2%以上成長する力があるのに日銀が潜在成長率0%台などと過小評価しているのでは? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

2%以上成長する力があるのに日銀が潜在成長率0%台などと過小評価しているのでは?

秘書です。
日銀総裁いわく、

「極めて緩和的な金融状況が実体経済に十分波及していない」


それは、日本の予想実質金利(日本の名目金利―日本の予想インフレ率)が高すぎるからなのでは?
そして米国の予想実質金利(米国の名目金利ー米国の予想インフレ率)よりも高いことが円高要因なのでは?


長めの金利などに働きかけ為替に影響出る政策行っている=白川日銀総裁
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-24391420111129
 [東京 29日 ロイター] 白川方明日銀総裁は29日午前の参議院財政金融委員会に出席し、日銀は短期金利がゼロに近い水準にあるため長めの金利やリスクプレミアムに働きかけ為替にも影響の出る政策を行っていると述べた。
 白川総裁は「極めて緩和的な金融状況が実体経済に十分波及していない」と指摘。日銀は「緩和的状況つくることで最大限貢献する」と強調した。将来の成長力が課題、とし、「物価上昇には経済の底力を上げていくことが重要」、「実質成長率の引き上げを伴わない物価上昇は歳入と歳出の双方を増やす」と指摘した。自民党の西田昌司委員への答弁。

→為替に責任もつ覚悟はあるのか?為替にも「影響」ということは責任をとるつもりはなさそうですね。そして、金融緩和についても「最大限貢献」と。わたしたちはできる限りのことをしているができることには限界が有って責任の所在は日銀ではない。責任はないが貢献はしているということですね。緩和的環境なのに投資しない経済界の責任にされていますが、なぜこのような発言が許容されるのでしょうか?

2001年度から2010年度までの実質成長率とGDPデフレーターをみてみましょう。(カッコ内がGDPデフレーター)


2001年度=-0.8%(-1.3)
2002年度=1.1%(-1.8)
2003年度=2.1%(-1.3)
2004年度=2%(-1)
2005年度=2.3%(-1.3)
2006年度=2.3%(-0.7)
2007年度=1.8%(-0.9)
2008年度=-4.1%(-0.5)
2009年度=-2.4%(-1.3)
2010年度=2.4%(-1.9)

日本経済は実質2%以上の成長を続けてもインフレにならなかったということは、2%以上成長する力があるのではないですか。ところが、日銀が潜在成長率0%台などと過小評価して、金融政策を運営していることがデフレを克服できない根本原因ではないですか?

2006年度、2007年度でGDPデフレーターがマイナスなのに、日銀がバブルをフォワードルッキングに予測してあまりにも早すぎる政策転換し、結果的に本来は2%以上の潜在成長率を持つ日本経済の底力を発揮させないようにしている原因ではないですか?世界がリーマンショックに入るまえに景気の山を迎えた責任は日銀にあるのではないですか。

何がなんでも、日本の製造業の工場を海外に移転させようとする意図は何でしょうか?

一度、日本の予想実質金利を低くする政策をやってみませんか?



日本経団連・21 世紀政策研究所プロジェクト
“IT 革新による日本の産業への影響”
-日本経済の3%成長実現への政策提言-
(要約版)
Dr. Yuzo Kumasaka (ITeconomy Advisors, Inc. 代表取締役) (主査)
Prof. Lawrence R. Klein (ローレンス・R・クライン ペンシルバニアベンジャミンフランクリン教授)
Prof. Gerard F. Adams (ペンシルバニア名誉教授、ノースイースタンマクドナルド教授)
http://www.21ppi.org/activity/symposium/081006_01.html

潜在成長率の考え方

「潜在成長率というと実際の経済成長がそれ以上成長できないと捉える人々が多い。潜在
成長率を直接に推定することは実際には不可能であり、何らかの統計的手法において間接
的にある一定の幅をもって潜在成長率を想定をするだけである。一つは労働市場における
自然失業率という考え方であり、ある一定の失業率をある一定期間実際の失業率が下回る
るとインフレが加速し始めるとき、その失業率を自然失業率として経済の潜在成長率を考
えることができる。もう一つは現実の経済成長率がある一定の経済成長率をある期間超え
ることでインフレが加速し始めるとき、その経済成長率を潜在成長率として考える。すな
わち、少なくとも5 年単位において考える経済成長率の幅であり、例えば昨年の日本の潜
在成長率が1.24%で今年は1.38%に上昇とかいうものではない。また、1.5%から2.0%へと
潜在成長率が上昇したというものでもない。米国の例をあげれば、1990-1995 年における
潜在成長率は2%-2.5%であり、1995 年以降にはIT 革新による労働生産性のトレンドから
3%-4%にまで上昇したという捉え方である。それ故、米国の経済成長率がインフレの加速
を伴わずに一時的に例えば1,2 四半期間4%を超えることは十分にありえることである。
すなわち、日本の潜在成長率も3%-4%になるということは、日本経済の4%以上の成長が不
可能というのではなく、3%-4%を超える成長率を日本経済がある一定期間続けるとインフ
レが加速し始めるという考え方である。例えば、IT 革新が日本経済によって効率的に進
むようになることによって米国に10 年遅れた2005 年以降に潜在成長率がそれ以前の
1.5%-2%から3%-4%にまで変化したというような考え方である。」


マクロ、各産業の総合判断

マクロ的にみても日本が3%~4%の経済成長を達成することが可能なことが理解できる。すくなくとも、経済政策者が日本の潜在成長率を1.5%~2.0%と低く想定し、経済政策を考えていることが間違っていることを指摘できる。」