人事院総裁が否定する人勧「内包」見解のままでは、政府提出法案審議はもたないのでは? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

人事院総裁が否定する人勧「内包」見解のままでは、政府提出法案審議はもたないのでは?

秘書です。

衆議院予算委員会で、平井たくや代議士が質問中。

人事院勧告(0.2%引き下げ)は、7.8%引き下げの閣議決定に内包されている?

江利川人事院総裁は、7.8%の国家公務員給与引き下げには、人事院勧告が「内包」されているとの政府の認識は、困難であると4つの理由を列記。

時限的な7.8%引き下げに、恒久的な0.2%引き下げが内包されているのは難しいですね。

平井代議士によると、自民党は、参院に人事院勧告を守りましょうとの法案を出すと。

人事院総裁が否定する「内包」見解のままでは、政府提出法案審議はもたないのでは?



人事院総裁談話
平成23年10月28日
人事院総裁江利川毅
http://www.jinji.go.jp/kisya/1110/231028danwa.pdf

1 本日の閣議において、我が国の厳しい財政状況と東日本大震災という未曾
有の国難に対処するための国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案(給
与臨時特例法案)の早期成立を期し、人事院勧告を実施するための給与法改
正法案は提出しないことが決定されました。
人事院勧告と給与臨時特例法案は、趣旨・目的を全く異にするものであり
ます。国家公務員の労働基本権制約の代償措置である人事院勧告は完全実施
するとともに、給与臨時特例法案については別の問題として検討されるべき
と考えます。
2 本年3月11日に発災した東日本大震災という未曾有の国難に対処すること
は、現下の最重要課題であり、その財源確保の一環として国家公務員給与に
ついて議論されており、人事院としてもこうした課題の重要性は十分認識し
ております。東日本大震災という未曾有の国難に対処するに当たっては、平
時とは異なって、内閣及び国会において、大所高所の立場から、財源措置を
検討することはあり得ることと考えます。
3 国家公務員は憲法第15条で全体の奉仕者と規定されるなど、その地位の特
殊性及び職務の公共性に鑑み、その勤務条件の決定については、憲法第28条
に規定する労働基本権の一部が制約され、その代償措置として人事院勧告制
度が設けられています。したがって、国家公務員給与の改定に当たり人事院
勧告を尊重することは、憲法上の責務というべきものです。現行の憲法及び
国家公務員法の体系の下で人事院勧告を実施しないことは、極めて遺憾であ
ります。
4 政府は、人事院勧告の実施を見送る理由として、給与臨時特例法案が、
「今般の人事院勧告による給与水準の引下げ幅と比べ、厳しい給与減額支給
措置を講じようとするものであり、また、総体的にみれば、その他の人事院
勧告の趣旨も内包していると評価できること」を挙げています。

しかしながら、労働基本権制約の代償措置である人事院勧告と、厳しい財
政状況及び東日本大震災に対処する必要性に鑑み国家公務員人件費を削減す
るための給与臨時特例法案は、趣旨・目的が全く異なります。
人事院勧告は情勢適応の原則に基づき毎年の官民給与の均衡を図るため俸
給表の改定を行うものであるのに対し、給与臨時特例法案は平成25年度まで
の時限立法として支給額を大幅に減額するものであり、平成26年度からは、
今回の勧告による給与引下げが反映されていない俸給に戻ることとなります。
また、人事院勧告の求めている給与構造上のゆがみの是正は、給与臨時特例
法案では実現できません。
したがって、人事院勧告は、給与臨時特例法案と趣旨・目的及び内容を異
にし、「内包」されるという関係にはありません

なお、給与臨時特例法案は、現行の法律が定める国家公務員給与の改定の
仕組みによらないものであり、また、その国会への提出の経緯をみても、一
部の職員団体との合意を重視し、多くの国家公務員の理解を得るための手続
は採られておりません。
5 未曾有の国難からの復旧・復興のための財源確保という課題の重要性は十
分認識しておりますが、この課題は、労働基本権制約の代償措置である人事
院勧告の実施とは別に、内閣及び国会で検討されるべきものと考えます。そ
の場合においても、人事院勧告をめぐる過去の事例や最高裁の判例の趣旨を
踏まえたものであることが必要であります。
今後、国権の最高機関であり唯一の立法機関である国会において、人事院
勧告制度の本旨を踏まえ、大所高所に立った適切な対処がなされることを切
に期待いたします。


公務員の給与改定に関する取扱いについて
平成23年10月28日
閣 議 決 定
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2011/1028kyuyo.pdf

1 一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務員
の給与については、去る9月30日に人事院勧告が行われ、労
働基本権が制約されている現行制度においては人事院勧告制度
を尊重することが基本であるとの考え方の下、真摯に検討を
進めてきたところである。その結果、我が国の厳しい財政状
況と東日本大震災という未曾有の国難に対処するための国家
公務員の給与の臨時特例に関する法律案(以下「給与臨時特
例法案」という。)が、今般の人事院勧告による給与水準の
引下げ幅と比べ、厳しい給与減額支給措置を講じようとする
ものであり、また、総体的にみれば、その他の人事院勧告の
趣旨も内包しているものと評価
できることなどを総合的に勘
案し、政府としては、既に提出している給与臨時特例法案の
早期成立を期し、最大限の努力を行うこととする。
したがって、人事院勧告を実施するための給与法改正法案
は提出しないこととする。
2 特別職の国家公務員の給与については、1の趣旨に沿って対
応することとする。
3 我が国の財政事情が深刻化している状況に鑑み、行財政改革
を引き続き積極的に推進し、総人件費を削減する必要がある。
そのため、次に掲げる各般の措置を講ずるものとする。
また、人事評価制度の的確な運用を通じて、能力のある者が
登用され、成果を挙げた者が報われるよう、能力・実績に基づ
く人事管理の徹底を図るものとする。
(1) 予算の執行に当たっては、優先順位の厳しい選択を行い、
経費の節減に努めるとともに、今後、なお引き続き、経費の
見直し・節減合理化を図ること等により、歳出の削減に努力
する。
(2) 国家公務員の定員については、東日本大震災からの復旧・
復興等に適切に対応しつつ、引き続き厳しく業務の見直しや
効率化に取り組み、可能な限り純減を図る。
(3) 独立行政法人(総務省設置法(平成11年法律第91号)
第4条第13号に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)
の役職員の給与については、「国家公務員の給与減額支給措
置について」(平成23年6月3日閣議決定)に沿って、法
人の業務や運営のあり方等その性格に鑑み、法人の自律的・
自主的な労使関係の中で、国家公務員の給与見直しの動向を
見つつ、必要な措置を講ずるよう要請する。また、中期目標
に従った人件費削減等の取組状況を的確に把握するとともに、
独立行政法人及び主務大臣は、総務大臣が定める様式により、
役職員の給与等の水準を毎年度公表する。
今後進める独立行政法人制度の抜本見直しの一環として、
独立行政法人の総人件費についても厳しく見直すこととする。
また、特殊法人等の役職員の給与についても、同様の考え
方の下、必要な措置を講ずるよう要請するとともに、必要な
指導を行うなど適切に対応する。特殊法人等の役職員の給与
等についても、法令等に基づき公表する。
(4) 地方公務員の給与改定については、各地方公共団体におい
て、地方公務員法の趣旨に沿って適切な措置を講じるととも
に、地方公共団体の定員についても、行政の合理化、能率化
を図り、適正な定員管理の推進に取り組まれるよう期待する。


川端総務大臣閣議後記者会見の概要
平成23年10月28日

冒頭発言
 今日、閣議で、私の方から、労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果について閣議に報告いたしました。その内容につきましては、統計局から既にお配りしております資料のとおりでございます、これが1点目。
 2点目は、閣議前に第3回の給与関係閣僚会議、そして、閣議において、公務員の給与改定の取扱いについて決定をいたしました。政府においては、9月30日に提出された人事院勧告を受け、その取扱いについて、労働基本権が制約されている現行制度においては、人事院勧告制度を尊重することが基本であるとの考え方の下に、真摯に検討を行ってまいりました。本日の決定の概要については、後ほどお配りする総務大臣談話を御覧いただければと思いますが、具体的には、国家公務員の給与については、我が国の厳しい財政状況と東日本大震災という未曾有の国難に対処するための臨時特例法案が、今般の人事院勧告による給与水準の引下げ幅と比べ、厳しい給与減額支給措置を講じようとするものであり、また、総体的にみれば、その他の人事院勧告の趣旨も内包しているものと評価できることなどを総合的に勘案し、既に提出している給与臨時特例法案の早期成立を期し、最大限の努力を行うこととし、人事院勧告を実施するための給与法改正法案は提出しないことといたしました。地方公務員の給与改定については、各地方公共団体において、地方公務員法の趣旨に沿って適切な措置を講ずることなどを期待しております。
 私の方からは、以上です。
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