
2006/10=118.59
2006/11=117.33
2006/12=117.26
2007/01=120.59
2007/02=120.49
2007/03=117.29
2007/04=118.81
2007/05=120.77
2007/06=122.64
2007/07=121.56
2007/08=116.74
2007/09=115.01(福田政権発足)
2007/10=115.77
2007/11=111.24
2007/12=112.28
2007/10=115.77
2007/11=111.24
2007/12=112.28
2008/01=107.6
2008/02=107.18(景気拡大終わる)
2008/03=100.83
2008/04=102.41
2008/05=104.11
2008/06=106.86
2008/07=106.76
2008/08=109.24
2008/09=106.71(麻生政権発足)(リーマンショック)
2008/10=100.2
2008/11=96.89
2008/12=91.21
2009/01=90.35
2009/02=92.53
2009/03=97.83
2009/04=98.92
2009/05=96.43
2009/06=96.58
2009/07=94.49
2009/08=94.9
2009/09=91.4(民主党政権への政権交代)


→そして民主党政権の誕生。民主党は小泉政権時代は円安・金利高だと批判して政権をとりました。日銀の歴史観と全く同じですね。民主党政権・日銀という円高指向政権が今日の円高状態をつくるのは歴史的必要ともいえますね。

最初の300日重要、政治主導で内需主導型経済を実現=岡田民主党幹事長
2009年 08月 10日 22:44 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-10477020090810?sp=true
 [東京 10日 ロイター] 民主党の岡田克也幹事長は10日、トムソン・ロイター主催の「ニュースメーカー」で講演し、政権交代を実現した場合、具体的な成果を出さなければ、来年夏の参院選で国民からの支持を失うとし「最初の300日は非常に重要」と強調した。具体的な政策について、政治主導による予算の見直し・組み替えで財源を新規政策に振り向けるとともに、民主党の成長戦略として子ども手当などで個人所得を増やし、内需主導型経済を実現すると主張した。

 <総選挙へ「これからが大事」、政権交代に意欲>

岡田幹事長は、30日投開票の総選挙が間近に迫っている現在の心境について「これからが本当に大事な日々になる」と指摘した。

 自民党との政権をかけた選挙と位置づけられているが「民主主義国家の日本で、あらためて政権交代がテーマになるのはおかしい感じがする」と、これまでの自民党の長期政権に疑問を呈しながら「明らかに現在の日本の政治は破たんしている。4年間で総理大臣が4人替わるだけでもうまくいっていないことは明らかだ。国民は自民党に政治は担えないと感じている」と政権交代への意気込みを語った。

 政権交代実現後の政策運営に関し、来夏の参院選に言及。「具体的に変わったと実感してもらえるだけの成果を挙げないと、参院選で国民に支持してもらえない。マニフェストをしっかりやり、合わせて政と官の関係を新しい仕組みで動かし始める。最初の300日は非常に重要」との認識を示した。

 <政治主導で予算組み替え、輸出主導型成長を転換>

 先に公表した総選挙に向けたマニフェスト(政権公約)について「民主党に関係する者の魂のこもった政策だ」と強調し、基本方針として「政権交代で政治主導に変えることを明らかにしている」と説明。

 具体例として「政治主導で徹底的な見直し、組み替えを行う」とし、「予算をゼロ・ベースで見直し、必要ないものはやめる。その財源を新しいところに使う。こうした予算の組み替えは政権交代をしないとできない」と主張した。

 民主党の公約からは成長戦略が読み取れないとの指摘があることに対して「従来の日本の成長戦略は輸出主導型」とした上で、これまでの成長は「改革の成果ではなく、輸出主導型企業が頑張った結果だ。その背景は円安であり、金利安」と指摘した

 このためリーマンショック後に先進国で最も大きな影響を受けたのは日本だったとし「輸出主導型の成長モデルを大きく変えなければ、日本の将来はないと考えている」と述べた。

 内需主導型の成長実現には、個人消費が重要と強調。個人消費の活性化には、年金・医療・介護などへの重点投資や改革で中長期的な安定を確保すること、子ども手当やガソリン税の暫定税率廃止など直接的に所得を増やすこと――の2点が必要とし「そういうことを通じて個人の所得を増やし、個人消費を増やす中で、内需主導型の経済を実現していく」と、民主党の成長戦略を説明した。

 子育て支援については「このまま行けば日本の人口はどんどん減り続ける。子供を生み、育てやすい社会は、政治がしっかり実現しなければならない大きなテーマであることは間違いない」とし、「出生率を上げることで、中長期的な成長を確保することが重要」と成長維持には人口減少に歯止めをかけることが重要との認識を示した。

 一方、法人税減税に関しては「中小企業以外のところで考えているわけではない」と明言した。

 <GDPプラスでも景気回復は「楽観過ぎ」、新たな景気対策「否定しない」>

 17日に発表される4─6月期の実質国内総生産(GDP)1次速報は、輸出の回復や景気対策などを背景に5四半期ぶりのプラス成長が見込まれている。

 岡田幹事長は、GDPについて「景気回復と考えるのは楽観的過ぎる。前期があまりにも落ち過ぎた。それがやや戻したに過ぎない。自動車を中心に在庫調整が急速に行われ、それが一巡したに過ぎない」と慎重な見方を示した。

 その上で「持続的に成長していけるかは今後の問題」とし、「内需がどうなるか。同時に、アジアの国々の成長がどうなるかと言うことに当面は依存せざるを得ない。前年同期比でみると、それほど良い数字ではないと思う」と語った。

 民主党が政権を獲得した場合、先進国でも最悪の状況といわれる財政の再建に取り組むことも不可欠となる。

 岡田幹事長は「国の債務削減は、大きな政治課題」と指摘。ただ、経済活動が落ち込んでいる中では、債務削減で説得力のあるプランはできないとし「早くノーマルな状態に戻し、一定の税収を確保した上で、あらためてプライマリーバランスの黒字化や債務残高のGDP比を減らすという数値をつくる。今直ちに何か作っても、結果として意味のないことになる」と述べた。

 数値目標を打ち出す時期については「できれば来年度予算をつくる時までに、経済がある程度安定すれば、新たな目標を作りたいと思うが、そこまでに安定した状況に戻るかは不確定な要素がある」と語った。

 経済が再び落ち込んだ場合の対応については「新たな景気対策を否定はしない。状況によっては、必要性が出ることもある」と追加の経済対策の可能性に言及。その際には「来年度から行う政策を前倒しでやる選択肢もあり得る」とし、財源については「14兆円の補正予算には、まだスタートしていないものもあるし、無駄なものもある。そういうものを凍結し、その予算を将来的に使っていくこともある」と述べた。

 <日米関係は鳩山・オバマの信頼が基本、日本の成長がアジアのなかに>

 岡田幹事長は日米関係について、沖縄における基地の問題や日米地位協定の問題、インド洋の自衛隊派遣、アフガニスタンの問題なさまざまなテーマについて、オバマ米大統領と鳩山代表が人間関係を構築し、信頼関係をベースに取り組んでいくことが重要との考えを示した。

 マニフェストで言及している「緊密で対等な日米同盟関係」について、「日本防衛の義務を米国が負い、日本は米国防衛の義務を負っていないというだけをとらえれば片務的だが、その代償として日本は世界戦略の中で極めて重要な普天間や嘉手納、横須賀や、多くの基地を提供している。これは日本を守るためだけにあるわけではなく、米国の世界戦略の中で重要な位置を占めている。日本はそれだけの役割を果たしている」と強調した。

 また、核戦略を例に挙げ「日本には日本の核戦略、核軍縮、核不拡散に対する日本の基本的な考え方があって、米国の言う通りにしていれば間違いないというのでは主権国家として情けない」と述べ、「経済分野では対等だが、安全保障分野では十分にできていないので、それを転換していく」と語った。

 アジア外交については、経済での分野をはじめ日本はアジアとの相互依存関係が深まっており、将来の日本の成長はアジアの成長の中にあるとの考え方から、ともに平和で豊かなアジアをつくりたいとした。

 北朝鮮問題に関しては、北朝鮮の核保有を既成事実化してはならず、圧力をかけるとの考えを強調。その目的について「北朝鮮を対話のテーブルにつかせ、核、ミサイル、拉致の問題を解決する」と述べた。さらに、圧力をかけることで「今の体制が転換することを望んでいるのではなく、圧力をかけることで話し合いが始まることを期待している」と語った。

 (ロイターニュース 伊藤純夫 清水律子 吉池威)

→「民主党に関係する者の魂のこもった政策」の公約を「どうでもいい」といっては、魂のこもった政治はできません。

→政権交代後は、公約通り、円高に進んでいます。


2009/10=90.28
2009/11=89.11
2009/12=89.52
2010/01=91.26
2010/02=90.28
2010/03=90.56
2010/04=93.43
2010/05=91.79
2010/06=90.89
2010/07=87.67
2010/08=85.44
2010/09=84.31
2010/10=81.8
2010/11=82.43
2010/12=83.38
2011/01=82.63
2011/02=82.52
2011/03=81.82
2011/04=83.34
2011/05=81.23
2011/06=80.49
2011/07=79.44
2011/08=77.09
2011/09=76.78
2011/10=76.72
2011/11=77.5

→適正な水準はどこにあるのでしょう?

→もしも、リーマンショック前の100円台が適正と考えているなら、以下の政策をどうぞ。欧州がどうだ、米国がどうだ、アジアがどうだと他人任せコメントしていないで自らの意思で政策を。


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