為替介入にこだわるのは短資会社に日銀から天下っているからなのか(衆院本会議で柿沢未途議員) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

為替介入にこだわるのは短資会社に日銀から天下っているからなのか(衆院本会議で柿沢未途議員)

秘書です。

衆議院本会議で、柿沢未途議員が日銀が効果のない為替介入にこだわるには、短資会社に日銀から天下りがあるからではないかと追及。なるほど、するどい質問です。

野田首相の答弁如何?

首相は答弁を避け、安住財務相に答弁させ、紙の通り、ご指摘のようなことは一切ありません、と。

下記の記事のように、民主党議員も日銀の短資会社への天下りと金融政策の関係について重要な指摘をしているのに・・・残念。


【激震2010 民主党政権下の日本】日銀OB「天下り」の実態 地銀や短資会社役員に続々「情報とカネ」強い影響力
2010.06.03 ZAKZAK 高橋洋一氏
http://www.zakzak. co.jp/society/politics/news/20100603/plt1006031533002-n2.htm
 5月は普天間問題のように、民主党の体たらくばかりが目立ったが、隠れたいい仕事もある。5月17日、衆院決算・行政監視委員会において、宮崎岳志衆院議員(民主党)が日銀からの「天下り」について質疑を行った。

 「銀行の代表取締役、および短資会社の役員について日銀OBの人数を明らかにされたい」との質問に対し、「地銀68行のうち8行8人で日銀OBが代表取締役を務め、第2地銀42行中では同じく5行4人、短資会社は3社のうち会長2人、社長2人、専務1人、取締役1人、執行役員2人」と日銀は答弁した。短資会社の国内3社については「全社に天下りがおり、しかも代表取締役の8割、取締役の4割近くが日銀OBとは驚きました」と宮崎議員は自らのブログに記している。

 金融機関には、こうした幹部職員ではないが、日銀OBのエコノミストやアナリストも多い。彼らに期待されているのは、日銀からの情報収集だ。金融市場では、誰もが当局の情報をほしい。現在は、インフレ目標等外部からでもわかる目標を日銀は明確にしていないので、金融政策の次の手が読みにくい。このため、日本の金融機関は日銀との人的関係をより求めがちになっている。

 また、今の金融はシステムなくして動かせない。日銀はシステムでも優越的な立場であり、システムと関連の深いシンクタンクに日銀幹部OBが天下りしている。

 さらに、日銀は経済界だけでなく経済学の学会にも影響力がある。霞が関官庁と同じであるが、日銀は金融研究所という自前の組織を持っている。金融研究所研究員として、内外の学者を招聘(しょうへい)する。例えば1年間、個室付きの快適な研究環境が用意される。こうして招聘された学者が日銀内という環境の中で日銀と同じ考え方を持つようになっても不思議ではない。そのような恵まれた一部の学者だけでなく、金融研究所で催される研究会に参加する学者に対しても、日銀はさまざなアプローチを行って、日銀の金融政策への理解を求めている。

 こうした学者の囲い込みは、日銀に限らず霞が関官庁でも同じである。学者へは本体組織だけではなく外郭団体を含めたところからの研究資金が出されることもよくあり、日銀の“御用学者”が形成されている。また、マスコミに対し日銀は「小ネタ」をしばしば提供する。霞が関では記者クラブ制は崩れつつあるが、日銀クラブでは日銀とマスコミの親密関係がまだ続いている。

 このように、日銀は情報とお金によって日本社会に幅広く、強い影響力を行使している官僚組織なのである。

(嘉悦大教授、元内閣参事官・高橋洋一)


衆 - 決算行政監視委員会第一分科会 平成22年05月17日

○宮崎分科員 代表取締役の比率的にはと言いますが、例えば、会長と頭取がいて、その片っ方が日銀であるというようなところが、地銀、第二地銀については全体の一割がそうだということでございます。こういった業界はさすがにちょっと少ないのではないかというふうに私は思いますから、やはりこれは改善が必要であるということは申し上げておきたいと思います。
 次に、短資会社の再就職について伺います。コール市場を運営する短資会社、日銀とまさに表裏一体の存在でありまして、国内に大手の短資会社というのは事実上三社しかない状況でございます。
 では、この短資三社の役員のうち、日銀のOBは何人でしょうか、その方の役職等を含めてお示しをいただきたいと思います。
 また、この関連会社について、代表取締役で結構ですので、何人が日銀のOBであるか、同様にお示しをいただけますでしょうか。

○櫛田参考人 委員御指摘の短資三社でございますけれども、まず、東京短資でございます。東京短資につきましては、常勤役員一名、専務ということでございます。
 セントラル短資につきましては、会長一名、社長一名、それと執行役員が一名の三名でございます。
 上田八木短資につきましては、会長一名、社長一名、取締役一名、執行役員一名ということで、四名でございます。
 その関連会社ということでございましたけれども、セントラル短資の関連会社には二名存在します。上田八木短資の関連会社には一名ということでございます


○宮崎分科員 これは驚くべき数字だというふうに思うんですよね。
 短資会社は三社しか国内にないわけですよ。代表取締役というのは三社に五人しかいないわけですよ。その五人のうち四人が日本銀行のOBであるというようなことです。取締役自体も、これは三社合わせて十六人しかいないわけですよ。その十六人のうち六人が日本銀行のOBである。これはつまり、まさに、ファミリー企業とか関連会社とか子会社ということで言われてもしようがないというふうに私は思います
 関連会社といっても、三社の関連会社ですから二十社程度しかないというふうに思いますが、そのうち三社については代表取締役がやはり日銀のOBである。そしてそれ以外にも、今回の調査の中には入っていないと思いますけれども、専務とかそういうクラスで、役員の方で関連会社に入っている方もいらっしゃる。これでは植民地ではないでしょうかね。
 だから、こういうところについてちょっと改めるというような、少なくとも調査をする、公表をする、そして問題があれば、特に業務と非常に密接な関係がある金融機関それから短資会社等については天下りを自粛する、そういうお気持ちはありませんか。

○櫛田参考人 お答えします。
 日本銀行における再就職の自粛ルールでございますけれども、今委員御指摘の短資会社も当座預金取引先ということでございますけれども、役員や局店長級職員等の当座預金取引先への再就職については制限を課しているところでございます。
 これは、中央銀行としての職務の公正性の確保と職業選択の自由との調和を図る観点から検討した結果、さまざまな取引であるとか考査など、中央銀行の中核的な業務の相手方であります当座預金取引先については、これは短資会社も含まれますけれども、再就職制限を設けることが適当と判断して実施しているものでございます。
 今、短資会社に役員がいっぱいいるではないかという御指摘で、そのとおり、存在するわけでございますけれども、現在日本銀行が持っている再就職の自粛ルールとの兼ね合いで、そのルールは厳格に遵守しながら、その後のOB職員の個々人の識見なり能力等をその会社が求めて現在のような状況になっているというふうに理解をいたしております。
 したがいまして、現在の日本銀行法に基づいて、日本銀行自身、服務に関する規律というのをみずから定めて、今申し上げたような再就職ルールの遵守をしながら、再就職をめぐる世間の疑念というのを晴らすべく努力しているということでございますので、この点については御理解をいただければというふうに思います。

○宮崎分科員 中央銀行、日本銀行にも業務運営についての自主性というものがあるわけです。ですから、内閣とは別に日本銀行がそういう天下りの規制、再就職規制を自分で設けたり、調査、公表したりとかいうことですけれども、それが、内閣がやっているものより相当弱い、緩いというものであれば、これは何のための自主性か、自分たちの利権のための自主性じゃないかと言われても仕方ないんじゃないですか。
 だったら、やはりここは中央銀行の信認を取り戻すためにもより厳しい規制を課して、うちは内閣なんかよりずっとすばらしいことをやっています、こういうふうに言うべきじゃないですか。そこをどう思いますか。

○櫛田参考人 今御説明させていただきましたように、日本銀行の再就職をめぐりましては、先生がおっしゃった、ある種、職務の公正性確保、それはそのとおりでございます。職務の公正性確保というのは非常に大事でございますので、そうした職務の公正性の確保と、一方で職業選択の自由との調和をどう図るか、こういう観点で議論し、ルールをつくってきているということであります。
 その場合に、今先生がおっしゃられた公務員との比較ということで申し上げれば、公務員は、予算でありますとか行政権限を通じまして、それなりにやはり国民に広く影響力を行使し得る立場にある、したがいまして、それを規制することによってそういった疑念を晴らすというのが公務員の考え方かと承知いたしております。
 日本銀行につきましても、金融政策等々で、金融機関等との取引ももちろんございますけれども、個別の金融機関なり、そういったものに直接大きな影響力を行使し得るような権限でありますとか、あるいは日本銀行とのマーケットを通じた取引を通じてその金融機関の存続自体をも左右する、そういった関係があるかというと、ない。そういう実態、状況に照らした上で、今申し上げた職務の公正性確保と職業選択の自由、こういったものの調和をどう図っていくかという観点の中でこれまで議論し、自主ルールを定め、それを厳格に守ることによって国民の疑念を招かないようやっていくという考えでやってきたところであります。
 もちろん、社会状況の変化でありますとか、そういったことを踏まえながら、このバランスというのは長い目でどうとっていくかという議論はあろうかと思いますので、今後とも、日本銀行としても、世間の疑念を招かないよう、どういうあり方が日本銀行として相ふさわしいのか、こういう観点からは引き続き、これまでと同様、きちっと議論し対応してまいりたい、こういうふうに考えております。

○宮崎分科員 疑念を招いている行為があるから申し上げているわけで、別に火のないところに煙が立っているわけではないのではないかということを申し上げたい。
 一つ、例えば短資会社への天下りについては、日銀の金融政策と短資会社の経営はまさに一体の存在でございます。いろいろ会社があるからいいじゃないかといっても、三社しかないところですから、影響力が公務員に比べてないんだというのは言い過ぎな話で、これは巨大な影響力があるわけですよ。
 それで、日本銀行は、速水総裁の時代から今の白川総裁に至るまで、例えば、ゼロ金利は好ましくないという言い方をする際に、短期金融市場の機能が低下するからだという言い方を一貫して言っておられます。そういった理由を挙げて、ゼロ金利の解除等を行ってきたり、量的緩和の解除を行ったりということもしてきたわけです。
 その結果、今振り返れば、これは結果論かもしれませんが、経済政策の運営に失敗をしてデフレの深刻化と長期化を招き、倒産を増加させ、そして失業者をふやし、自殺者を増大させてきた。そういった責任についてはしっかり認識をしてもらわなければ困ります。
 そして、その際に、日銀の金融政策がいわゆる利権や短資会社との関係によって左右されているんじゃないかという疑念がいろいろな方から表明をされているわけであります。短期金融市場の機能が低下するというのは、すなわち、短資市場の短資会社の取引が少なくなるということとほぼイコールであります。
 例えば、皆さんは当然お読みになっていると思いますが、学習院大学の元経済学部長岩田規久男先生が昨年出された「日本銀行は信用できるか」という本があります。講談社現代新書。そこの百十ページにこうあります。「しかし、インターバンク・マネー・マーケットの縮小が日本の金融市場の国際化と健全化にとって、何故マイナスになるのかを、日銀は示したことがない。マイナスになるとしたら、同マーケットの取引を仲介する短資会社の仕事が減ることくらいしか思い浮かばない。しかし短資会社の仕事が減ることが、日本経済や日本の金融市場の国際化と健全化にとってマイナスになる理由は存在しない。それがあえてマイナスになる理由を探せば、日銀から短資会社への天下りが減るということであろう。」。

 経済学部長を務めた岩田先生、日本でも屈指の先生ですが、こういった方がここまではっきり講談社現代新書に書いて言っている。天下りはいいのか、日銀は天下りで左右しているんじゃないのか、これは皮肉ですけれども。しかし、現役の経済学者の中にも、もっと露骨な書き方をされている方はいっぱいいますよ。
 では、グーグルで、短資会社、天下り、この二つの単語を入れて検索してください。一件目から十件目まで全部、日本銀行と出てくるんですよ。やったことありますか。ないですかね。グーグルに短資会社、天下りと入れれば、一件目から十件目まで全部、日銀の天下り業界とか日本銀行からの天下りとか、そんな文章ですよ
 こういった不透明な再就職があることで、皆さんは正しいと思って金融政策を運営していらっしゃるんだと思いますが、それが、実は身内への利権のためにゼロ金利を解除したんじゃないかとか言われているわけでしょう。そうすれば、中央銀行の信頼、ひいては通貨の信認も揺るがすわけですから、これについてはきっぱり縁を切って、これとは関係ありません、うちは正しい認識に基づいて金融政策をやっているんですと断言するべきではないですか。
 もう一度、櫛田参考人、お願いします。

○櫛田参考人 委員の御意見、本当に真摯に受けとめさせていただきます。
 私は総務人事局長という立場ですので、マーケットの機能等について申し上げる立場にはございませんけれども、マーケット機能というのは、ある種、産業の血液である金融の流れをこれもマーケット機能によって資源配分するのと同じように、短期金融市場において金融取引ができなくなりますと、今、リーマン・ショック後の各国が、ある種、中央銀行が直接いろいろな資産を買っているのも、金融機関間できちんと資金が流れなくなる、それを中央銀行が相対で補うというような格好でやっていかないと短期の個々の金融機関間の資金取引が円滑に進まない、これは日本銀行も数年前に非常に経験した同じことでございます。
 そういう意味で、私は今所掌にはございませんが、しかし、短期金融市場の資金取引の円滑化、これ自体は日本経済の再生にとっても非常に大きな役割を果たすことなんだということだけは私の立場からも先生に申し上げさせていただいて私の答弁は終わらせていただきますが、先生が申されたことは真摯に受けとめさせていただきたいというふうに思います。

○宮崎分科員 時間となりましたので、これで最後にいたしますけれども、いずれにしても、私は今、金融政策がいいとか悪いとかの議論はしていませんし、短資マーケットが重要だとか重要でないとかという話はしていません。
 ただ、そこに代表取締役が五人しかいないうちの四人まで日銀だ、十六人しかいない役員のうち六人が日銀だといえば、どんな疑いを招くかというのは想像できそうなものでしょう。それは、日本銀行の信認を失うことであり、ひいては日本の円の信認を失うことであり、そして、日本国民全体の不利益になるんですよ。それを重々考えた上で、きちんとこれは、総裁以下、幹部の皆様にも、役員の皆様にもお伝えをいただきまして、善処をお願い申し上げます
 以上で終わります。