産科医が妊娠中から虐待予防を(NHK) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

産科医が妊娠中から虐待予防を(NHK)

秘書です。
虐待予防のためには、妊娠中から母子を支援するという発想が大切。


“産科医が妊娠中から虐待予防を”
11月18日 7時3分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111118/k10014040131000.html
虐待で死亡する子どもの4割は1歳未満の乳児で、虐待を防ぐ役割を担う保健師や小児科の医師の目の届かないケースが多いことが分かり、全国の産婦人科医でつくる日本産婦人科医会は、妊娠中の段階から虐待予防に取り組むためのマニュアルを作りました。

虐待を防ぐ取り組みは、保健師の自宅訪問や子どもがけがで受診する小児科などで行われていますが、国の全国調査で、虐待で死亡した子どもの4割は1歳未満で、中には生まれた病院を出た直後、虐待され、亡くなったケースもありました。このため日本産婦人科医会は、妊娠中の段階から虐待を予防する取り組みを始めることにしました。マニュアルでは、育児の協力者がいるかや、健診をほとんど受けずに出産する未受診妊婦かなど虐待につながるリスクをチェックするリストをつくり、地域の児童相談所と情報を共有するとしています。このマニュアルは今月、全国の産婦人科の医師1万2000人に配られました。マニュアルを作った大阪府立母子保健総合医療センターの光田信明産科部長は「産科医が積極的に関わり、妊娠中から母子を支援することで虐待の早期発見や予防につなげていきたい」と話しています

妊娠等について悩まれている方のための相談援助事業連携マニュアル
公益社団法人日本産婦人科医会
平成23年10月
http://210.249.49.242/news/2011/soudan/manual_2011.pdf

(一部抜粋)

(1)ハイリスク症例かな?と感じた場合に

いわゆるハイリスク症例を発見する機会は、医師による診察時だけではなく、
助産師、看護師、検査技師、ケースワーカー、事務員等とのやり取りの中で発見
されることがある。各病院・診療所に「安心母と子の委員会(仮称)」を設置し、
適切な援助のあり方を探る。この際、目的は虐待事象の「発見」ではなくて「予
防」とし、「確証がないのでなにもできない」といった態度を取らないように心が
ける

「注意すべきサイン」から「ハイリスク症例」と考えられた場合には、それと
なく声をかけることが重要で、信頼関係の構築や話しやすい環境を整備すること
を心掛ける。特に、妊婦がリスクを強く自覚している症例(妊娠を受容できてい
ない、DV 被害、など)では、何を求めているか聞く姿勢・一緒に対応していく姿
勢を示すことが重要である。さらに、悩みを聞いた後に、「言いにくいことをよく
お話ししてくださいました
」などの言葉をかけることを心掛ける。


(2)ハイリスク症例を発見する機会を増やす

① 受診した妊婦の予定日の控えなどから、定期的に妊婦健診に受診されている
か否か、母子健康手帳から母親学級に出席しているか否かなどをチェックする
機会を設ける。
② 妊娠中では、医師による診察のみならず、母親学級、助産師外来、プレママ
クラスなど、できるだけ多くの職種が症例に接する機会を設ける。
③ 分娩室(または手術室で)で母親が子どもに触れる機会を設ける。
④ 子どもが生まれてから早期に自分の子どもの世話ができるように、またその
様子を観察できるように、できうる限り母児同室をすすめる機会を設ける。育
児不安がある場合には入院期間を延長することもできるだけ許容する。
⑤ 出産後退院翌日に母親に電話をしたりするなど、退院後に母親が医療機関に
相談しやすいような環境づくりを心がける。
⑥ 産後一ヵ月健診の前にも医療機関を来院してもらう環境を整備することも考
慮する。

(3)妊産婦(母親)・家族に対する態度

極力、母親に権威的に命令したりしないように、また、絶えず行動をチェック
しているような印象を与えないように、努める。リスクの高い親を「親としての
資格がない」「酷い親である」などと思わず、受容的・愛護的な態度を心がける。
しかしながら、各診療施設で全てを抱え込まず、まずは公的な機関を紹介または
通告し、公正な立場を取る姿勢を明らかにする。その場合には、具体的な窓口や
受診機関の情報を提供するように心掛け、早めの相談を丁寧な物言いですすめる。
「要保護児童対策地域協議会」に連絡する。