北朝鮮の後継体制についての韓国とロシアの専門家の意見 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

北朝鮮の後継体制についての韓国とロシアの専門家の意見

秘書です。

北朝鮮の後継体制についての韓国とロシアの専門家の意見をみておきましょう。



<金総書記死去>今後の情勢は? 韓国の北朝鮮専門家が分析
2011/12/19 16:13 聯合ニュース
http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2011/12/19/0300000000AJP20111219003500882.HTML

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去により、北朝鮮の指導体制や南北関係、北東アジア情勢などが急変するとみられる。聯合ニュースの取材に対し、韓国の北朝鮮専門家らが金総書記死去が与える影響や今後の見通しについて語った。


▼西江大学政治外交学科の金英秀(キム・ヨンス)教授

 準備していた状況なので、衝撃は予想外に弱い可能性がある。後継者の三男、正恩(ジョンウン)氏は絶対権力の支持を受けており、弱い権力ではない。正恩氏の登場から1年数カ月しか経っていないが、(勢力は)強固だとみている。金総書記の死から48時間後に死去した事実を落ち着いて発表したことなどを見れば分かる。

 北朝鮮体制が短期間で不安定になる可能性は高くない。当分は金総書記の業績をたたえることに集中するとみられる。問題は金総書記の死去から1年になる来年の今ごろだ。

 2013年から正恩氏の統治体制が本格的に稼働する。その時に北朝鮮体制の動揺が感じられると思う。今後、正恩氏と金総書記の実妹・金敬姫(キム・ギョンヒ)党軽工業部長と夫の張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長の「ロイヤルファミリー」が権力の行方を左右するとみる。

 北朝鮮体制は萎縮している。このような状況で戦闘・戦争、余計な実験はしないと思う。むしろ、金総書記の死亡により、南北関係で発生しかねない突発事態が大きく減ると思う。来年に総選挙と大統領選挙を控え、北朝鮮を刺激しない限り、日常的な南北関係が維持されるだろう。

▼高麗大学北朝鮮学科の柳浩烈(ユ・ホヨル)教授

 今回の状況を北朝鮮の崩壊とみなし、脅威を与えることがあれば、何が起きるか分からない。われわれとしては北朝鮮がどのような状況にあっても、安定するまで待たなければならない。北朝鮮の後継体制や政治が南北対話ができる段階に到達するまでは時間が必要だ。北朝鮮の権力構造が安定すれば、南北関係は良くなる可能性がある。

 正恩氏は制度的に軍事委員長を受け継ぎ、統率できるポストに就いている。正恩氏が軍権を受け継ぎ、党総秘書のポストを「推戴」の形で確保すれば、後継者になる可能性が高い。金敬姫氏と張成沢氏が後見グループになり、党中央軍事委員会が非常態勢を構築すれば、中国側が軍事的な安全保障と経済支援を迅速に行うと思う。

 中国の役割がこれまで以上に重要になるだろう。韓国政府が今回の状況を北朝鮮の崩壊とみなし、北朝鮮に脅威を与えると、中国が(北朝鮮に)さらなる保障を提供する可能性が大きい。

▼統一研究院のパク・ヒョンジュン専任研究委員

 金総書記の死去は「現地視察時の過労死」という神話的な要素を持っている。今は南北情勢、米朝関係がそれなりに安定的な時期だ。また、金総書記の死亡に対しては、2~3年間準備したため一層、後継体制の枠が固まった。金総書記はな亡くなったが、全体的に安定要素があり、ショックは大きくないと思う。

 ただ、金総書記の死に対する北朝鮮住民の反応が気になる。これは中長期的に表れると思う。北朝鮮は経済的に困窮している。一般住民が受ける心理的な衝撃を見守らなければならない。

 北朝鮮は金日成(キム・イルソン)主席の死亡時、韓国政府が全軍非常警戒態勢に突入したことを非難した。今回もそうする可能性がある。韓国政府の方針表明が重要だ。

kimchiboxs@yna.co.kr


金正日氏死後の北朝鮮情勢  露専門家の見解
ロシアの声 イーゴリ デニソフ 19.12.2011, 13:44
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/19/62482867.html

 朝鮮民主主義人民共和国の指導者金正日(キム・ジョンイル)氏が亡くなった。69歳だった。朝鮮中央TVが19日伝えた。 また同じく19日、金正日氏の「偉大な継承者であり領導者」として、三男の金正恩(キム・ジョンウン)氏の名前が正式に挙げられた。
 専門家の大部分は、北朝鮮国内で権力闘争が起こり状況が不安定になるような事はまずないと見ている。 金正日氏は晩年、後継者に権力を移譲するための一定の保証を創り出していた。 死去を伝える公式発表の中では、金正日氏は「朝鮮革命の前衛に立ち、我が党の傑出した指導者だった」と述べられている。

 VOR記者は、ロシア科学アカデミー極東研究所のセルゲイ・リャザーニン副所長に、金正日氏死去後の北朝鮮について意見を聞いた―

  「『中間的』な指導部が形成されるだろう。 このシナリオは、後継者がまだ若年で経験がない事から、国内に事実上の集団指導体制が作られるという事だ。 現実的な権力は、軍部エリートの一部のグループに属すだろう。決定を下す中心は、国防委員会となるが、指導者は入れ替わるだろう。北朝鮮において軍の役割は、疑いなく強まる。」

 金正恩氏がどれくらい早く権力機関を結束させ掌握できるか、今論じるのは難しい。それは、対外的要因も含めた、多くの事に左右される。金正日氏の晩年接触した中国指導部の代表達は、はっきりと、北朝鮮国内での経済改革実施の必要性を示唆してきた。

 ここで再びリャザーニン副所長の見解を御紹介したい―

 「北朝鮮エリートの刷新と共に、中国式の改革実施の可能性が高まる。 中国モデルは、深刻な政治的変化を要求せず、『北朝鮮独自の社会主義』の精神の中でチュチェ思想を今後変容させる必要もない。 そうなれば何倍も増加すると見られる中国からの援助により、北朝鮮は、政治的な忠誠と中国の対外路線へのより厳しい追随と引き換えに、経済問題の一部を解決できるだろう。 しかし時がたつにつれて中国政府は、北朝鮮に対して、『中国の核の傘』に入る代わりに核プログラム放棄を求める可能性がある。 そうしたバリエーションを受け入れれば、北朝鮮は法律上で自分達の体制を守り、国が破産に最終的かつ後戻りのできない形で陥るのを事実上避ける事ができる。」

  またロシアを代表するコリア問題専門家で個人的に金正日氏とあった経験のある、ゲオルギイ・トロラヤ氏も「北朝鮮における権力交代の時期は複雑かつ困難なものとなるが、比較的落ち着いたものだろう」とするリャザーニン所長の意見に同意し、次のように述べている―

 「およそ一年の間に、何らかの新しいシステムが出来上がるだろう。 まず所謂『いくつかの鍵となるシステム』が活動する。 つまり、金正日氏夫人の兄弟であるチャン・ソンテク氏と金氏の唯一の妹キム・ギョンヒ氏に支えられながら、金正恩氏が決定を下すだろうという事だ。 北朝鮮国内で権力争いが始まるとは思っていない。なぜなら北朝鮮指導部には、これほど急とは予想してはいなかっただろうが、今回のような出来事に対する用意ができていたからだ。」


露専門家 金正日死後は集団指導体制
ロシアの声 19.12.2011, 12:23
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/19/62476715.html

朝鮮民主主義人民共和国の指導者金正日氏死去後、一定の期間は、集団指導体制が取られるだろうが、国内での権力闘争は、まず起こらないだろう。ロシア科学アカデミー経済研究所コリア・プログラムの責任者ゲオルギイ・トロラヤ氏は、リア・ノーヴォスチ通信のインタビューにこのように述べた。
 北朝鮮のマスコミは「継承者であり領導者」つまり後継者として故人の三男の金正恩氏の名を挙げている。 トロラヤ氏は「北朝鮮指導部にとって金正日氏の死はショックとなったが、すでに数ヶ月の間に、正恩氏は一定の地位を国内で得ていた」とし、中国の専門家の意見に同意して次のように続けた―

 「新しいリーダーを長とする北朝鮮の国内権力の新たなシステムは、一年以内に構築される。

 北朝鮮の核プログラムに関する6カ国協議の今後について言えば、ここ数週間の間に6カ国の間で始まった肯定的プロセスが今後も続いてゆくよう期待する。 しかし恐らく、韓国と米国は、北朝鮮に圧力を加えるだろう。 ロシアの課題は、北朝鮮指導部の交代にもかかわらず、又北朝鮮国内の現状にもかかわらず、外交的プロセスを促してゆく事だ。」


北朝鮮の新政権 外交が硬直化する可能性あり
ロシアの声19.12.2011, 11:13
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/19/62471561.html
韓国紙「朝鮮日報」は19日、北朝鮮の新しい政権は、国内情勢を安定させるために、外交政策をより硬直化させる可能性があると指摘した。これより先、韓国の専門家らは、金正日氏が突然死亡した場合には、軍人らと側近らによって政権が握られる可能性を指摘していた。
 特に金正恩氏が政権についた場合には、金正日氏の妹である金敬姫(キム・ヘンヒ)とその夫である張成沢(チャン・ソンテク)氏がサポートに当たると見られており、実際、2008年、金正日氏が心臓発作を起こした際には、その2人が政務に当たっていた。