自民党は「反対のための反対」政党に堕してはならない(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

自民党は「反対のための反対」政党に堕してはならない(中川秀直)

自民党は「反対のための反対」政党に堕してはならない。日本の戦後復興を担い、日米同盟基軸をもって、奇跡の高度成長を遂げ、貿易立国として世界第2の経済大国を維持し、戦後半世紀以上に及ぶ政権政党であった矜持を失ってはならない。

国策としての日米同盟基軸、貿易立国・自由貿易を決めたのは自民党である。この2つを堅持することは国是であり、自民党の党是である。

自民党が野田政権のTPP交渉参加について、情報不足、説明不足、戦略性の欠如、交渉戦術の稚拙さ等を批判するのは当然であり、厳しく追及すべきである。

しかし、「TPPは日米FTA(自由貿易協定)と限りなく近い意味を持つ。米国と組み過ぎて中国やアジアをオミット(除外)する形になったら日本のためによくない」というのは、日本の国是、自民党の党是の観点から疑問がある。現下の国際情勢と日本の国力のもとでこのような発言をするということは、発言者の意図にかかわらず、米国を排除し中国を中心とする秩序の形成に向けたルールづくりを支持していると誤解される危険を伴う。

政権が反米ならば自民党は親米、政権が親米ならば自民党は反米、政権をとったら結局親米、との誤解を持たれないようにしなければならない。政権をとったら野党時代にいっていたことをかなぐりすてて平気な民主党と同じになってはいけない。

私は自民党が今為すべきは、TPP支持を旗幟鮮明にし、貿易自由化と農林水産業振興の両立の対案を政策の旗印にすること、そして、国益に適うように責任をもってこの困難な交渉にあたるために一刻も早く政権を奪還することであると考える。

(11月16日記)中川秀直