円高原因の倒産 30%以上増←日銀からみるとこれは必然的な構造調整? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

円高原因の倒産 30%以上増←日銀からみるとこれは必然的な構造調整?

秘書です。
円高原因の倒産が30%以上増と。
これは日銀からみると、必然的な構造調整なのでしょうか?


円高原因の倒産 30%以上増
12月26日 6時31分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111226/k10014896891000.html
記録的な円高が続くなか、取引先が生産拠点を海外に移した影響で、受注が大幅に減って、経営破綻に追い込まれるなど、円高が原因で倒産した企業の数が、ことしは去年より30%以上増えていることが分かりました。
民間の信用調査会社「帝国データバンク」の調べによりますと、ことし1月から今月21日までの間に、円高が原因で1000万円以上の負債を抱えて倒産した企業の数は、79社に上り、去年1年間の実績をすでに36%上回っています。背景には、円高の影響で、取引先が海外での生産を増やした結果、国内での受注が減って売り上げが落ち込んだり、海外のライバル企業に対する価格競争力が低下して、輸出が振るわなくなり、収益が悪化したりするといった、厳しい実態があるということです。記録的な円高の長期化で、企業の間では、生産拠点を海外に移す動きが今後一段と進むことが懸念されるだけに、信用調査会社では、国内受注の大幅な減少で、倒産に追い込まれるケースがさらに増加するおそれがあると指摘しています。


→日銀総裁は円高について、以下のように述べています。

・・・現在問題となっている円高にはメリットもあればデメリットもあり、かつ両者の現れ方は局面によっても時間の経過によっても異なります。結論から申し上げますと、日本銀行は、海外経済の先行きを巡る不確実性が大きい現局面においては、円高が輸出や企業収益の減少、企業マインドの悪化などを通じ、景気の下振れ要因となる可能性には十分な注意が必要だと考えています。日本銀行が夏以降、2回にわたって金融緩和に踏み切ったのも、正にそうした判断に基づくものです。

円高に関連して、現在、特に問題となっているのは、これにより企業の海外生産シフトが加速し、国内産業が空洞化する可能性です。日本企業による海外生産の増加という流れ自体は、基本的には、世界の成長センターが新興国に移っているという大きな構造変化のもとで、企業の成長戦略の一環として、需要の拡大している市場の近くに生産拠点を設ける動きであると理解しています。ただ、そのペースはその時々の為替相場の動向にも左右されます。皆さまもご記憶のように、2000年代半ば過ぎにかけて大きく円安に振れ、国内生産の採算が一時的に大幅に好転した局面では、海外シフトの動きが一服して生産の国内回帰がみられました。しかし、リーマン・ショックの余波や欧州ソブリン問題が長引く中で、それらが表面化する前に比べて円高な水準が定着するにつれ、もともとグローバル市場の拡大に合わせて進められてきていた海外生産シフトへと、企業の戦略が再び戻りつつあります。従って、この戦略過渡期においては、海外生産シフトは傾向として過去の平均的なペースに比べて速まることになります。その際、海外生産シフトがあまりに急速に進展すれば、国内で新たな雇用吸収の場を生み出すペースが追いつかなくなる可能性がありますし、長い目でみて競争力がある中核的な企業や工場までもが海外シフトしてしまった場合、あとで円高が是正されてもその国内復帰は難しくなります。これらのリスクを含めて、最近の円高が日本経済に与える影響については十分注意する必要があると考えています。

一方で、円高には、原燃料の輸入コストの抑制などを通じて企業や家計の対外購買力を高めるなどのメリットもあります。震災発生以降、原発の稼働停止に伴う火力発電の増加から、原油やLNGの輸入金額が拡大し貿易収支も赤字に転じていますが、円高はそうした海外への所得流出というデメリットを相殺する側面も有しています。もちろん、そうしたメリットはすべての企業や業種に一様に及ぶわけではありませんが、日本経済全体として考えた場合、そうしたメリットを活用し、新たな事業展開や産業構造の変革へとつなげていく発想も必要だと思います。残念ながら現在はそうした前向きな動きがなかなか起きてきていません。・・・

【挨拶】日本経済:現状、見通し、課題
名古屋での経済界代表者との懇談における挨拶
日本銀行総裁 白川 方明
2011年11月28日
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2011/ko111128b.htm/


→つまり、急激な円高というスピードは緩和するが、円高水準は受け入れるということでしょうか?この円高に耐えられない企業が淘汰されるのは必然的な構造調整であると?

グローバリゼーションと人口高齢化:日本の課題
── 日本経済団体連合会評議員会における講演 ──

2011年12月22日 日本銀行
日本銀行総裁 白川 方明
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2011/data/ko111222a1.pdf

「いずれにせよ、わが国では円高がもたらす厳しさがより強く実感されるのは、本来円高メリットが期待できるはずの内需関連企業でも、成長の姿が描けず円高のメリットを実現しにくいといった面があるからではないかと考えられます。言い換えれば、「産業空洞化」の懸念を克服するには、結局のところ中長期的な成長力の強化に取り組んでいくことが重要であるように思います。」

→産業空洞化対策として円安に戻すことはしないという決心の表明ですね。企業ががんばれ、と。デフレの原因も、がんばらない企業、劣化した企業が悪いと。世界に冠たる日本の自動車産業も国内に残れるか微妙な円高にしておいて、円高とデフレに耐えられないなら淘汰されろ、というのでは、公務員と日銀以外、どうやっていけばいいのでしょう?

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