海外の金融緩和で発生する円高圧力に対しては国内の金融緩和で対抗←明々白々 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

海外の金融緩和で発生する円高圧力に対しては国内の金融緩和で対抗←明々白々

秘書です。

「海外の金融緩和で発生する円高圧力に対しては、国内の金融緩和で対抗しなければならないことは明々白々」(外為どっとコム総研 社長 植野大作氏)

その明々白々なことが、日本国内ではタブー視され、みんなで別の原因があると納得して間違えた処方箋で円高に対応し、失敗して損失だけが蓄積され、行きすぎた円高が続くのでしょうね。


日銀が景気判断を下方修正:識者はこうみる
2011年 11月 16日 14:03 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24195220111116?sp=true

[東京 16日 ロイター] 日銀は15─16日に開いた金融政策決定会合で、景気の現状について「持ち直しの動きが続いているが、そのペースは緩やかになっている」とし、海外経済の減速などを背景に判断を下方修正した。
 また、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標は0─0.1%程度に据え置くことを、全員一致で決定した。

 有識者の見方は次の通り。

●欧州ソブリンリスクに警戒感、景気判断を下方修正

 <第一生命経済研究所 主席エコノミスト 熊野英生氏> 

 金融政策は現状維持となったが、現状判断がずれ込むなかで、景気判断を今回下方修正した。景気のリスク要因の冒頭には欧州ソブリン問題を挙げており、為替リスクも含めて警戒感が極めて強いことが読み取れる。

 持続的成長経路に復帰するよう中央銀行として貢献を粘り強く続けていくとの方針を示しており、金融緩和を通じて回復経路へのシナリオを支えていくスタンスであり、追加緩和には否定的ではないニュアンスが伺える。

●市場の声の認識不足、緩和への意識乏しい

 <マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏> 
 金融政策の現状維持は予想通りだ。前回会合で買い入れ基金の増額を決めており、さすがに2回連続での増額は難しいのだろう。ただ日銀はETF(指数連動型上場投資信託受益権)の買い入れなどを進めているものの、マーケットにはさほど効果が表れておらず、市場の声を十分認識しているとは言いづらい。欧米当局による追加緩和の可能性があるなかで、日銀は金融緩和への意識に乏しく、後手に回らざるを得ないとみている

●金融政策、当面は現状維持か

 <SMBC日興証券 チーフストラテジスト 末澤豪謙氏> 

 全員一致で金融政策の現状維持を決めた。前回会合で資産買入基金の規模を5兆円増額する追加金融緩和を決めたばかりなことに加え、為替介入効果もある程度残っていることから、現時点では様子見となったようだ。これは市場予想通り。金融政策に関しては、欧州問題が完全に収まらない中、追加緩和の可能性は否定できないが、米国がすぐに追加緩和をやる状況ではないため、当面は現状維持となるのではないか。

 景気の見方は、国内は震災以降のサプライチェーンの回復、復興需要が顕在することが想定できるため、国内は緩やかな回復基調が続き、欧州財政問題など海外の下振れリスク要因を指摘している。この点も従来の日銀の見通しと変化はなく、違和感がない。

 想定内の内容なので円債相場への影響はほとんどないだろう。マクロ要因と需給要因で相場の方向性は決まってくるとみている。

●もう一段踏み込んだ金融緩和姿勢示すこと大切

 <外為どっとコム総研 社長 植野大作氏> 
 日銀としては、十分な金融緩和をしており、前回会合で5兆円規模の資産買入増額を決めたばかりなので、現下の局面では現状維持と判断したのだろう。ただ、日銀に対しては多くの批判も出ている。その代表格は、日銀は何度も資産買入増額を決めている割には、量的緩和第1弾(QE1)、量的緩和第2弾(QE2)に踏み込んだときの連邦準備理事会(FRB)に比べると、バランスシートの膨張が緩慢であるという批判だ。日銀は、産業界や国会、学会などの一部にある緩和不足という批判をかわすために、バランスシートの一部、目立つところを拡張させているだけのようにも見える。結果としてみると、思い切った量的緩和が進んでいない

 政府と日銀とで、円高が進んでいることに対する危機感に温度差がある。おそらくこれから、ドル/円だけでなく、ユーロ/円も心配しなければいけなくなるだろう。欧州はこれから緊縮財政と金融緩和の組み合わせで通貨安圧力を発生させてくることが想定され、ユーロ/円は100円割れのリスクも出てくる。その意味で、欧米発のユーロ安、ドル安圧力が円高圧力として日本に押し寄せてくることになる。海外の金融緩和で発生する円高圧力に対しては、国内の金融緩和で対抗しなければならないことは明々白々だ。日銀がもう一段踏み込んだ金融緩和の姿勢を示すかどうかが大切だ