借金の積み増しについて民主党は小泉政権をどう批判していたか? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

借金の積み増しについて民主党は小泉政権をどう批判していたか?

秘書です。
小泉ー安倍政権期に景気拡大とともに税収が伸びており、2007年にはあと一歩で1997年消費増税に伴う税収減を補うところまできていました。この事実を認めなければ話になりません。


$中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「3年連続は異常」=税収上回る国債発行に―平野復興相
時事通信 12月24日(土)12時23分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111224-00000054-jij-pol
 平野達男復興担当相は24日の臨時閣議後の記者会見で、2012年度予算案の新規国債発行額(借金)が税収を上回り、3年連続で税収より借金が多い予算編成となったことについて、「3年間こんなことをやっていること自体は異常だ」と述べ、限界に来ているとの認識を示した。
 平野復興相はこの中で「3年連続税収を上回る国債を発行することに対して、言い過ぎかもしれないが、だんだん無感覚になっている」とも指摘した。12年度予算案の新規国債発行は44.2兆円で、税収は42.3兆円。当初予算ベースの公債依存度は49.0%と過去最悪となっている。 


→2011年度末の公債残高は667兆円。国債発行について、小泉政権時代に民主党は何といって批判していたのか?自民党政権時代(2008年度)は546兆円(自民党政権から民主党政権に引きついた2009年度は594兆円)。民主党は国の借金を積み増していますね。


衆議院行政改革に関する特別委員会- 平成18年04月03日

○菅(直)委員 昨日は、皇居を一周いたしまして、桜の下を歩きながらきょうの質問を考えておりました。何人かの方から、菅さん頑張って、民主党頑張ってという言葉もいただきまして、そういう皆さんのエネルギーとあのすばらしい桜のエネルギーをいただいて、この質疑に立たせていただきます。
 小泉総理、内閣ができて、この四月で満五年になるわけであります。九月の退任を表明されておりますので、ある意味では、この小泉政権五年間、まさに行財政改革を旗印にスタートした小泉内閣が、この五年間で何をなし遂げ、何ができないで、何を後の私たちに残そうとしているのか、そのことを総決算する、そういう立場から質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、私なりに小泉政権の五年間を総決算いたしてみました。(パネルを示す)小泉政権がなし遂げたことについて、「正の遺産」と書いておきました。確かに、不良債権の処理は進みました。また、景気の回復も進みました。しかし、後ほど申し上げるように、このためには四十兆円を超える公的資金の投入や、さらには低金利、ゼロ金利による、本来預金者に戻ったと考えられるような利息が、先日の日銀の、九一年度からのそのトータルでは三百四兆という答弁も出ておりましたが、そういう国民に対する痛みを重ねてこの不良債権処理と景気回復がなされました。私は、このことはこのこととして認めたい、また、そのことができたこと自体は評価をしたいと思っております。ただ、余りにも遅かった。バブルの崩壊から十五年あるいは十七年、余りにも遅かったと言わざるを得ません。
 そして、「負の遺産」、小泉政権五年間の負の遺産であります。国の借金を、丸めて言えば百七十兆円、小泉さん、積み増されましたね。また、これはこれから話をしていきますが、行政改革、行政改革といろいろ言われましたが、道路公団を見ても、社会保険庁改革を見ても、あるいは防衛施設庁の官製談合を見ても、官製談合による税金の無駄遣いには一円も切り込めていない。そして、地方の切り捨て。私も四国を初めあちらこちらを歩いていますが、駅前がにぎやかなのはほんの県庁所在地の一部でありまして、ほとんどの駅前は今やがらがらの状況であります。格差の拡大、そして特にアジア外交における首脳外交の失敗のツケ。
 つまり、この五年間というのは、不良債権処理と景気回復は確かに進みましたが、負の遺産も大変大きくこの小泉政権のうちに残された、これが私の見る小泉政権の五年間でありますが、小泉総理、もし反論があれば聞かせてください。

○小泉内閣総理大臣 久しぶりに、党首討論じゃなくて、党首の方が続いて午前、午後質問されまして、この後、また小沢さんが質問されるのかなと思っていましたけれども、違う方が質問されるようであります。
 今、菅さんが、「小泉政権五年間の総決算」としてこの表を出されました。いろいろ御批判があるかと思いますが、かなり五年間で改革は進んだなと思っております。
 この一、二、三、四、五という負の遺産、取り上げていますが、国の借金を百七十兆円積み増したということを批判されていますが、これは積み増さなかったらどういうことになったかということも考えていただきたいと思います。できるだけ国債発行額を縮減してきたからこそこれで済んだんです
 経済は生き物であります。民主党が三十兆円枠を法律で縛れと言うのを、私は当初から、内閣で決めることだ、法律で縛ることはない、経済、財政全体を見て判断すればいいことだということで、税収が五十兆円程度あるときには一年間の国債発行を三十兆円以下に抑えればいいだろう。結果的に、税収は四十一、二兆円程度しかなかった、その際に三十兆円枠にこだわって進めていたら、果たして今のような景気回復があったかどうか、疑問に思っております
 「言葉だけの行政改革」、二番、批判していますけれども、実際に、今まで反対の多かった道路公団民営化にしても、郵政民営化にしても、今ここに出している行政改革推進法案にしても、国民の支持のもとに進めてきたんです。言葉だけの行政改革だったら、私はとっくに退陣していなきゃならないですよ。菅さん、今ごろ総理大臣ですよ。去年の選挙だって、自由民主党に国民は勝利を与えなかったと思いますよ。実際進んでいるからこそ、国民は、自由民主党、小泉内閣、自民党・公明党連立政権に多数の議席を与えてくれたんじゃないでしょうか。
 地方切り捨てと言いますけれども、切り捨てなんというのは全く考えておりません。稚内から石垣まで、地方にみずからの独自色を出してもらおう。全国すべてが東京と同じようでは意味がない、地方には地方のよさがある。一流の田舎になりたいという地方の人が出てきてくれる。田舎という言葉だって悪くはない。東京と同じじゃむしろおかしいのではないか、地方には独自の持ち味がある、それを発揮していただきたいというのが、稚内から石垣までの都市再生であります。
 格差拡大、これは今非常に問題になっておりますけれども、私は、もともと、どの時代においても、どの国においても、また個人においても、企業においても、地域においても、格差はあると思っております。要は程度の問題だと思います。
 人間には格差があります。しかし、一つの格差でその人間全部を評価するものであってはならないと思います。得手不得手があります。それぞれのよさを伸ばし合っていこう、足りないところは優秀な人に補ってもらおう。そして、国全体で考えれば、格差というものを固定させるべきものじゃない、一度や二度敗れてもまた成功するチャンスを提供する、一度二度失敗、挫折があってもまた立ち直るチャンスを与えることができる、またそのチャンスに向かって努力するということによって希望が持てる、そういう社会をつくるべきだと言っているわけであります。
 逆に、格差がなかったらまた別の批判があります。悪平等とか、努力する人も努力しない人も同じだったら、これはまたほかの不満が出てくるんじゃないでしょうか。
 五番目の「アジア外交における首脳外交の失敗」ですが、これも私は失敗とは思っておりません。靖国神社を参拝しなければ首脳会談を行うという先日の胡錦濤中国国家主席の言葉。一つの問題を条件づけて、このことを言うことを聞けば私は会う、この条件を満たさなければ会わない、そんな国はほかにありません。問題があれば、対立があれば、むしろ話し合いによってお互いの友好関係を発展させていけば、その方がいいと思います。
 このアジア外交、要するに、突き詰めれば、靖国神社を参拝しちゃいかぬという中国の政府の考え方を菅さんは結構だと考えているのかどうか。私は、こういう時期において、一つの問題が意見が違うから首脳会談を行わない、その方がおかしいと思っております。

○菅(直)委員 まあ結局、小泉総理は全部認められたわけですよね。つまりは、借金がふえましたと。それはいろいろ理屈はあるでしょう、ふやさなかったらどうなるか。
 しかし、もう一つのこれを見てください。これは裏表になっていませんので、まず総理によくお見せしますが、今、普通国債の残高が五百四十二兆円です。そして今年度が終わるまでに、小泉政権下で、この五百四十二兆円の中で何と百七十一兆円が小泉内閣になって積み上がった借金であります。かつて小渕さんはみずからを世界一の借金王だと言われましたが、今やはるかにそれを超える借金王、つまりは、これまで歴代十七代にわたる政権で積み上がった五百四十二兆の借金の何と三一%は小泉内閣が積み上げたものであります
 これを国際比較してみましょう。先ほど衛藤さんの資料にもあった同じ資料ですが、見事に金メダルですね。つまりは、これは国、地方が入ったOECDの数字でありますが、日本はGDP比一六〇%を超える借金超大国、イタリアが次いで一二六、フランスが七七、これも小泉政権になってから三〇%近く上昇して断トツになっております。
 また、もう一つ、私が確かに不良債権の処理は進んだと申し上げましたが、これは先日も申し上げたように、先ほども申し上げたように、金利を大変低く抑えた結果によってそれが相当部分が生み出されたということを、先日の質疑の中で日銀も認めていたようであります。
 そこで問題は、もともと不良債権処理というのは行財政改革なんですか。もともと不良債権処理というのはやらなきゃいけませんよ。先日、都留重人先生が亡くなられましたが、「市場には心がない」という本の中で、一九五五年から九〇年代に向けて、物価は二倍だったけれども、六大都市の地価は百七十倍に上がった。それが生み出したバブルの処理、やらなきゃいけませんよ。
 私たちは、一九九八年に民主党として金融再生法と厳しい金融健全化法を出しました。二つの法律が実行されていれば、まあ二〇〇一年か二年には不良債権処理は終わっていたでしょう。しかし、再生法だけを丸のみして、金融機関の責任を問う健全化法は骨抜きの政府案を通したために今までかかったんじゃないですか。時間のおくれが何を生み出したのか。時間のおくれが百七十兆の借金の積み増しを生み出した。
 それでは、この百七十兆の借金から、これから何が生まれるんでしょうか。次の表、グラフ、絵を見てください。これは単純に書いておりますが、百七十兆の国債が、平均金利が三%上がれば、単純に言えば五・一兆の利息払いが追加的に発生いたします。従来の三百七十一兆分が十一・一兆ですから、三%上がれば十六兆二千億円の利息払いが追加されます。もちろん、単年度でいくわけではありません。いろいろな国債の発行の仕方をやっておりますから単年度ではありませんが、こういう数字ですよね。
 財務省と内閣府がかなり違ったことを言っていますよね。つまりは、これだけ積み上がった借金を本当に返せるんですか、総理。あなたが残した負の遺産ですよ。あとは後の人がやってくれ、とても返せないんだったら増税でやってくれ、それが本音じゃないんですか。つまりは、行財政改革といっても、不良債権の処理はやった、しかし、財政改革は、やっていないどころか大逆行じゃないですか。百七十一兆返せるんですか、総理。答えをお聞かせください

○小泉内閣総理大臣 財政というのは、短期間で処理できるものと長期間かかるものがあります。今まで積み上げた借金、これを四年や五年、十年で返せるものではありません。その辺は菅さんも御理解いただけると思うのであります。
 そういう中で、基礎的な財政収支は確実に改善しております。これから、今まで積み上げてきた借金、十年や二十年で返せるものじゃありません。返せということになって、歳出削減と増税を組み合わせて、財政が健全化しても、景気が悪くなった、経済がおかしくなった、それじゃ意味ないんです、両方見ながらやっていかなきゃならない
 現に、民主党が表明していた、三十兆円、国債発行をとどめよ、その目標の二年前倒しで今年度予算は実現しております。民主党の目標よりも早く実現しているんです。ということは、民主党も、毎年毎年三十兆円の国債発行はやむを得ないと考えているあらわれじゃないでしょうか
 どの政権がとったって、四年や五年でこの積み上げた借金、返済することはできません。そういう中で、少しでも財政赤字を減らしていく。現在の行政サービス、国民に必要なものは維持、発展させていく。そして、できるだけ税負担を軽減していく。その中には、消費税の議論も出てくるでしょう。さまざまな議論が出てくると思いますが、経済全体を見て、将来の方に余計な財政負担を負わせないような、さまざまな行財政改革が必要だと思っております。

菅(直)委員 国民の皆さんは、なかなか小泉総理は言葉が巧みですから、いや、景気もよくなったしプライマリーバランスも何か小さくなったんだから、大変財政再建は進んでいる、こう思われるような言い方であります。しかし、これまでのプライマリーバランスが下がったのは、金利を上げないままです。確かに、地方や国の財源あるいは税収などの増によって多少間が埋まってきたかもしれません。しかし、景気のいわゆる回復、経済の成長というのは両方に効くんですよね。金利が上がってくることと、それによって税収が伸びることと、両方に効いてくるんですよ。
 財務省が出されたいろいろな試案によれば、場合によっては、金利の上昇による国債費、いわゆる国債の利息払いの方が大きくなって、とてもではないけれども財政が改善されないという試算も幾つかの試算の中には出ております。どうしても財政を再建させようとすれば、その財務省的な言い方で言えば、増税がやむなし、こういう結論になっております
 後ほど、私の方が、少なくともこの五年間、もし小泉総理のかわりの立場にあれば、どうやって財政再建をしたかをきちっとお示しをしますけれども、その前に、まず現職の総理、小泉さんにお聞きしましょう。
 景気回復、つまりはGDPが、これから経済成長したときに、確実に税収の伸びの方が、この百七十一兆を積み増した、三分の一近くを積み増したこの借金返しの利息分ですよ、元本じゃありません、利息分を返すよりも高くなるということを自信を持って言えますか、言ってみてください。

・・・・
・・・・

○菅(直)委員 では、総理だけでなくて、皆さんに申し上げましょう。
 私も先日まではNC、民主党のNCの国土交通大臣をやっておりまして、道路公団の天下りなどを大分調べました。いろいろ調べました。そして、天下り禁止法とか談合の法律とか、いろいろ見てまいりました。
 法律は要らないんですよ。ただ一つです、やればいいのは。一つの閣議決定をすれば官製談合はなくなります、一つの閣議決定をすれば。どういう閣議決定をするか。今後、天下りを採用した企業には発注はしない。今後、天下りを採用した企業には発注をしない。それは当たり前でしょう。私が例えば発注者だとしたら、めちゃくちゃに高いものをインチキして売っている人がいれば、そんなところは使わないよと言うのは当たり前ですよね。
 どうですか、総理。総理は、まだ残された内閣の中で、例えば防衛施設庁に、今後天下りをさせるなよ、これから先、天下りを関係業界にさせた場合にはその関係業界には発注はしない、そういう閣議決定をするだけの勇気をお持ちですか。どうですか

○菅(直)委員 早期退職勧奨制度とか、それは前原代表もこの場で言われていたように、私も、六十歳、六十五歳まで、給料がそのまま上がるかどうかは別として、働けるようにするというのは賛成です。
 ただ、結局、額賀さんもいろいろ言われたけれども、いろいろな事情がある、ちょっとOBが行っているところは入札から外した。私、道路公団で調べてみましたよ。例えば、鉄の橋がある。鉄の橋の、ある大きさから、つくれるもの全部が官製談合の談合にかかわっているんですよ、全部が。一時入札をストップする、だれがつくるんですかと言ったら、いや、しばらく工事がとまりますと。いつになったら解除するんですか、そのうち解除したときにだれがつくるんですか、いや、やはりそのグループでないとだれもつくれる人がいません。何ですか、これは。単に一時的にとめただけじゃないですか。
 つまり、官製談合のインセンティブ、動機。犯罪には動機があるんですよ。なぜわざわざお役人が、民間企業に高く値段をつけるのに法律まで破って談合するんですか。道路公団の場合は背任も適用されましたよ。背任容疑も含めて逮捕されたんですよ。なぜ背任までやるんですか。すべては、天下り先をつくるというその目的のためじゃないですか。
 今皆さんがやろうとしているのは、天下り先をつくる、そのインセンティブをなくすることではなくて、いろいろな入札の仕組みとか、あるいは天下りの二年間がどうとか、全部これも骨抜きですが、そういういろいろな仕組みの中で、二十年たっても三十年たっても変わっていない。しかもそれは、百億、二百億の税の無駄遣いじゃありません。私の試算でいえば、先ほど申し上げたように、三十七兆にも及ぶ公共調達の例えば三割がそうした形で高いものだとすれば、国、地方、いろいろな団体を合わせて、何と年間十兆円もの税金が無駄に使われているじゃないですか。これもやらないでおいて、財政改革をやった、行政改革をやった。今回の法律だって、やったとは何も書いていない、これからこういう段取りでやりたいと書いてあるだけで、一、二年でできるわけはない、五年やった総理大臣からそんな答弁を聞くとは思いませんでした。
 そういった意味で、私は、小泉政権五年間の少なくとも行財政改革に関しては、総決算をしてみると粉飾決算ではなかったですかね。やったやったと言われているけれども、この場でやった例はとうとう一つも示すことは総理はできませんでした。そうじゃないんだったら、何かやったことを示してください。

○菅(直)委員 厚生大臣もなかなか心臓が強いですよね。従来は臨時的な措置で、財政が厳しい、予算が厳しいから年金から一部をいただいていたけれども、今度は社会保険庁改革で恒久的に年金の掛金からいただきます、それが今度出された改革案ですよ。どうなんです、これは。そして、納付率が云々というのも、先ほど申し上げました。納付率が上がっている、上がっている、二%ぐらい上がったと言うから数字を見てみたら、納付しなきゃいけない人の数字が下がっているわけですよ、いろいろな理由で。そういういわば国民の目をごまかすようなやり方で、社会保険庁改革が進んでいると、小泉さん、総理、言えるんでしょうかね。
 残された時間で、少し前向きな提案も含めて申し上げてみたいと思います。
 雇用に関しては、きょうは特会の中でも少し触れられておりました。今二〇〇六年ですから、来年はいよいよ〇七年になります。団塊世代がいわゆる大量に退職する時代を迎えようとしております。数字を見てみますと、これから十年後になりますと、六十五歳以上の人口が、比率がずっと上がってきて、いわゆる生産人口の比率がどんどん下がってまいります。ですから、私は、これから団塊世代が大量退職をするに当たって、元気な人には、六十歳になろうが、六十五歳になろうが、七十歳になろうが、七十五歳になろうが大いに働いてもらおうじゃないか。逆に言えば、そうしないと若い世代の負担が大変大きくなる。年金についてはまた改めて議論をする機会があるかもしれませんが、高所得の高齢者の人には年金給付は遠慮してもらう、そして、ある水準以下の人だけに年金給付をするという形で、同世代の中での助け合いをする、そういうことも必要じゃないか。非常に高い収入の人は、場合によったら九十になっても年金掛金を払ってもらうこともあっていいんじゃないか。つまりは、リスクの分散という考え方に年金制度も変えなきゃいけないんじゃないか、このように思っております。
 その前提として、高齢者、つまり、何歳だからあなたは定年ですよという今のあり方を変えていく必要があるんじゃないか。既にアメリカには、雇用における年齢差別禁止法というものがたしか一九六七年にできておりまして、少なくとも、年齢だけを理由に雇用の差別をしてはいけないという法律があります。まずそのこと。実は民主党はこれまで二度法案を出しておりますが、残念ながら、与党の皆さんが、自民党、公明党を含めて賛成をしていただけなかったので、廃案になっております。
 あわせて、高齢者になれば、いわゆる正規雇用でなくていい、パート労働であっていい。しかし、パート労働であっても、これは若い人も女性もそうですが、正規雇用、常雇いの人とパートの人も、一時間当たり同じ仕事をしている場合は一時間当たりの単価は均等の待遇をすべきだ、同一労働同一賃金。
 この二つを組み合わせて、つまりは、団塊世代の大量退職〇七年を前にして、雇用における年齢差別禁止法と、そして高齢者はいわゆるパート労働で、できれば若い人は正規雇用になることも含めて、そういうことを誘導することも含めて、しかし同時に、同じ労働に対しては同じ賃金を払う、そういう同一労働同一賃金の均等待遇法、これも民主党は過去に既に出しております
 この二つをこれからの労働の新しいあり方として実現すべきだと思いますが、総理の見解を伺いたいと思います。

○菅(直)委員 最後に少しだけ一致点があったようですが、実は、小泉総理が言われた労働形態の多様化ということよりも、もうちょっと本質的なんですよね。
 つまりは、戦前に五十五歳定年制が生まれたときの平均寿命は大体五十歳です。ですから、平均寿命より五年後まで元気で働けた方が五十五で退職した後は、本当にもう余生という思いで十分だったと思うんです。しかし、今、男性でも八十近くですよね。たとえ六十で退職してもあと二十年、六十五で退職しても十五年の平均の余命があるわけです。つまりは、人間がその十五年、二十年を人間らしく生きて、そしてあの世に行くことができるか、つまり、究極的には人間の尊厳にかかわる問題だと思っております。
 ですから、どうも、私も役所の説明を聞きますと、一生懸命、今、退職年齢を延ばしているんだという発想なんですね。私は、そうではなくて、六十五に限らない、七十五になっても、場合によっては、例えばあの有名な日野原先生ですか、九十歳になってもお医者さんを続けられている。定年という形である年齢で一度退職しなきゃいけない、一たん退職するとなかなか戻れないというのが現状ですから、そういう年齢差別を禁止するという法律をきちんとつくって、そういう新しい社会モデルをつくろうというのが提案でありまして、単純に労働の多様化といったような目先のことで申し上げているのではない。
 また、若者の場合も、団塊ジュニアという世代が、だんだんと非正規雇用がふえて、結局、親のところにいて、結婚すると生活水準が下がるから晩婚化が進んでいるという形態も報告をされております。
 ですから、若い人たちにとっても、そうしたフリーターとかあるいは晩婚といった問題の、これだけで解決できるわけじゃありませんけれども、フリーターであっても将来が展望できるんだと言えるような、そういう同一労働同一賃金、新しい社会モデルをつくるという意味で提案をしたんだということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。

→野党時代の主張はどうなりました?