消費増税:「社会保障支出等の増加」2.2兆円のうち1.3兆円は社会保障以外 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

消費増税:「社会保障支出等の増加」2.2兆円のうち1.3兆円は社会保障以外

秘書です。

政府の文書に「等」がはいったときには、気をつけましょう。

「社会保障支出の増加」(約2.2兆円)に、地方自治体の支出に7千億円、公共事業費に2千億円、防衛費と文教・科学技術振興費に1千億円ずつ、その他の経費に2千億円程度が含まれていました。



消費増税の1割、社会保障以外に想定 政権、民主に資料
2011年12月8日1時3分 朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/1208/TKY201112070765.html

 野田政権が「税と社会保障の一体改革」で進める消費増税で、税率5%の増税分(約13兆円)の1割に当たる約1.3兆円を、社会保障以外の分野で使うと想定していることがわかった。税率引き上げに伴い、国・地方でさまざまな支出が増える分に充当する方針だ。政権は「増税分はすべて社会保障に使われる」として国民の理解を求めてきたが、説明の不十分さが問われそうだ。

 民主党政権が6月に大枠をまとめた一体改革では、5%の増税分を、(1)社会保障の充実策(2)基礎年金の財源(3)高齢化に伴う社会保障費の自然増(4)現行制度の機能維持(社会保障関連の財政赤字の穴埋め)(5)消費税引き上げに伴う社会保障支出等の増加――の5分野で1%分ずつ使うことをうたっている。

 このうち「社会保障支出等の増加」(約2.2兆円)について、民主党の一体改革調査会が政府に詳しい説明を要請。政府側が示した資料には、社会保障の支出増に使われるのは9千億円程度にとどまり、残りは地方自治体の支出に7千億円、公共事業費に2千億円、防衛費と文教・科学技術振興費に1千億円ずつ、その他の経費に2千億円程度が配分されることが記されている

→これって、「社会保障・税一体改革成案」(平成23年6月30日政府・与党社会保障改革検討本部決定)に違反?
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kinkyukoyou/suisinteam/PSSdai8/siryou2_4.pdf

「成案」の9ページにこう書いてあります。

(2) 消費税収の使途の明確化
消費税収(国・地方、現行分の地方消費税を除く)については、全て国民に還元し、官の肥大化には使わない※2こととし、消費税を原則として社会保障の目的税とすることを法律上、会計上も明確にすることを含め、区分経理を徹底する等、その使途を明確化する(消費税収の社会保障財源化)。
さらに、将来的には、社会保障給付にかかる公費全体について、消費税収(国・地方)を主たる財源として安定財源を確保することによって、社会保障制度の一層の安定・強化につなげていく。


※2有識者検討会報告において引用されている「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラム」(平成20 年12 月24 日閣議決定)参照

「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラム」(平成20 年12 月24 日閣議決定)
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2008/1224tyuuki.pdf

経済状況の好転後に実施する税制抜本改革の3原則

原則1.多年度にわたる増減税を法律において一体的に決定し、それぞれの実施時期を明示しつつ、段階的に実行する。
原則2.潜在成長率の発揮が見込まれる段階に達しているかなどを判断基準とし、予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとする。
原則3.消費税収は、確立・制度化した社会保障の費用に充てることにより、すべて国民に還元し、官の肥大化には使わない。

(2) 消費税収が充てられる社会保障の費用は、その他の予算とは厳密に区分経理し、予算・決算において消費税収と社会保障費用の対応関係を明示する。具体的には、消費税の全税収を確立・制度化した
年金、医療及び介護の社会保障給付及び少子化対策の費用に充てることにより、消費税収はすべて国民に還元し、官の肥大化には使わない。

→社会保障にしかつかわないとは書いていませんね。官の肥大化には使わないといっているだけで。全税収を社会保障にあてるのは制度が確立したのち、ということで。