フォルツァ!スーパー・マリオ!イタリアで政治家抜きのテクノクラート内閣発足。注目閣僚は | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

フォルツァ!スーパー・マリオ!イタリアで政治家抜きのテクノクラート内閣発足。注目閣僚は

秘書です。

経済学者のマリオ・モンティ(ニックネーム:スーパー・マリオ)首相が政治家抜きの組閣。
危機突破には、政治家抜きということか?
なお、日本では憲法上、首相と過半数の閣僚は国会議員でなければなりません。

日本の政官財学報主流が支持する翼賛的「行きすぎた円高+増税路線」が行き詰まり、国民生活に深刻な打撃があったとき、日本ではどんな組閣が可能になるでしょうか?


イタリア新政権誕生、モンティ氏が首相兼財務相に-政治家入閣せず(3
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920015&sid=aBMAEXHGjUkU
11月16日(ブルームバーグ):元欧州委員(競争政策担当)のマリオ・モンティ氏は16日、イタリア新首相に宣誓就任した。同氏は財務相も兼任し、政治家が入らず経済に精通した有識者のみで固めた内閣を率いて、ユーロ圏3位の経済大国イタリアが債務危機に飲み込まれないよう全力を挙げる。

  モンティ氏(68)はローマで行われた式典に出席。ナポリターノ大統領による首相と内閣の任命を受け宣誓した。新内閣ではインテーザ・サンパオロ銀行のコラード・パッセラ最高経営責任者(CEO)が経済発展相に就くほか、反トラスト当局トップのアントニオ・カトリカラ氏が副首相となる。

  モンティ氏は16日午前、ローマのクイリナーレ宮(大統領官邸)で記者会見し「欧州のパートナーや国際社会から多くの励ましを受けた」とし、「これが市場、特にイタリアをめぐる緊張の沈静化につながることを望む」と語った。

  イタリア国債利回りは救済の「危険水域」に入るとされる7%を超えており、モンティ氏が負債圧縮策を緊急に打ち出すことを迫っている。同国の主要政党が入閣要請に応じなかったことから、モンティ氏は閣僚全員を政治家以外のテクノクラート(専門的知識を持つ人材)にせざるを得なかった。このため、議会で法案を通過させるための政治基盤がないなど実行力に疑問符が出ている。

  モンティ氏は17日午後1時(日本時間同9時)に上院で施政方針演説を行う。審議後、上院は同日中に信任投票を実施する予定。その後、18日の下院での信任投票を経て新政府は正式承認される。

 協議で政党の説得に失敗

  モンティ氏は自由国民や民主党など主要政党と2日にわたり協議し新内閣に加わるよう求めたが、説得は失敗に終わった。政権に参加しなかった自由国民などはモンティ氏の政策に自由に異議を唱えることができる。

  民主党のベルサニ書記長(党首)は15日、モンティ政権の「強い専門性を支持する」と述べ、ベルルスコーニ前首相の自由国民のアルファノ幹事長は、緊縮策をモンティ政権が実施することが支持に「不可欠な要件になる」と語った。

  モンティ氏はこれら政党の非協力的姿勢を意に介さぬ姿勢を示し、「政府内の政治家の不在は政府の活動を妨げるより、むしろ助けになるだろう」と述べた。

           「全てのグループ説得を」

  カナダのクイーンズ大学の研究者、フィル・ガーランド氏(政治学)はモンティ氏について、「欧州だけでなく世界的に勝ち得ている信用と評判など必要な資質を全て備えているが、それだけでは十分でない」と指摘。「彼は、自分の選挙区の権益を守ろうとしているこれら全てのグループに対し、犠牲を払う必要があると説得しなければならないだろう」と説明した。

  財政緊縮策に国民が反発した場合、モンティ氏の財政再建の取り組みが成功するかどうかは、幅広い政治的基盤を得られるかどうかにかかる見込みだ。グレンデボン・キング・アセット・マネジメントで運用に携わるニコラ・マリネリ氏は、資産売却や不動産・富裕税の導入、医療・年金・教育支出の削減などの施策が必要になるだろうとして、「これらが広く国民に知れ渡れば極めて大きな反発を招き、新政権への支持を今のところあいまいな形で表明している政党はレディー・ガガが衣装を替えるよりももっと素早く手のひらを返すだろう」と話した。

  モンティ氏は、労働組合や企業経営者も協議に参加し、犠牲が必要なことは理解されていると述べた。

              ECB

  イタリアのビジネススクール最高峰、ミラノのボッコーニ大学総長を務めていた経済学者のモンティ氏は、同国の国債購入を続けるよう欧州中央銀行(ECB)を説得する必要もある

  ECBはイタリアが455億ユーロ規模の財政緊縮策を発表した後、8月8日から同国の国債を買い支えている。欧州連合(EU)はイタリアが既に承認した施策に加えた成長加速・負債圧縮策の必要性を示唆。EUとECBの代表団が先週イタリア入りしたほか、ベルルスコーニ前首相は国際通貨基金(IMF)による監視も受け入れている。


イタリア新内閣が発足、政治家の入閣なし:識者はこうみる
2011年 11月 17日 09:04 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24212220111117?sp=true
[ローマ 16日 ロイター] イタリアの新首相に指名された元欧州委員のモンティ氏は16日、閣僚人事を発表した。政治家を含まない16人の有識者で構成されるテクノクラート型内閣で債務危機への対処と金融市場の沈静化に取り組む。
 有識者の見方は次の通り。

●専門家をうまく配置

 <ニューエッジ・ストラテジー(ロンドン)の市場エコノミスト、アナリサ・ピアッツア氏>  

 予想どおりモンティ首相は経済相を兼務した。閣僚名簿は市場が予想していた以上のものではないが、専門家をうまく配置した布陣になっているようだ。半数以上は学会からの入閣で、各分野の専門家だ。

 (インテーザ・サンパウロの)パッセラ最高経営責任者(CEO)の産業・インフラ相就任は、金融セクターが危機の震源になったことを踏まえれば重要だ

 過去に次官を務め財政の専門家であるピエロ・ジアルダ氏が(議会調整相に)就いたのも注目される。

●産業相の実行力に期待、遅すぎた感も

 <みずほの欧州主席エコノミスト、リカルド・バルビエリ氏>  

 新内閣は、モンティ首相がよく知り信頼する人物と、おそらくナポリターノ大統領が政府決定の実施にあたり信頼できるとして提案した人物などで構成されている。

 モンティ首相が経済相を兼務するのは興味深い。彼が最重要分野の指揮を執りたいことは明らかだ

 パッセラ産業・インフラ相には(中道左派に近いとされる)政治的傾向があるが、より重要なのは彼が最高経営責任者(CEO)としての経験を持つこと。彼は実行力のある人物で、これは非常に歓迎すべきだ

 ただ、「遅すぎないか」ということだけ問いたい。

実務型のモンティ新内閣発足―イタリア、政界出身者なし
2011年 11月 17日 7:16 JST WSJ
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_345137
【ローマ】イタリアのマリオ・モンティ新首相は16日、テクノクラート(専門家、実務者)を中心とする閣僚人事を決め、新内閣が発足した。新内閣はユーロ圏で3番目に大きいイタリア経済に対する投資家の信頼を回復し、債務危機から脱却するという難しい仕事に取り組む。

 モンティ首相は新政権で経済・財務相を兼任する。また、国会議員やその他主要政党の有力者を閣僚に一切選ばず、学界、民間部門、公共部門出身の実務者や専門家を起用した。このため、アナリストの間では、新政権が強力な政界から持続的な支持を得られるか疑問とみる向きもある。

 モンティ首相はこうした懐疑的な見方を一蹴し、「政界関係者がいないことは、(経済政策を打ち出すにあたって)断固たる行動が容易になる」と述べた。

 例えば経済発展・インフラ・運輸相にはイタリア銀行大手インテサ・サンパオロの最高経営責任者(CEO)のコラド・パッセラ氏が起用された。モンティ首相はまた、女性3人を有力閣僚ポストに据えた。福祉・機会均等相に起用されたエルサ・フォルネーロ氏(イタリアきっての年金専門家)、内相のアンナ・マリア・カンチェリエリ氏(行政専門家)、法相のパオラ・セベリーノ氏(法律専門の大学教授)の3人だ

 モンティ首相は元欧州委員会委員でもある。同首相は、専門家から成る新政権がユーロ圏債務危機の「イタリアに関係する部分」を沈静化すると期待していると述べた。

 新政権は、イタリアの低迷する経済再建と、1兆9000億ユーロ(約198兆円)に上る巨額の政府債務を削減する措置を講じるよう強い圧力にさらされる見通しだ。欧州連合(EU)当局やエコノミストたちは、イタリア政府に対し、硬直的な労働市場とコストのかかる年金制度の抜本的改革など一連の措置を求めている。

 しかし抜本改革は容易でない。イタリア歴代政権は何十年間も現状打破に努力したが、根深い利害団体の存在や党派的な政界の内輪もめでうまくいかなかった。一部のエコノミストは、モンティ新内閣のアウトサイダー的な性格がかえって不人気の経済政策を遂行する際の強みになるかもしれないと指摘している。特定の政治政党に恩義があるわけではないからだ。

 しかしモンティ首相は議会から強力な支持が必要だ。新内閣は17日には上院で承認を受けねばならない。上院ではベルルスコーニ前首相が党首の最大与党・自由国民と、同党と提携している北部同盟が依然として過半数議席を持っている。モンティ内閣は上院の信認票を確保できるとみられるが、どの程度の票差で信認を取り付けるかは、モンティ首相が今後、改革を遂行していく際に議会の支持がどこまで得られ続けるかを占う重要な尺度になる。

記者: Stacy Meichtry and Christopher Emsden

イタリア新内閣は全員民間人、早期解散要求も
(2011年11月16日23時18分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20111116-OYT1T01140.htm

 【ローマ=大内佐紀】イタリアの新首相に指名されたマリオ・モンティ氏(68)は16日、組閣作業を完了し、ナポリターノ大統領に提出後、閣僚名簿を発表した。

 新内閣18人全員が政治家でない民間人で、多くは「教授」の肩書を持つ学者や、官僚出身だ。同日夕、大統領府で宣誓式を行い、週内に上下両院で信任を得て正式発足し、イタリア経済の信用回復に努める。〈関連記事7面〉

 イタリアでの民間人内閣の発足は、1995年1月、第1次ベルルスコーニ政権の崩壊を受けて発足したディーニ政権以来で2度目。

 最大の焦点である財政再建を担う財務相は新首相が当面、兼務する。経済発展・インフラ相には国内有数の銀行家コラド・パッセラ氏(56)を抜てきした。首相のほか、司法相など6人が学者出身となった。

 即戦力が求められる内相と外相には、官僚出身のアンナマリア・カンチェリエリ氏(67)(女性)、キャリア外交官のジュリオ・テルツィ駐米大使(65)をそれぞれ充てた

 モンティ氏が組閣に着手した13日には主要与野党からも入閣を仰ぎ、挙国一致内閣を構成するとの観測があったが、旧・与党第1党「自由の人民」が入閣を拒否し、調整がつかなかった。「政治家不在の政権で安定するのか」との記者団からの質問に対し、モンティ氏は「政策で判断してほしい」と一応の自信を示した。だが、「自由の人民」内には早期の総選挙を求める声がくすぶるなど、不安要因を抱えての船出となる。