内閣支持率が落ちると同時に野党第一党の支持率も落ちている(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

内閣支持率が落ちると同時に野党第一党の支持率も落ちている(中川秀直)

時事通信の11月の世論調査で、野田政権の発足以来2カ月余りで、初めて内閣支持率を不支持率が逆転した。野田首相の「安全運転」は、実は「危険な運転」だと民意が受け止め始めているのだろう。

TPP交渉参加、復興増税いずれも民意の過半数が支持し、消費増税も43%の支持があるのに、何故、内閣支持率が40%を割り込み、不支持率が支持率を逆転したのか。野田首相の「安全運転」に、民意が疑念を持ったからである。

野田首相は、TPP交渉参加、復興増税、消費増税という国民生活にかかわる重要問題について、真正面に国民に向かって熱く、自らの言葉でその信念を語ったことがないからである。

野田首相の「安全運転」とは実は「官僚主導の運転」であり、国民のための「安全運転」ではなく、民主党が権力の座に居続ける政権維持のための「安全運転」にみえているからである。

野田首相は、TPP交渉参加、復興増税、消費増税について、誠心誠意、国民に自らの信念を語り、信を問うべきである。解散・総選挙なしにこれだけの重要課題の合意形成は不可能であろう。

自民党はどうするのか。TPP交渉参加、復興増税、消費増税について、賛成か、反対か。解散・総選挙に追い込むためには、自民党政権ならば日本をどうするのか、鮮明に打ち出さなければならない。国益と国民生活を守れるのは自民党しかないということを鮮明に打ち出すことが求められている。しかし、その求めに自民党は十分に応じていない。

内閣支持率が落ちると同時に野党第一党の支持率も落ちているということが、民主党の危機感を殺いでいる可能性がある。自民党は野党第一党の使命を十分に果たしていないことを猛省しなければならない。

(11月18日記)


(参考)東京新聞の時事通信の面接方式による10~13日調査の全国世論調査の結果



「時事通信社が10~13日実施した11月の世論調査によると、野田内閣の支持率は前月比6・7ポイント減の35・5%に低下した。一方、不支持率は同9・2ポイント増の36・0%となり、政権発足後2カ月余りで支持と不支持が初めて逆転した。環太平洋連携協定(TPP)交渉への対応をめぐる政府・民主党内の混乱などが影響したとみられる。



自民、公明両党は、2011年度第3次補正予算案の成立後は野田政権への対決姿勢を強める構え。野田佳彦首相は、来年の通常国会に提出する方針の消費増税準備法案に関する与党内調整も控え、厳しい政権運営を迫られそうだ。



調査は全国の成人男女2000人を対象に、個別面接方式で実施。有効回収率は64・0%だった。野田内閣を支持する理由(複数回答)は、多い順に『他に適当な人がいない』13・8%、『首相を信頼する』11・0%、『印象が良い』9・5%。支持しない理由は『期待が持てない』20・8%が最多で、『リーダーシップがない』12・5%、『政策が駄目』11・7%と続いた。



政党支持率は、自民党12・8%と民主党12・6%が拮抗したものの、前月比では民主党が0・5ポイントの微増だったのに対し、自民党は2・6ポイント減。自民党の支持率は10年1月の13・1%を下回り、09年9月の政権交代後最低に落ち込んだ。他の政党は公明党2・5%、みんなの党1・5%、共産党1・4%、社民党1・1%、国民新党0・2%、たちあがれ日本0・1%。支持政党なしは66・4%だった。



時事通信社が10~13日に実施した11月の世論調査によると、野田佳彦首相が交渉参加の方針を表明した環太平洋連携協定(TPP)について、52・7%が『日本も交渉参加すべきだ』と答えた。『交渉参加すべきでない』は28・8%にとどまり、『分からない』は18・5%だった。交渉参加への賛否を支持政党別にみると、民主党支持者は賛成65・2%、反対24・8%。自民党支持者は賛成51・8%、反対32・9%だった。全体の3分の2を占める『支持政党なし』でも賛成が51・6%半数を上回り、反対は27・6%だった。



一方、社会保障財源のための消費税率の引き上げに関しては、反対が過半数の50・7%で、賛成は43・5%だった。東日本大震災の復興財源を確保するための増税は51・4%が賛成、42・2%が反対だった。調査は全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は64・0%」