デフレの時代をつくっておきながら、資産をため込むという発想 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

デフレの時代をつくっておきながら、資産をため込むという発想

秘書です。

希少性が価値の源泉とするならば、

モノに比べて貨幣のほうが供給過小だと、貨幣のほうが価値が出てくる。(デフレ→拝金主義?)
貨幣に比べてモノのほうが供給過小だと、モノのほうが価値が出てくる。(インフレ→拝「物」主義?)

若者が物を買わずに貯金するのは極めて合理的。物持ちをひけらかすことが格好悪く見えるのも、こういう背景がありますね。

昭和インフレ時代の「ぱーっといこう」という大判振る舞い、とにかく土地を買っておこうという土地神話が、若者にいまひとつウケがよくないのは、このような背景がありそうですね。

ビジネス界ののみなさんが、若者に物が売れないで困るというのなら、なぜ、現在の貨幣政策を支持するのでしょう?

そして、政府・日銀のデフレを継続しよう、でも自分たちの資産を保有しようというのは・・・

本当の希少性は、利他精神、リスクをとる精神だと思うのですが。


【緊急特別インタビュー】世界一やさしい“増税なしの”復興財源捻出方法 ―― 18兆円の「日銀埋蔵金」とは何か? 高橋洋一
2011年10月07日13時43分
提供:SYNODOS JOURNAL
http://news.livedoor.com/article/detail/5920151/


昨今、復興財源捻出のために、増税が必要だという議論が加熱している。9月28日のロイターの報道(http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23388820110928)によれば、「民主党税制調査会の古本伸一郎事務局長は、税外収入5兆円、臨時増税11兆2000億円を前提に与野党協議を進める考えを示した」とされている。

しかし不況下の増税は、さらなる不況圧力を招き、国民の生活に大きなマイナス圧力をもたらすことは明白だ。たとえば、1997年の消費税2%増税の際には、大きな不況が日本を覆い、たしかに消費税収は微増したものの、結局他の税収(法人税・所得税)が大きく減少、2011年までの14年間かけて約12兆円も税収全体が減ってしまうという事態が起きた。財政赤字削減のための増税が、結果的に景気の悪化を招き、財政赤字を逆に悪化させる事態をもたらしたのだ。それどころか、1997年の2%の消費税増税にあおられた大きな景況感の悪化により、日本の年間の自殺者数は、2万人台の前半で推移していたところから、3万人強へと一気に増加するという事態を招いた。しかもその3万人強という年間の自殺者数の推移はもう、かれこれ10年以上定常化してしまっているという状況なのだ――。

政府はまた同じ轍を踏むのか? 増税以外に、財源を捻出する方法はないのか?

「復興財源捻出のためには、増税は1円も必要ない。じつは、日本銀行が毎年、法律の枠内で行なっている、国債の直接引き受けを行えば、そこから18兆円を即座に捻出できるので、国民生活を犠牲にすることなく、復興財源を賄うことができる」と主張をしている嘉悦大学教授・高橋洋一氏に聞いた。(シノドス編集部)

■そもそも日銀マンと財務省職員の関係について

――財務省の人と日本銀行(以下、日銀)の人というのは、どういう場面で仕事上のつきあいがあるのですか。

高橋 基本的には、ほぼ主従の関係にあります。財務省が主で、日銀が従。実際に財務省は、日銀に指示を出してやる仕事ばっかりになる。日銀は財務省から何か指示が出た場合「なぜですか」とか理由を聞くことすら全然ない。財務省からは一方的に指示しかしないんだから。日銀からは反論どころか質問すらないほど。だから日銀の側からすると、財務省に対して大きなコンプレックスを持っていると思いますよ。実質的に日銀がやっている仕事は財務省の下働きみたいなものだから。

私の場合、財務省にいた頃、唯一日銀と少しだけ議論になったのは、日銀に国債を直接引き受けさせる際の額についての話だけだった。でも最後は簡単。こちらから「やれ」って言えばおしまい。それ以上は日銀は何も言えない。

そしてこれがこのインタビューの核心でもある「じつは日銀は、現行の法律の枠内で普通に国債の直接引き受けを18兆円分できるのだから、政府はそれを復興財源にすればいいだけで、復興増税なんて1円も必要ない」という話につながるのです。

いまもとくに日銀の国債直接引き受けの問題が大きく報じられていて、日銀は「そんなことはできない」と言っているけど、実際は毎年、日銀は財務省から直接国債を引き受けている。だけど日銀のサイドからすれば、財務省にやらされていることで、屈辱だから、絶対にやっているとは言わないわけ。

――日銀の国債直接引き受けというのは、要するに政府・財務省が国債を発行して、そのうちの何割かを日銀に引き受けさせるということですが、毎年日銀は、どのぐらいの額を引き受けているんですか。

高橋 だいたい10兆から、20兆円。だから、よく私の本とかツイッターとか見るとわかると思うけど、日銀引き受けは禁じ手でもなんでもなくて、できないのなんかまったくの嘘。毎年普通にやっていることですよ。過去最高で、23兆を引き受けさせた記録があるけど、それはわたしが官邸にいたときの話です。そして、一切何も困ったことは起きていない。

■日銀による国債の直接引き受けの法律的根拠

高橋 この日銀による国債の直接引き受けというのは、財政法の5条に書かれている。そこでは日銀の国債直接引き受けは禁止されている。だけど、但し書きというのがあって、「国会の議決を経た金額の範囲内」であれば直接引き受けできるって書いてある。

だから日銀に国債を直接引き受けさせるためには、財務省が予算総則っていうのを書く。その予算総則に「今年はいくらまで日銀に引き受けさせる」ということを書いておけばいいだけ。それで財務省が予算をつくって、国会が議決すればいいだけです。日銀には反論する余地もない。それで毎年、日銀は国債を財務省から直接引き受けしてるんですよ。

なのに日銀は、その事実(=じつは毎年国債の直接引き受けをやっていること)を一切口にしない。黙っているってこと自体が、彼らが悔しがっている証拠だと思います。

――ちなみに、毎年日銀が国債を10~20兆円直接引き受けているのはどういう理由からなのですか。

高橋 それはね、そもそも日銀は80~100兆円の国債を持ってるんだけど、そのうち「今年度の償還額」っていうのがある。償還額というのはつまり、満期がくる金額のことなんだけど、今年の話でいうと、日銀の持ってる国債は30兆円分満期がくる。日銀が新たに30兆円の国債を買い入れないと、自動的に30兆円分の金融引き締めになってしまうわけ。マネーが減るわけだから。

だから「この償還額の範囲では、日銀に引き受けさせることができる」っていうことが予算に書いてあるわけ。

それで今年度(2011年)は30兆までは日銀に国債を直接引き受けさせることができるんだけど、今年は日銀の直接引き受けは12兆になってしまっている。わたしはそこを指摘して「まだ18兆円も普通に(予算に則った)日銀に国債を直接引き受けさせる枠があるのだから、日銀に国債を引き受けさせればいいじゃない」と言っているわけ。「今の範囲で、合法的かつ予算の範囲でできるじゃない」と。

日銀の直接引き受けは全然根拠のない話じゃなくて、今の予算の範囲で――少なくとも30兆って枠はこの前の3月に成立した予算でとっているんだから、まだ余っている18兆円分を引き受けさせればいいじゃないって言っているだけなんだから。

こういう風な話をすると、日銀がいかに財務省に虐げられてたかっていう言い方もできるかもしれないけども、わたしは「30兆円の国債の償還が今年あって、それを増やさなかったら必要なマネーが減って、デフレになって大変でしょ」って言ってるだけ。わたしがもし財務省の担当だったら確実にやる。復興のために増税するなんてことを言うんじゃなくて、震災復興債を出して、日銀が直接引き受ければそれでいいだろうって。それで一気に復興をすればいいだけなんだから。

■30兆円の法律の枠内の国債直接引受で、通貨の信認は毀損するか?

高橋 それで日銀も、日銀が国債を直接引き受けると「通貨の信認が毀損する」とかって言ってて、ハイパーインフレとか大幅な円安が起こるなんて言ってるけど、すべて詭弁。

だって、日銀の30兆円規模の国債引き受けというのは、毎年予算の範囲内でマネタリーベースが増えるわけでないから。それでハイパーインフレ ―― どころかちょっとのインフレすら起こりませんよ。どころかずっとデフレだったんだから。さらに「円安が起こりましたか?」という話。日本国内は、長引く円高でヒイヒイ言ってますよ。いま過去最高の円高ですよと。

もし日銀が、「毎年やってる予算の枠内での国債の直接引き受け ―― 今年で言えば具体的には、財務省が日銀に『やりなさい』とひとこと言えば買い取らせることのできる30兆円の枠内で、まだ実施してない18兆円の国債引き受けることで、通貨の信認が毀損する」という発言をつづけるのであれば、「じゃあ、なぜ昨年も一昨年も、まったく同じ国債の直接引き受けを現実にやっているのに、通貨の信認の毀損どころか、デフレが起こり、円高が進展しているのか?」の説明をしなければいけない。

なぜ日銀は、いままで普通に直接引き受けをやっていたのに、禁じ手みたいな話を突然言い出したかというと、今回の震災によって、普段は誰にも知られずに行われていたその直接引き受けに対して、にわかにそれを求める声が大々的に外野から寄せられるようになったから。

日銀がいま必死にその火消しに回っているのはプライドがあるから。日銀が「直接引き受けは禁じ手だ」って言うから、マスコミの人もこぞって「禁じ手、禁じ手」っていうでしょ? これはいかにマスコミの人が、政府や日銀の発表を鵜呑みにしていて、いかに自分たちでは知識がないかということがあらわになってしまっている。マスコミは、日銀の発表だけを鵜呑みにして、そこで思考が停止してる証拠です。

仮に、わたしが財務省の担当者なら、すぐに18兆円を日銀に引き受けさせるけど、それに対して日銀は一言も反論できず、粛々と引き受けるしかないわけですよ。ちょっと酷いように見えるけど、それで増税なしで震災復興もでき、しかも円高・デフレ対策にもなるのだから、国民経済から見れば文句なしのいい手だ。

――そういえば日銀は、その主張に対して表だって反論しているように思われていますけど、実際はマスコミやマーケットに向けて発言しているだけですものね。

高橋 そう。表だって言えないから、裏で色んなことを言うしかない。唯一の強みはさ、金融マーケットについて財務省は無知だから、その無知を利用することはできる。細かくいうと財務省の職員は、金融マーケット ―― 金利とかの細かい話をされると分からないわけ。だから日銀は、「直接引き受けすると、金利が暴騰しますよ」とか、「国債金利が暴騰して、消火が大変になります」って言うと、意外と財務省の人間は「ああそうか」ってなってしまうというのもある。財務省と日銀の関係で言うと、日銀はそうやって牽制球を投げるので精一杯。ここでも財務省と日銀の主従関係の姿が透けて見えます。

でもそんなことがいかに嘘かっていうのは、ちょっと考えれば簡単に見抜くことができる。なぜなら、さっきも話しましたが、昨年も一昨年も日銀は、今回わたしが主張しているような「法律の枠内での国債の直接引き受け」をやってるのに、「国債金利が暴騰して大変なことが起きる」みたいな自体は一切起こっていない。

「復興のためなら増税もしょうがない」と短絡的に考えるのではなく、国民は、この日銀と財務省が隠している事実を、厳しい目でチェックすべきです。

→そして、霞が関埋蔵金。

財務省が隠す650兆円の国民資産
著者: 高橋洋一
発行年月日:2011/10/14
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2172011&x=B

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