来年3月に、海洋に汚染処理水を放出? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

来年3月に、海洋に汚染処理水を放出?

秘書です。

海洋に汚染処理水を放出?

処理水といいますが、どこまで安全なのか?

循環注水冷却方式は大丈夫ですかと根本的に問いなおすべきときでは?

これは、水に流す、海に流すではすまされないでしょう。国際問題に発展するリスクは?


東電:来年3月に汚染処理水を海洋に放出する可能性を検討
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LVV5JV6K50Y001.html
12月8日(ブルームバーグ):東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は8日の記者会見で、来年3月にも福島第一原子力発電所の高濃度放射能汚染水を処理した後の水を海洋に放出する可能性を検討していることを明らかにした。
 松本氏は、「処理水が必要以上にたまり、敷地内のタンクの増設にも限界がある」と説明し、5日に地元漁協に提示したことを明らかにした。同氏は「レベルを十分に下げた上で放出することを検討している」と述べた。

汚染水 海に放出しないよう抗議
12月8日 12時15分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111208/t10014491721000.html

全漁連=全国漁業協同組合連合会の服部郁弘会長は、福島第一原子力発電所の処理済みの汚染水を貯蔵するタンクが満杯になって海に放出された場合、漁業に深刻な影響が出かねないとして、東京電力の西澤社長と会談し、海に放出しないよう抗議しました。

全漁連によりますと、東京電力は、福島第一原発の処理済みの汚染水を貯蔵するタンクが今後、満杯になった場合、処理済みの汚染水を海に放出する可能性があることを5日、伝えてきたということです。これを受けて、全漁連の服部会長は8日、東京電力の西澤社長と会談し、「原発事故によって窮地に追い込まれている漁業者の思いを重く受け止め、海への放出を計画から削除するとともに、抜本的な対策を示すことを強く求める」と述べて、処理済みの汚染水を海に放出しないよう抗議しました。これに対して、西澤社長は「必要な対策や情報提供をしっかりやっていきたい」と述べましたが、具体的な対応については明確に答えませんでした。東京電力によりますと、処理済みの汚染水を貯蔵するタンクを増設しない場合、来年3月には満杯になるということです。抗議をした全漁連の服部会長は「国の基準値以下であっても放射性物質が出れば水産物の消費は止まってしまう。東京電力は今後、絶対汚染水を海に流さないという気持ちで取り組んでほしい」と述べました。東京電力によりますと、海への放出を検討しているのは、建屋の地下にたまった汚染水を処理して、放射性物質を取り除いたあとの水です。これまでに18万トン余りを処理して原子炉の冷却に再利用していますが、必要以上の水があるため、現在は構内にタンクを設置して保管しており、このうちの9万6000トン余りが放出の対象になるということです。このままでは、タンクは来年3月上旬ころまでに満杯になるということです。東京電力の松本純一本部長代理は「タンクの増設を進めているが、将来的に限界があるので、海への放出を検討している。放射性物質については、すべてを基準以下に処理したうえで放出する計画だが、きょう、全漁連からいただいた意見を踏まえたうえで今後の取り組みを検討したい」と話しています。

→やはり、循環冷却方式が根本的に間違っていたのでは?

電気新聞「時評」福島第一原子力発電所~高濃度冷却水~ 平成23年5月18日
日本原子力技術協会最高顧問
石川 迪夫
http://www.gengikyo.jp/news/20110518.html

前報で炉心状況の推定と放射能の環境放出問題について述べたが、今回は頭の痛い高濃度汚染水の話だ。溶融炉心が吐き続けるガス(放射性物質)が冷やされて周辺の冷却水に混入し、今もその濃度を高め続けている。

その濃度だが、日本原子力の草分け、原研OBが集まっての(福島)原発対策検討グループの検討結果では、破損した3基の原子炉が持つ放射能の総量は、古い単位で恐縮だが、コバルト60に換算して約十数億キュリーと推定している。その僅か1%が混入したとして、冷却水が持つ放射能量は1千万キュリーにもなる。これはとんでもない恐ろしい量なのだ。

コバルト60は、照射線源として広く使われている。大体が1~5万キュリー程度の大きさだが、厚さ1.5メートルほどのコンクリート壁で囲まれた室内で取り扱われている。昔の放射線教育は、1キュリーのコバルト60が出す放射線の強さは、1メートル離れた距離で約1レントゲンと教えた。覚えやすく、放射能を感覚的に把握できる。

人は、短時間に700レム(700レントゲンの放射線量下で1時間)の放射線を浴びればほぼ確実に死ぬ。その約10分の1の50レムでは体調に変化を覚えるが、10レム以下では健康上の被害はないと教わった。荒っぽい話だが、その半分5レム程度を目安に、測定放射線量から作業時間を割り出して、昔は突撃した。

だが、1千万キュリーとなると、それはもう、感覚外だ。10円(10キュリー)を遣り繰りしている貧乏人に、1千万円を都合せよと言うに等しい。さすがの原研第一世代も、この大量の汚染水を循環させて安定冷却に導くことに二の足を踏む。

炉心を冷却する設備が作れたとして、その遮蔽をどうするのか。余程しっかり作らないと被曝が問題となる。一度汚染水が通れば、配管の線量は高くなり、人が接近できないから失敗は許されない。

加えて困った問題が、腐食だ。これまで約2週間にわたって海水を注入した。その量は蒸発量から逆算して、1基当たり約3千~4千トン程にもなろう。それに含まれた塩類の総量は1基当たり約100トンにもなる。

これは燃料と等量の塩が炉心に混在していることを意味する。この大量の塩が炉心にどう作用し、どのような性状の物体を作っているのか、僕には見当がつかない。

原研OBは、塩による配管や設備の腐食進行を心配する。原子力発電所で使われるステンレス鋼などの高級材料は塩素によって腐食し、応力腐食割れと呼ばれるひび割れを材料内部に作る。海水のにがりは、割れを更に加速するという。

冷却中の設備に割れが入れば何が起こるか、言を待たない。それだけではない。現存設備に腐食が生じれば、高汚染水が外部に漏れ出す恐れすらある。

以上の指摘は正しいであろう。大いに参考とすべきだ。だが指摘に頭を抱えるだけでは、過日発表された工程表、溶融炉心を安定冷却に導く工作は実行不能となり、放射能の放出は止まらない。諦めてはいけない。指摘には、実態が分からないままの推測が混じるからだ。

目標に従って、炉心と汚染水の実態を先ず確かめよう。その把握のための作業場、橋頭堡を原子炉建屋に構築して、内外の知恵を集めよう。遅かりし恨みはあるが、この活動が現地でいま始まり出した。

実態さえ掴めれば、解決策は必ず立つ。それを国際協力の下に実施すれば、原子力災害への備えが世界的で進む。世界はそれを望んでいる。日本の出方を見ている。その期待に応えることが、福島を応援してくれる世界への使命であり、日本の原子力の将来に繋がると、僕は思う。


2011-09-09 17:31:00
「地下ダム(遮水壁)」の建設を進めるべきだ
テーマ:秘書ひしょ
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-11012643029.html

秘書です。
毎日新聞インタビューに掲載された京都大原子炉実験所・小出裕章助教のお話を学習しましょう。

福島第1原発:京都大原子炉実験所・小出裕章助教に聞く
毎日新聞 2011年9月9日 2時32分(最終更新 9月9日 2時45分)

(以下、抜粋)

「炉心に水がなければメルトダウンは避けられないし、圧力容器の底も抜け、溶けた燃料の溶融体が格納容器を損傷する可能性もある。その場合、溶融体が原子炉建屋の床を突き破って地面に潜り込んでいる事態もありうる。海洋や地下水に放射性物質が拡散しているかもしれない。溶融体が地下水に接触しないよう「地下ダム(遮水壁)」の建設を進めるべきだ。東電の試算によると1000億円レベルの費用がかかるため、株主総会前には建設を表明できないとして、発表を一時取りやめた経緯があった。本来は一刻も早く着手すべきだった。」

「1号機のように燃料が格納容器の底に沈み込んでいるなら、水を注入しても同じではないか。東電のデータが正しいなら、1号機に関する限り、水を入れることはあまり意味がない。むしろ遮水壁を作る方に力点を移すべきだ。2、3号機についてはまだ燃料が溶け落ちていないことも考えられるので、水を送り続けなければならない。それよりも、放射性汚染水が11万立方メートルもたまっている現状を重視すべきだ。」 

「4月に2号機の取水口付近のコンクリートの穴から汚染水が海に漏れているのが見つかった。あの場所だけから漏れていることはあり得ない。原発施設はコンクリートで覆われており、地震や津波でいたる所が割れていると考えられる。壊れないコンクリートなどあり得ない。2号機取水口の漏れは、たまたま見える場所にあったから見つかっただけで、氷山の一角だ。地下などでは亀裂からどんどん地下水へ漏れている可能性がある。「あと何センチであふれる」という視点ではなく、「今の漏れを何とかしなければいけない」という議論をすべきだ。 

「「冷温停止」という言葉は専門用語だが、「圧力容器の中の健全な核燃料を100度未満にする」という意味だ。でも、今は炉心が溶け、圧力容器の底が抜けていると東電自身が言っている。それなら「冷温停止」も何もないのではないか。工程表が発表された4月、東電は「炉心は(健全な状態に)ある」と言っていた。そんな前提が崩れてしまっている以上、「冷温停止を目指す」目標にどんな意味があるのか教えてほしい。」

「少しでも危険だと受け取られる情報は隠すべし、というのが国の姿勢。国が恐れているのはパニックであり、住民の安全は二の次だということが今回の事故ではっきりした。国など組織の前で個人が無力になるのは、第二次世界大戦中もそうだった。今は本当に「戦争」のような事態だ。」

「事故調は「個人の責任を追求しない」と表明しているが、事実関係を明らかにするだけでなく、責任を明確にすべきだ。」

「メルトダウンした燃料をどうやったら回収できるのか、私には想像すらできない。米スリーマイル島原発事故(79年)では、燃料が圧力容器にとどまっていたため何とか回収できた。これだけでもずいぶん大変だった。しかし、福島の場合は核燃料が地面にまで潜り込んでいる可能性があり、回収には10年、20年単位の時間が必要だろう。私たちは人類史上、遭遇したことがない事態を迎えている。」