国家戦略会議は官僚主導のお墨付き機関になるのか(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

国家戦略会議は官僚主導のお墨付き機関になるのか(中川秀直)


政府が国家戦略会議の設置を決め、正式に28日初会合を開くが、小泉純一郎首相時の政策実現の司令塔であった経済財政諮問会議と似て非なるものとなることが明らかである。小泉首相は経済財政諮問会議を、官僚主導と戦う改革の司令塔と位置づけ、その司令官に「ともに命を捨ててほしい」と改革の同志である竹中平蔵・慶応大教授を起用した。

そして、竹中経済財政担当相が4人の民間議員とともに経済財政諮問会議を主導し、中長期の経済財政の基本方針となる「骨太の方針」をつくりあげ、文字通りの改革の司令塔となった。

野田首相はどうか。小泉首相の「郵政完全民営化」に匹敵する改革のアジェンダがなく、増税ありきのように見える。

官僚主導と戦う機関ではなく、官僚主導のお墨付き機関になってしまうのではないか。事務局機能を誰が掌握するかを見れば一目瞭然となるだろう。

官僚主導の増税と日銀主導の金融政策がミックスしたとき、日本経済と国民生活に悲劇が起る。その間違った経済財政政策運営のお墨付き機関に国家戦略会議がなる危険性が高い。

経済界や労働界の代表者が、デフレ・円高のもとでの増税のお墨付きの役割を果たすことのないよう期待したい。
(10月23日記)中川秀直