ストロンチウムの可能性のある放射性物質が首都圏で検出されたことに関連して | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

ストロンチウムの可能性のある放射性物質が首都圏で検出されたことに関連して

秘書です。

ストロンチウムの可能性のある放射性物質が首都圏で検出。


首都圏で放射性物質検出相次ぐ-住宅街の街路やマンション屋上で(2)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aLv62yIAZnXo
 10月13日(ブルームバーグ): 東京電力・福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故に起因したとみられる放射性物質の検出が首都圏で相次いでいる。都内では世田谷区と大田区で高い放射線量を検出したほか、横浜市でもストロンチウムの可能性がある放射性物質が検出された。

  世田谷区弦巻地区の住宅街の歩道で毎時2.707マイクロシーベルトの放射線量を検出したと12日に発表した。計画的避難区域に指定されている福島県飯舘村で同日計測された2.05マイクロシーベルトを上回った。2.7マイクロシーベルトは年間に換算すると14.2ミリシーベルトとなり、国際的な放射線基準を14倍上回る。事態を重くみた世田谷区では区内258カ所で放射線を調査する予定。

  世田谷区広報課長の平澤道男氏は13日、電話で「極めて限定的な場所。区民の不安を払しょくする観点でいろいろな措置を取る」としたが具体的な対策については明言しなかった。

  共同通信は13日、世田谷区弦巻で区が実施した専門業者の測定によると、高さ1メートル地点で毎時3.35マイクロシーベルトが検出されたと報じた。

  民間シンクタンク、原子力資料情報室(CNIC)の伴英幸代表は13日、電話で「非常に高い数字で驚いている。小さなホットスポットは政府の発表では出てこない。市民によるこまめな測定が必要になっている」と語った。

  大田区教育委員会は11日、小中学校13校で区の基準の毎時0.25マイクロシーベルトを上回る放射線量を検出したと発表した。

  横浜市では、港北区のマンションの屋上の堆積物から放射性物質のストロンチウム90が民間検査機関の測定で検出された。市健康福祉局健康安全課によると、住民が検体の放射能検査を民間機関に依頼した。市では追加試験を実施し、確認を急いでいる。

  京都大学の小出裕章助教は13日、電話でストロンチウム90はカルシウムに似た構造を持ち骨にたまりやすく、がんや白血病につながる可能性がある。小出氏は横浜で検出されたものは比較的放射線量が高いので、徹底的に調べる必要があると語った

  共同通信によると、千葉県船橋市内の「ふなばしアンデルセン公園」で市民グループが毎時5.82マイクロシーベルトの放射線量を検出していたことが13日分かった。

  藤村修官房長官は13日午前の定例会見で、世田谷区で周辺より高い放射線量が検出された問題について「文部科学省において、日本原子力研究開発機構等の専門機関と連携しながら適切に対応するようにしたい」と述べた。

  CNICの伴代表は「250キロ以上離れたところに放射性物質が飛んでいる異常事態。他の地域でも検出する可能性は高い」と警戒感を強めた。

取材協力:広川高史--Editor:Takeshi Awaji, Hideki Asai

→ストロンチウム関連のブログ等をまとめておきましょう。

武田邦彦中部大学教授のブログ

横浜のストロンチウムと子供の守り方(緊急の2)
http://takedanet.com/2011/10/post_81fe.html
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ところがこれまではセシウムが何十万ベクレルという高濃度で発見されているのに、ストロンチウムはその100分の1にもなりませんでした。原子炉の中では同じようにでき、性質も似ているのになぜストロンチウムが観測されないのか? チェルノブイリの時にも10分の1はあったのになぜ無いのか? 本来ならあるべきストロンチウムが極微量しか検出されなかったことが問題だったのです。
・・・
おそらくは横浜ばかりではなく、神奈川、東京から岩手までかなりの濃度でストロンチウムがあると考えた方が良いでしょう。チェルノブイリでもそうでしたし、もともとの性質を考えても「セシウムあるところにストロンチウムあり」と考えるべきだからです。
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政府が放置するアノ汚染物質!がん、白血病があなたを襲う
2011.08.06ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110806/dms1108061527010-n1.htm

・・・
京大原子炉実験所の小出裕章助教は、「少なくとも、ストロンチウムの汚染の危険性はセシウムと同程度認識する必要がある」と語る。

 「ただ、政府はストロンチウム汚染の検査に消極的。その理由は、セシウムに比べて分析にはるかに手間がかかるためでしょう。ガンマ線しか出さないセシウムに比べて、ベータ線を放出するストロンチウムの検査は、分析に要する人的労力も時間も膨大で、マンパワーが限られた現状ではそこまで手が回らないのが実情。しかし、全身に分布するセシウムに比べ、骨に蓄積するストロンチウムの危険性は5倍から10倍はあると考えられています」

 プルトニウムの放出はごく微量なため、「現段階で心配する必要はないと思う」と小出氏は言うが、「それでも、消費者の安心のためには検査するに越したことはない」と話している

・・・

衆 - 科学技術・イノベーション推進特別委員会 平成23年05月20日

○武田邦彦参考人 国民の健康を守るという点で今一番抜けておりますのは、ストロンチウムとかプルトニウムという非常に重要なものが測定値すら出てこない。アメリカではプルトニウムが出てきて、アメリカで出てきているのに日本で何でないのかとよく私は聞かれるんですけれども、いや、日本の政府がはからないからだ、こういうふうに答えざるを得ない。ハワイで検出されて、福島で検出されないんですかと。
 三号機は相当程度ぼんと上に来ましたから、当然そこからプルトニウムとかストロンチウムのような比較的重たいものが出ているはずで、これは私は、これからの原子力のことを考えても、早くはかって公表して、特に魚なんかもそうですけれども、海水に出たのは初めてですので、もっとデータをはっきり出して、そして、避難するなら避難する、食材からの被曝を下げるなら下げるということを非常にはっきりと言わなきゃいけない。
 先ほどの三号機の質問もそうですけれども、三号機を動かしながらプルトニウムの測定をしない、一週間で出るプルトニウムの測定値を、内部で検討しなきゃならないから一カ月かかるというようなことを言っておるわけですから、全く被曝される方のことを考えずに動いているというふうに思います。

→過去にさかのぼると、ハワイでストロンチウムが検出されたという報道がありました。

Radioactive Strontium Found in Hilo, Hawaii Milk
4/27/2011 forbes
http://www.forbes.com/sites/jeffmcmahon/2011/04/27/radioactive-strontium-found-in-hilo-hawaii-milk/

Strontium-89 from Japan found in Big Island milk
By William Cole
POSTED: 07:47 p.m. HST, Apr 27, 2011 staradvertiser
http://www.staradvertiser.com/news/breaking/Strontium-89_from_Japan_found_in_Big_Island_milk.html

→福島でのストロンチウムについての分析結果

第10回放射線量等分布マップの作成等に係る検討会配布資料

土壌の核種分析結果(ストロンチウム89、ストロンチウム90、プルトニウム238、プルトニウム239+240)について

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/017/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/10/05/1311753_2.pdf

平成23年9月30日
文部科学省による、プルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果について
文部科学省 原子力災害対策支援本部モニタリング班

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/017/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/10/05/1311753_3.pdf

4.考察
4.1 全体的な考察

○ストロンチウムについては、採取された土壌のうち、30 グラムを放射化学分析し、低バ
ックグラウンドベータ線測定装置を用いて、約60 分計測した。検出下限値は、ストロン
チウム89 で約300Bq/㎡であり、ストロンチウム90 は、約40Bq/㎡である。

○本調査においてプルトニウム、ストロンチウムの沈着量の最高値が検出された箇所※1に
おいて、仮に、50 年間滞在した場合に生じる、土壌からの再浮遊に由来する吸入被ばく、
及び土壌からの外部被ばく線量の積算値(以下、「50 年間積算実効線量」と言う。)につ
いて、IAEA が提案している緊急事態時の被ばく評価方法※2 に基づき計算したところ、本
調査においてセシウム134 やセシウム137 の沈着量の最高値が検出された箇所における
50 年間積算実効線量と比べて、非常に小さいことが確認された。

※1:警戒区域又は計画的避難区域の中にあり、現在、人は居住していない。


(参考1)
●本調査において、プルトニウム238、239+240 及びストロンチウム89 及び90 の沈着量
の最高値が検出された各箇所における50 年間積算実効線量
①プルトニウム238 : 0.027mSv
②プルトニウム239+240: 0.12mSv
③ストロンチウム89 : 0.61μSv(0.00061mSv)
④ストロンチウム90 : 0.12mSv

4.3 ストロンチウムの測定結果に対する考察
○ストロンチウム89 は半減期が50.53 日(ストロンチウム90 は半減期28.8 年)であるこ
とから、本調査においてストロンチウム89 が検出されている箇所は、今回の事故に伴い、
新たに沈着したものと考えられる。
○また、本調査において、ストロンチウム89 は不検出であったものの、ストロンチウム
90 が検出された調査箇所で検出されたストロンチウム90 の測定値は、事故発生前の全
国において観測されているストロンチウム90 の測定値の範囲(2.3~950Bq/㎡)内に入
るレベルであった。
○なお、ストロンチウム89、90 が検出された土壌試料について、ストロンチウム90 に対
するストロンチウム89 の沈着量の比率を計算したところ、1.9~6.5(平均4.0)であり、
概ね両核種の比率は一定であった。
他方で、ストロンチウム89 が検出された土壌試料について、セシウム137 に対するス
トロンチウム89 の沈着量の比率について計算したところ、5.6×10-4~1.9×10-1(平均:
9.8×10-3)と大きくばらついていた。また、ストロンチウム90 が検出された土壌試料
についても、セシウム137 に対するストロンチウム90 の沈着量の比率を計算したところ、
1.6×10-4~5.8×10-2(平均:2.6×10-3)と大きくばらついていた。
本結果より、ストロンチウムと放射性セシウムの挙動は一様ではないことが確認され
た。今後、本調査において放射性セシウムに対するストロンチウムの沈着量の比率が大
きな箇所を中心に追加調査を行うとともに、放射性物質の移行状況調査を通じて、スト
ロンチウムの挙動について詳細に検討する。